第四百七十九話 自重の記憶
折れたのは心でしたか…
なんとかなるもんだなぁ…
「「「「「ぐおぉ〜!!」」」」」
雄叫びを上げながら、一鬼当千の鬼達が、目と鼻の先まで来ている。
「やるぞ!!」
「「「おぉ〜!!」」」
気合いも何もかもが丁度良い感じで、三人から返事が来た。
「散開!!」
オレが叫ぶと道雪と右近が左右に分かれ、オレも右に動く。じじぃを中心にした布陣だな。えっ?なんでじじぃを中心にするかって?年寄りを労っただけだよ。
左の道雪は既に笑みを浮かべて鬼達を斬り刻み始めてるし、右の右近もなんとかなってるっぽいし、中央のじじぃはゆっくり歩いて瞬殺しまくってやがる…オレも負けてられないな!!
「ぬおぉ!!」
鬼と云えば武器は金棒だろ!?なんでそんなバカでかい大剣なんて持ってんだよ!?おかしくね?しかも、なんか達人ぽい動きのヤツもか混じってんだけど!?他のヤツ等のトコには、そんなヤツ一人も居ないんですけど!?オレ狙い!?女の子なら…あ、そっちも間に合ってるな…
一匹二匹と斬っていく。オレの剣をあのバカでかい大剣で受けよぉとしたヤツの腹を大剣ごと斬り裂いてやる。
ソイツは断末魔の声を上げて動かなくなるけど、残心だなんだと云える状況ぢゃ無いな…
「ぐおぉ〜!!」
と、鬼が雄叫びを上げて突進して来た。単純な質量攻撃だ。単純なだけに一番厄介でも有る。あんなの掠っただけでも大怪我しそぉだし、腕を広げられれば、それだけで大きく避けなきゃならない…そんなのごめんだな…
オレは走り鬼と接触する…瞬間、足から鬼の下に滑り込み、すれ違い様に左足首を切り飛ばす。[鳴子斬]と云う業だ。剣道ぢゃ絶対に見られない、トリッキーな業だけど、かなり効果的だ。
案の定、鬼は一歩二歩進んで、ずとぉ〜!!と倒れ込み、
「ぐおぉ〜!!」
と痛そぉな声を上げている。
オレは引き返して心臓目がけて刀を刺し、トドメにする。
そんなオレの後方左右から一匹ずつ鬼が迫って来ているのが解る。
オレは倒れた鬼に刺している刀を抜き、前方に転がると、オレの居た所に二振りの大剣が振り下ろされ、倒れている鬼が斬り刻まれた…トドメを刺さなくても良かったかもな…
振り返ったら、正面に二匹、更に後方に四匹…一匹ずつやるのも面倒だな…
「うおぉ〜!!」
オレは、刀を上段に構え、雷を呼ぶ様に前方に向けて振り下ろす。
ずがががががぁ〜ん!!
天が破れ、雷が直線状に降り注ぎ、目の前の六匹が瞬時に黒焦げになって、すどぉ〜ん!!と倒れ伏す。
ちょっと派手にやり過ぎたのか、全鬼に注目されてしまった。そして…生き残りの鬼がオレに向かって集まって来ちゃったよ…勘弁して下さい。
ソレからもちまちま一匹ずつ斬って…られるかぁ〜!!
バチバチバチバチ…オレは全身に雷を纏い、抜き足で、鬼の間を隈なく通り過ぎ、小枝で草を叩いて行く子供の如く、鬼を斬って行く。
いや…もぉね…この刀反則級の斬れ味だわ…
程なく鬼は全滅させてやれた。
「疲れたぁ〜!!」
オレは、バスのそばまで戻って大の字に倒れ伏した。
「ヌシは阿呆か?」
「何だよいきなり…阿呆とか…」
「結局、ほとんど一人でやりおってからに…」
「しょぉがねぇだろ…オレのトコにワラワラ集まるんだからさ…」
「ふん、あんな派手な技を使うから注目されるんぢゃ。ま、ワシは楽が出来たから良いがの。こら、そこの案内係!!いつまでいぢけとる?早よぉ次に案内せぇ!!貴様は疲れとらんぢゃろが…」
じじぃは案内係、クイ・サホンを蹴りながら、急かしている。
いやいや、ソイツいぢけてるだけだから、ソレにオレだけぢゃ無く、他の三人も余裕で鬼を捌いてたし、何なら残りの十匹ほどは道雪と右近に丸投げしてるんだけど?
「おいおい、そんなに急かさなくても良いだろ?静さんと朔夜さんが昼餉の準備してくれてるんだからさ。ゆっくりしてもバチは当たらないだろ?」
「ふん、小僧のくせに悟った様な事を言いおって…ワシの方がガキみたいぢゃ無いか。」
と、昼食の準備があとちょっとで終わる時になって、道雪と右近も戻って来た。
「ふぅ…やっと終わりましたぞ。」
「刀を変えただけで、これ程に違うモノなのですね…」
道雪は肩の荷が降りたと云った感じで戻って来て、右近は新しいおもちゃが気に入った子供の様だ。
「あぁ、二人ともお疲れさん。その刀は反則的なモンだから、帰ったら一振り、普通の刀を新調して、普段はそっちを使えよ?オレもまた一振り、同じ素材の刀を新調するんだからさ。」
と、オレは右近に注意した。
「何故です?」
と、聞き返された。
「正雪が欲しがったらしたらメンドい。忠相も欲しがりそぉだしな…」
と、説明してやると、
「ほっはっほっ…ぢゃったら吉良の小僧にも自慢してやるかの。」
って、じじぃが言い出した。
「じじぃは自重って言葉知ってるか?」
「なんぢゃ?その言葉、綺麗に包んで送り返して欲しいのか?」
「うっせぇ!!オレは自重しまくってるぞ!?」
と、じじぃに受け答えしたら、道雪と右近が、コイツ何言ってんだ!?みたいな表情をしてオレを見てきた…イヤ!!なんでだよ!!解せぬ!!
「はぁい!!お昼の用意が出来ましたよぉ〜」
と、朔夜さんが、お鍋を、静さんが食器を持ってやって来た。
オレは疲れた身体を手近な木に背を預け、なんとか起き上がり、美味しいお昼を食べて、みんなでバスに戻り、ひと時の微睡みに身を預けた。
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




