第三十話 町中の記憶
デカすぎるやらかしの尻拭いは誰がするのかな?
小さな袖の下…大きな損失…
頭が埋まるのでは?と云う勢いの土下座を披露する鑑鎮。
「鑑鎮殿!!やはりコチラのお方は!?」
「左様!!コチラにおわすお方こそ、主上陛下に御座る!!」
「ははぁ!!」
先に居た家老も鑑鎮に倣い頭が埋まるのでは?な勢いだ。
コレに面食らったのが同心連中…
オレを縛り、拷問の準備までしており、紅葉にもエロい事をする手前であった!!
慌てた同心連中も頭が埋まる勢いの土下座をするが…オレは、縛ったまま放置…勘弁してくれ。
「鑑鎮や、まずはわっちの大事なあきつらを解放してたも?」
紅葉は悲しそぉな…今にも泣き出しそぉな表情で訴える。
「ははぁっ!!」
家老である鑑鎮自らの手でオレは吊るされる所から助けられた。
オレは紅葉の左前まで来て片膝を付いてすわる。
「さて…先程のわっち等に粗相をした二人は…よもや取り逃がしてはおらぬよのぉ?」
紅葉は冷たい口調で家老や同心連中に聞いた。
家老の号令に同心が一人動きチンピラを連れに行く…が直ぐそばに居たにも関わらず、チンピラ二人は逃げた後だった。
「ふむ、逃げられたのかや?情け無い連中やよ…」
紅葉の心底落胆した言動に一同が恐縮しまくっているから、
「ソコな同心?最初にオレを殴り付けた貴様だ!!
貴様ならヤツ等が何者か知っておろぉ?
袖の下まで貰っていたのだからなぁ?ヤツ等の仲間か何かであろ?」
オレの言葉にビクっとなり冷や汗を流す同心、家老に詰め寄られ、全てを白状した。
ヤツ等は何町一家と云う犯罪組織のチンピラである事が判明した。
「ふむ、ここの同心はそんな連中と仲良くし、畏れおおくも主上陛下に牙を剥く愚行に走る様なモノしか居ないのか?」
オレが冷ややかに問い掛けるが誰も返事をしない。
ソレはそぉである。
無抵抗を貫いたオレに対し、皆で袋叩きにし、紅葉に嫌がる事をしているのだ…
何も言えるワケも無く…
「お…畏れながら申し上げます!!」
一人の同心が声を上げた。
「申してみよ。」
「ははぁっ!!あやつはアレ等が何町一家のチンピラと知っていた様に御座いますが、他の我等は一切知らぬ事に御座いますれば、何卒…」
「ほぉ…ヤツ等がチンピラと知らず仲間のクズさも知らず、言われるがまま善良であろう一般市民の言も聞き入れず、犯罪者に仕立て上げ、拷問に因り死しても、知らぬ存ぜぬと。そぉ言うのか?」
「そ…その様な事は…決して…」
「オレと云う生き証人が居るにも関わらず、よぉ言えたもんよな?ココまで謀られたのは産まれて初めてだよ…」
オレの呆れ返った感じの口調と表情に同心連中が凍り付く。
「こんな痴れ者揃いやと、京の住民もさぞ苦労が絶えぬやろぉね。心底心配やよ。」
ソコに紅葉の落胆した声が響く。
「御意に!!」
オレが肯定の言を、発する。
こぉなっては、この同心の上役が出て来なくては意味が無いのだが…
「して、この無能共のまとめ役はどこに居る?」
オレの言葉に場の空気が変わる。
明らかに同心連中は知っているが話せない…そんな雰囲気だ。
ソレを察した家老は同心連中に問い正す。
すると最悪な言葉が出て来た…
「何町一家の大親分に呼び出されて食事に…」
何と云う事でしょぉ!!犯罪を取り締まる立場の全ての者が犯罪組織の手下の様になっているではありませんか!!
いや…ドラマとかでたまにそんなシチュエーションあったけど現実に…ってなると、どっかのナレーションみたいになったよ…
家老の顔から血の気が引いた…その直ぐ後には激昂し…
「何を考えとるのだ貴様等はぁ!!主上を蔑ろにし犯罪組織と連むなど前代未聞の言語道断!!おい!!屋敷に戻り人を集め此奴等に縄を打て!!」
と、自身の小姓に命令した。
そのまま紅葉に向き直り、
「主上陛下にはお見苦しいモノを見せました事、ここに謝罪申し上げまする!!」
しばしの沈黙後、紅葉は鑑鎮に問うた。
「鑑鎮や、其方は此度の一件がわっちに見られた事どぉ思う?」
鑑鎮はしばし考え、
「政も、町も、綺麗事だけでは回りませぬ、必要悪と云うモノも御座いますれば、此度の一件は流石に行き過ぎてはおりますが小規模なら致し方ない事も御座います。
犯罪組織をのさばらせるのも、番所が犯罪組織と連むのも言語道断です!!
しかしながら、主上陛下に現在を見て貰えた事は至情の喜び、コレで改革も進むと思われます。」
そぉ言い鑑鎮は深々とあたまを下げた。
「鑑鎮の言う改革に手助けして貰えるかや!?」
紅葉は家老に問い掛けると、
「身命を賭して!!」
と約束させた。
暫くしてこの番所の元締めたる奉行が帰って来た。
「なんぢゃなんぢゃ、コレからが良い所であったのに呼び戻すとは、何かそんな大事でも…」
そんな声と共に一人の如何にも小悪党然としたヤツが入って来て…紅葉を、見やった。
「おぉ!?何ぢゃこのメンコい娘は!?誰からの献上品ぢゃ!?早速味見ぢゃ!!」
等と曰い、紅葉に触れよぉとした瞬間、オレは、その右手を取り外から内周り腕の下を通り、小悪党の肩を極め地面に叩き突ける。[四方山落とし]と云う業だ。
「何ぢゃ何ぢゃ!?あいたたたっ!!」
投げた格好のまま腋に膝を当てて自由を奪う。
その時、家老の手勢が乗り込んで来て、家老の指示通り全ての番所の関係者が縛に着いた。
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