第二百九十六話 計画の記憶
変装が女装って…謁見殿の女中さん達…特に葵さんのセンスの勝ちですよね?
無邪気過ぎるよなぁ…
「なぁ、鑑連殿、コレ…オレにもくれないか?金なら出すぞ!!」
長秀殿がそんな事を言いながら乗っている車を叩く。
「あぁ、ソレは構わないんだけど、法令や道の整備が終わって、免許制がしっかり始まったらね。」
「む、それはどれ程先になるんだ?」
「まぁ、数年かな?」
「なに!?そんなに先なのか!?」
「あぁ、なんたって次の連合会議に議案として提出するからさ。」
「そぉか…仕方無い、それまでは我慢するか…」
と、諦めてくれた。
なんで車で移動中か…女装男を連れて行くのは構わないんだけど、逃げるかも…って思ったからなんだよな…
そのまま車で城に入り、オレと長秀殿と女装男は将軍の執務室に来た。
「入って良いかなぁ?」
外から声をかけると、
「大丈夫だ。」
と、将軍の声がして、オレ達三人は中に入った。
「んな!?だ、だ、だ、旦那様!!浮気かや!!そんな女子を連れて何のつもりかや!!」
って、紅葉をはじめ、奥さん達から殺気が…
「いやいや、コレは変装だから!!中身は街道で拾った男だから!!」
と、慌てて弁明したら、
「旦那様?男に目醒めたの?」
って、椿が泣きそぉになって非難の目を向けて来た。
「違う違う!!コイツの知り合いにバレない様に連れて来ただけだから!!」
と、必死の弁明にやっと納得してくれて、そのあと、奥さん達と将軍の大爆笑が城中に響き渡った。そりゃそぉだ。ご丁寧に化粧までしてたんだから…
その笑顔たるや…自分達の立場を忘れて…涙流しながら…
「し…死ぬぅ〜…笑い死ぬぅ〜!!」
って、椿は床をドンドン叩きながら爆笑してるし、
「ぎゃははははは…!!」
と床に寝そべり足をバタバタさせて、楓は笑い転げている。
「二人共、はしたないやよ。もっと上品に…ぷぷぷぷぷ…」
って、紅葉も堪え切れない様子だ。
ホント、奥さん達の無邪気な笑顔ときたら…無邪気か!?邪気しか感じられんのだが…
「うむ、して.その者は?」
流石に将軍はしっかりと笑いを堪えてるな。しかし…
「はい、公方様に毒を盛った張本人です。」
って長秀殿が答えたら、
「なに!?ホントにあの時の医師か!?ぷっぶはははははぁ〜!!」
と、堪え切れなくなり笑い転げてしまった。
みんなの笑いが治まるまで数分間、話が出来ない時間が過ぎた。
いやぁ、この人もここまで笑われりゃ本望だろぉな…
「なぁ…みんなして笑い過ぎぢゃ…」
「公方様に毒を盛ったヤツにそんな事を言う権利は無い!!」
「…あ、やっぱり?」
ってこの人も物怖じしないなぁ…少しでも心証を良くすりゃ生き残れる道もあるだろぉに…
「ふぅ…いや、ここまで笑ったのは久し振りだ。礼を言う。」
って、自分に毒を盛ったヤツにお礼とか…良いのか将軍?
「笑わそぉとしてたワケぢゃ無いんだが…」
と、男は呟くけど、誰にも拾われ無かった。
「いやぁ…笑った笑ったやよ。」
「うん、どんだけ身体を張ったボケなんだか…」
「ホント、笑わせてくれてありがとぉございます。」
って、紅葉、椿、楓も満足したみたいだ。
「良かったぢゃんか!!主上陛下をこんなに笑わせたのアンタが初めてかも知れんぞ!!」
と、フォローしてあげた。
「慰めになってねぇよ!!」
と、怒鳴られちゃった。
「…ん?主上陛下?誰が?」
「ん?この人…因みにアンタの傷を治したのもこの人。」
「はぁ?」
「因みにこっちは水晶教団の教皇猊下。」
「えっ!?」
「こっちは主上陛下だいりも務める人だ。」
「はへっ?」
男は頭がこんがらがってしまっている様だ。そりゃそぉだ。この国どころか大陸で一番のお偉いさんが目の前に居るんだからね。
「あ〜…その…うん、つまり…オレは主上陛下に命を救われた?」
「うん、そぉだね。」
オレが男に答えると、その顔からは血の気が引き、言葉にならない言葉を発して頭を床に叩き付けて恐縮している。痛く無いのか?
「治療は確かにわっちがしたが、あきつらに頼まれたからしたまでやよ。貴様の命を拾うたはそこなあきつら…ラナー総大名にしてコトの雷神松岡鑑連やよ。」
その紹介の仕方勘弁してくれ…
男は空いた口が更に空いた。
「なんて顔してんだよ?ほら、アンタにはこの場で話さなきゃならん事が有るだろ?」
オレの言葉に、男は口を開いた。
「お…オレは元医師をしておりました、東雲双雲と申します。」
「ほぉ…医師は医師だったか…」
「は…はい…」
将軍の言葉に恐縮しながらもちゃんと答える。
「この度将軍様に盛ったのは十日前後で身体を喰い破り、外に出る蟲でした。孵化してから身体を食い破る時にかなりの激痛を伴い、その激痛にのたうち周り、死にます。その激痛を無くすのがとある香でして…傷口を縫う時や開腹手術をする時に使います。」
ん?香?あの時のアレか!!
「…って事は…将軍が助かったのって…その香の効果も…?」
「無いとは言い切れませんね…しかし、どの様に助けたのか…」
「ま、ソレは秘密だ。」
あの香が麻酔だとしたら…身体を喰い破られていたとしても、ひょっとしたら助かってた可能性が無いか?
「…なぁ、お前…本気で将軍を殺害する気が有ったのか?」
オレの言葉にその場の全員がオレに注目した。
「…あの…何故そぉ思ったので?」
男はオレに問いかけて来た。
「麻酔効果のある香を焚いておけば、腹を切ってもしっかり処置をすれば助かるのだろ?蟲に身体を喰い破られてもお前さんならその処置も出来るんだろ?」
オレの言葉に男は、
「御慧眼恐れ入ります。確かにソレは可能ではあります。但し、痛みに暴れなければ…ですが…」
その暴れない為の措置があの香だ…コイツはハナから将軍を殺す気が無かった…
「バカだなぁ…ソレなら最初に将軍に有った時にヤツ等の情報を売れば良かっただろぉに…」
「はい…ヤツ等を油断させて隠れ家を教えて一気にやって貰いたかったのですが…将軍様が回復なされたと御触れが出て…」
あれ?コレってオレが悪い事になって無いか?
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お時間がありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」も合わせてお読みください。




