第四百九十二話 恥ずかしい記憶
休憩は大事ですよね?あれ?オレはいつ休憩してる?
なんでハデハデにするかなぁ…
アレから二日後の夕方、ラナーの王都に入る前に、
「殿、今回の遠征もお疲れ様でした。稲葉と加東の報告に、戦勝がありまして、殿はコチラにお乗り換え頂きたく。」
と、勘兵衛、五郎兵衛、七郎次が来て、オレにバスでは無く、そちらに乗る様に指示して来やがった…
「えと。オレにこの派手な車に乗れと?」
「はい。ついでに稲葉と加東も乗ります。御者は私が…」
「……だ。」
「はい?」
「イヤだ!!そんな恥ずかしいモノに乗るとかどんな拷問だよ!?」
乗り換えを要求された車は、まるで御神輿の様な飾り付けと天辺に椅子が有り、ソコに乗れと言っているのだ。
しかも、一緒に行った兵員達まで来ていて、御神輿車を囲んで行進するとか言ってるんですけど?
「そぉですか?殿の偉大さを最大限生かした作りとなっていると思いますが…」
と、勘兵衛はめっちゃ本気みたいだな…
「へぇ〜!!あきくんコレに乗るんだぁ〜!!めっちゃカッコいいよ!!ぷぷぷ…」
「うんうん、一人だけ特別扱いかぁ…うらやましいなぁ…ぷぷぷ…
「ほぉ…英雄凱旋と云った感じやよね…あははは…」
奥さん達の反応は予想以上にアレだった。勘弁してくれよ…
「さ、殿はコチラに。」
「ちょ?おい?」
「「「いってらっしぁ〜い!!」」やよ!!」
勘兵衛に拉致られるオレを奥さん達は満面の笑みで手を振り見送られた…くそっ!!止めてくれぇ〜!!
オレの心の叫びも、虚しく空回りし、夕刻…そろそろ仕事終わりの帰途の最中くらい…街の入り口には、【祝戦勝・総大名様万歳】って横断幕が…何この仕打ち!?イヂメか!?新手のイヂメなのか!?
神輿車が街に入った途端…
「総大名様ばんざぁ〜い!!」
「大戦お疲れ様でしたぁ〜!!」
とか声援が上がるし…
「殿、お手をお振り下さい。」
七郎次に促されるままに、周りを、焦点の合わない目で見ながら手を振る…
「きゃぁ〜!!私をご覧になられたわぁ〜!!」
「ちょっと!!今のは私を見たのよ!!」
「あぁ…偉大なる総大名様が私にお手をお振り下さったわ…もぉ今死んでも悔いは無いわ…」
うん、オレは何をさせられてんだ?そしてソコ!!死んぢゃダメ!!つか、オレが死ぬわ!!
そんな見せ物行列が城まで続いた…もぉ、ソレは諦めたけど、街中をあっちこっちしないで下さい!!周りの人達もワケ解らん盛り上がり方しないで下さい!!下帯(女性用下着)を投げないで下さい!!そんなモン貰っても嬉しくありませんよ…
「どぉかウチの娘に種付けを〜!!」
「イヤ!!ウチの娘にぃ〜!!」
「ばっけろぉ〜!!ウチの娘だ!!」
と、ケンカも始まっちゃったし…アンタ等正気か!?不細工な遺伝子残してどぉすんだよ!?
そんな勢いが、城まで続いた…コレってオレに対するイヤがらせ以外の何物でも無いよね。
そして、城に着いたら、城詰めの職員や、各地の大名達まで勢揃いして、地面に正座して出迎えられる…これ以上の拷問は勘弁して下さい。
先頭に居る菊千代が、
「この度の戦勝、おめでどぉございます。家臣一同お待ち申し上げておりました。」
と、座礼をしたら、
「「「「「お待ち申し上げておりました!!」」」」」
って、大合唱されたよ…
「殿、一言お願いします。」
小声で勘兵衛に促される…ココで一言かよ!?
「あ〜…うん、そぉだな…長々と国を空けて済まなかった。皆変わりない様で何よりだ。出迎えご苦労。」
「勿体無きお言葉。」
と、菊千代をはじめ、その場の全員が座礼をし、オレはやっと城の中に入れた。
その後、ご飯を食べてゆっくり…したかったんだけど、謁見の間に連れて来られて…いや、何をすりゃ良いのさ!?
謁見の間では、七郎次と五郎兵衛を先頭に今回戦に参戦した各小隊長達が…ま、ココに五百人は入れないからね…
「では殿、皆に一言お願いします。」
進行役は勘兵衛だ。オレの座る場所より一段低い左側に座っている。
「あぁ、今回は直接ケンカを売られた形で、皆以外にも参戦したかった者も、少なくは無いだろぉが、国を護るのも戦だと云う事を頭に入れておいてくれ。そして、今回の戦では、銃も無意味なヤツ等が居たが、なんとかなった。今後はその時に使った剣をいざと云う時の為に用意する事を決めた。一気に量産は出来ないが、少しずつ配備していく。最後に、みんなお疲れ様。今回も褒賞は期待しててくれ。」
「「「「「ははぁ〜!!」」」」」
と、オレの言葉にみんなが頭を下げる。
「今夜はゆっくり休んでくれ。」
「「「「「はっ!!」」」」」
と、今日はコレで終わりだよね?
終わりみたいで、オレも謁見の間をあとにし、やっと夕飯に有り付いたんだけど…
「カラカラ丼ぢゃんか!?」
「うん、さっき買って来て貰ったの。」
「ん?みんなも?」
「今からだよ。旦那様を待ってたんだ。」
椿が満面の笑顔で教えてくれた。
「さ、早く座って食べるやよ。」
「あ…うん。」
紅葉に促され、オレが席に着いたら、
「では、いただきますやよ。」
「「「「「いただきます。」」」」」
「い、いただきます?」
みんなで、いただきますをして、クミンもソレに倣った。
「…うぅ〜辛いぃ〜」
クミンは、初めてのカレーに舌をやられたみたいで涙目になって、水をガブ飲みしている。
「この辛味に慣れたら、コレの美味しさの虜になりますわよ。」
クミンの態度に隣に座っていた双葉が世話を焼いている。
「そぉなのですか?」
「うん、私も最初はそんな感じだったけど、今ぢゃ、たまに頼んで、買って来て貰ってるんですよ。」
「まぁ、そんなになんですね。」
と、みんなでカレーを美味しく食べて、夜…
「みんなで一緒に寝るのかな?」
「当然やよ。」
オレの質問に応えたのは紅葉だった。
「来る時は変わり番こだったからね。今夜はみんなで、明日は莉緒ちゃんが独り占めだね。」
「本当によろしいのでしょぉか?」
「良いと思いますよ。みんなで決めた事ですから。」
椿の言葉に少し恐縮する莉緒に楓が気遣い無用と言い切った。その日は七人で仲良く眠る事にした。
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




