第四百十一話 戻った記憶
あ、緊急事態で暴露したゃった!?
なんとかなって良かったなぁ…
「何をワケの解らん事言ってんだ!?」
ココは日本ぢゃ無い…弥生の言葉を反芻してみる。
なら、あのバケモノは!?ホンモノのバケモノか!?
弥生はもぉ泣くだけしか出来ないみたいだ…
オレはワケが解らないままに、バケモノを見た。アレがもし、こっちに来たら、この気絶してるヤツのみならず、泣いている弥生すらも殺されるかも知れないんだよな…
いや、あのバケモノが、オレの大事な弥生を泣かせたんだ…許さねぇ…そぉだよ!!オレの弥生を泣かすヤツは…殺す!!
そぉ腹を括ったオレはゆっくりとバケモノに対して歩を進める…幸いにも、腰には真剣が有る。この妙に手に馴染む刀を抜いてゆっくりと進む。
不思議な事に、心は妙に落ち着いていて、周りの声は聞こえないが、幸いにして、誰一人として止める者は居ない。
「よぉ…バケモノ、オレの大事な女を泣かせた罰だ、死にやがれ!!」
オレは裂孔の気合いと共に、剣を振り抜いた。
どうっぅ…
砂埃を上げてバケモノは後ろに飛んでソレを躱していた。なかなかどぉして、斬れたのは皮一枚か…
オレはバケモノに近付く…バケモノもオレを敵と認識したのかオレに対して吠えた。
「ぐるぁ〜…!!」
良いぞ良いぞ、なんか燃えて来た!!あのバケモノは三毛別羆事件の羆と同等のバケモノだろぉ…いや、知能が有りそぉな分こっちが手強いか!?俄然やる気が漲るぞ…
「ほら、来いよ。ソレともてめぇの半分以下の体格のオレが怖いのか!?」
ま、このバケモノに言葉が通じるかは解らないけど、バケモノもオレを敵と認識したのか、目付きが変わる。
さっきまでの餌を見る目では無く、倒すべき宿敵を見る目だ。
そぉでなきゃ面白く無い!!
オレはバケモノ目掛けて踏み込む。バケモノも踏み込んで来る。バケモノは拳の腹でオレを潰す様に振り下ろして来る。オレはもぉ一歩前に出て、左肘を上に突き出し、右足を軸に、ソレを受けた。
見た目通りの重圧に[支柱]が折れそぉになるが、ソレを堪えて、バケモノの伸び切ってる右の内肘の腱を斬ってみる。
思いの外、簡単に斬れて、
「グおぉおぉ〜!!」
咆哮とも悲鳴とも取れない声を上げる。
逃げられても面倒なので、宿地で駆けて、後ろに回り込み、両方の膝裏の腱を切る。
本来なら、後ろに回り込み首を落とす[不知火]って業なんだけど、身体の大きさが違い過ぎるから仕方ないよね?
その場に止まっていても押し潰されて死ぬかも知れないから横に移動して、
どすぅ〜ん…!!
とその巨体が倒れるのを確認する。
残るは左腕一本…コレを残して失敗した大魔王が居たって何かで見たな…左腕の筋も斬ってやる。うん、オレは優しいな。
「ぐお?グオォ〜!!」
動けないままに咆哮を上げるバケモノに、
「なんだ?何が言いたいんだ?解る言葉で話してくれよ?」
と詰め寄るけど、何を言いたいのかさっぱり解らない。グオグオ言うだけだ。
「まぁ、なんでも良いや。お前はオレの大事な女を泣かせたんだ…死んで後悔しとけ!!」
オレの持ってる刀の刀身の長さと変わらない程の太さの首に、刀を突き刺し、そのまま斬り落と…せないなぁ…どぉしよ?ま、中心から見て右側の頸動脈?頸静脈?を斬る事が出来て、放っとけば失血死するだろ?
そぉ思ったのがオレの油断だった。死角からの暴れる巨体の攻撃では無い攻撃が頭に当たり、吹っ飛ばされ…あれ?ココってお医者さんも救急車も無いとか言って無かったか?オレ死ぬのか?とか思いながら、意識を手放した。
何か長い事寝てた気がするぞ?
目醒めたオレの周りには椿と紅葉と楓と道雪が…道雪以外は何か泣いてるんだけど.何が有ったんだ!?
「なんで泣いてんだ?何かあったのか?」
オレが声を発すると、
「殿!!お目醒めですか!!良かったぁ…一時はどぉなるかと思いましたぞ!!私が解りますか!?」
「ん?あぁ…なんで紅葉も椿も楓も泣いてんだ?」
オレが起き上がると、奥さん達に抱き着かれた。
泣きながら何かを訴えて来てるんだけど…良く聞き取れないや。
「道雪、説明してくれ。」
「はっ!!」
それから道雪が語った内容は、紅葉が妊娠したと判明した後からオレの様子が変わり、表情から気負いが消えて、それと同時に記憶の混濁が起きたらしい。道雪を道雪さんと呼んでみたり、色々混乱状態になってオレがオレで無くなって行ったとの事で、唯一椿…弥生だけを認識していたとの事だ。
「旦那様…中学の修学旅行の時に戻ったみたいだったの…この村の事、紅葉お姉様や楓ちゃんの事解らないみたいで…ケモミミ尻尾の美少女とか言ってて…私をずっと弥生って呼んでて…お風呂で抱いてくれた時なんか、私が痛がらないのを不思議がってたし…」
涙を拭きながら、椿はオレの状態を語ってくれた。
「二間程ある鬼が出て、殿が討伐されましたが、その後、ジタバタ暴れてたのを喰らい、吹き飛び気絶されてたんです。」
と、道雪に説明を受けた。重ねて…
「殿は無意識に身体と雷斬に雷を纏わせておいででしたよ。」
と、なるほど…意識せずに法術を使いながら戦ったのか…そりゃなんとも…
「ま、目醒められてもまだお疲れでしょぉ、今日はもぉ休まれたが良いでしょぉな。」
と、道雪は部屋を出て行った。
「なぁ…そんなにオレは変だったのか?」
オレの問いに奥さん達は頷き、三人がかりでポカポカされた…
久々に業が出ましたね!!不知火ですか…
後ろに回り込んで首を刎ねる…良いのかなぁ?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




