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第二十三話 腹黒の記憶

このオッサンは何考えてんだか…

事後処理って大変なんだなぁ…



乱戦に一応の決着が付いて、紅葉さんが車から出て来る。綺麗な布で千鳥を持ち、女官さんに泥を払って貰い、オレに差し出す。それを貰い、腰にさす。

ソレから帝に、喝を入れて起こす。

帝は現状把握に全力を…


「何をしておる!!この狐共を血祭りに上げぬかぁ!!」


…注いで無かった…


「帝はあぁ言っているが、お前等どぉすんの?」


オレが問うと残った公家衣装のお偉いさん?が…


「そんな主上陛下に楯突き、民の事を考えない者は帝でも何でも有りません!!

京に帰ったら直ちに、病に伏せて頂き、暫くしてから病死して頂き、然るべき次代の帝を立て、姫島の村に挨拶に馳せ参じます。

将軍も鬼に襲われ幕軍諸共討ち死に!!次代の将軍を立てご挨拶に伺う様取り計います!!」


コイツ、上司を切りやがった…


「ふむ、そこそこの筋書きやよ。将軍の分は…鑑鎮あきしげに任すやよ。出来るな?」

「は?ははぁ!!この鑑鎮!!身命を賭しまして必ずやご要望に沿う様努めさせて頂きます!!」


いきなりの指名だったが何とか受け応えをし、上手く切り抜けた鑑鎮だった。

そして筋書きが決まれば後は早い。

朝廷軍は荷物を纏めそそくさと帰り支度を済ませる。

鑑鎮は仲間と死体の処理を行い、車に鬼の首を乗せる。

その間に、紅葉さんが一筆したためる。将軍の死についての覚え書きである。コレで公式に、此処では戦も、蹂躙も無かった事になる。

鑑鎮等は京に戻る組、残り事後処理と、引き続き仕事をする組に別れ行動を起こした。

オレ達は着替えた後、姫島の村に帰る。

何事も無い道中だと良いなぁ…


何事も無ければ三日の予定だったのだが…予定が狂い二日で終わってしまった…

順調に行くより早く終わる予定外の出来事って…


そもそも今回の裏の目的が帝と将軍の失脚だったのだそぉだ…

鑑鎮は何も知らない状態で、オレにいちゃもん付けたヤツがコチラの間者だったらしい…

そぉでなければアソコまでアホな振る舞いは無く、京内で戦など以ての外なのだ。ならばと白羽の矢が立ったのが関所だ。

倹兵の誰かを抱き込む必要があった。そんな中、女官さんの一人を口説いてたあの男、名を虎之介、今回上手く行ったら、望みを叶えるとの約定が有ったらしく、帰りの車に乗っている。

今回一番の手柄が彼なのだ。

今回のあの乱戦にて死んだ事なる…新たな身分は、九尾の狐様一族に産まれたが、尻尾も耳も無く産まれたとの事にして、名前は秀成ひでしげとなる。

暫くは姫島の村に逗留し、然る後に、関所の姫島の村側代表としての派遣になり、給与は幕府持ちなんだとか…コレまでのコチラに対する迷惑料の一部だ。


鑑鎮は書状に[幕府の家老に推挙する]と紅葉さんが書いて渡している。

これで大出世だしその恩義で紅葉さんの首輪付きになる。

双方に利がある良い関係になるだろぉ。


今回の出来事は全て紅葉さんの掌の上て転がされた出来事だったのだ。

流石にオレの武力は予想以上だったらしく、降伏勧告や何かは予想の斜め上、鑑鎮と同じである。

ソレでも降伏したヤツ等が全てコチラの味方になるとは…

まぁ、歴史的にも紅葉さんの立場が特殊で聖獣?の血を引いているのが目で見ても解ると云うモノだし、政に口を挟まないが、立場は完全に国の一番上にある。全てが特殊なのだ。

たかだか十五のオレが全て理解出来るワケも無く、歳取っても強さにしか興味を示さないんだろぉなぁ…と感じた。


そんな事を考えてると、隣の美少女が拗ねた様に…


「こんな美少女が隣でいちゃいちゃを待ってるのに、お兄さんは難しい顔してるやよ?」

「いちゃいちゃって…今回の帝と将軍の交代劇が全部紅葉さんの筋書きなんだなぁ…って考えてたら頭痛くなって…」

「あははっ!!そんな難しいモノや無いんやよ?」

「オレには充分難しいんだけど…」

「ん〜…何年か前から帝も将軍も何かおかしいなぁ…って感じがして来てたんよ、その後…京の犯罪者の多くが村の近くの山に強制労働に出されて、鬼の出る量が少しふえたんよ。年間一匹くらいやったのが二匹や三匹にね。」

「オレがこっちに飛ばされた去年は三匹だったよね?ソレが意図的に?」

「その疑いもあるんよ…帝や将軍が直接関わってるなら今回の事で全てが丸く収まるし…そぉで無くても鑑鎮が何かしら掴むと思うやよ。」

「それで家老に推挙したと?」

「わっちの側から派遣となると、変な緊張感を持ったりして失敗する事もあるやよ、ソレに引き換え鑑鎮は何も知らんと家老なんかに推挙されれば…ってことやよ。」

「あ〜ぁ…腹黒な美少女って怖いなぁ…」

「腹黒は仕方ないやよ?立場が立場なんやから。お兄さんにもその内解るやよ。」

「解りたく無いです。」


オレはキメ顔でそぉ言った。


「いずれわっちの旦那様になるんやよ?イヤでも解る様になるやよ!!」

「本気で言ってるの?」

「何をかや?」

「いずれ旦那に…って…」

「イヤなのかや?」

「イヤぢゃ無いと思うけど…何時迄もお兄さんだと…」

「なら…[あきつらさん]とか?」

「堅いなぁ…[あきつら]で良いよ。」

「ならわっちの事も二人の時は[もみじ]って呼んで貰わんと釣り合いが取れんと思うやよ!!」


ソレから帰り着くまで他愛の無い話で盛り上がった。

クソ暑いバカップルの誕生である。周りから見れば、『今更ですか?』だとはオレ達は気付いて無かった…

全ては計画通り!!計画通りったら計画通りなの!!

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