第二十二話 ストレス発散の記憶
帝も将軍もそんな人だったんだ!?
いやぁ…まさかの展開だったなぁ…
「誠に、主上陛下には何と申し上げて良いのか…只、我等に反意の無い事だけは、何卒信じて頂きたく!!」
なるほど…利用出来る間はある程度立てておこぉとの腹積もりか?ま、その気持ちは解らんでもないかな?今の土下座も格好だけで、腹の中身はどんなだろ?
「反意は無いかや?わっちもいい加減腹に据えかねて来ていたんぢゃよ?ぬし等の腹の黒さにはのぉ…どぉぢゃ?帝と将軍の素っ首、わっちに差し出さんかや?さすれば今回の事、無かった事にしてやるやよ?」
なるほど…此処で素直に受け入れれば朝話してた内容に…と云うワケか…
「くはははははっ!!狐風情がほざきよるわ!!云うに事欠いて儂等の首を、差し出せか!?逆に貴様等のその首、貰い受けてやろぉ!!此処に居るは朝廷軍、幕軍、共に精鋭ぢゃて!!者共か「しゃっ!!」…ぐぎゃっ!!」
聞くに堪えなくなり此方から目を離したのを見計らい、渾身の蹴りを叩き込んでしまった!!意図的ぢゃ無いよ?身体が勝手に反応しただけなの…だって…この美少女達を害するとか言うんだもん!!しょうが無いよね?
それで、気絶した帝の首を踏む。
その状態で周りを俯瞰する。
足元のコイツには人質の価値があるらしい…
オレにはなんの価値も見出せないヤツなのだが…
そのオレに続いて動いたのは以外や以外、鑑鎮とオレに難癖を付けたヤツの二人を筆頭に関所のヤツ等だったソレには紅葉さんも目を丸くした。
「我等関所倹兵隊!!主上!!紅葉陛下に仇成す不届き者を誅する立場!!なれば!!此度は帝!!将軍と云えど我等の敵である!!我等死すとも、骨は主上、紅葉陛下が拾って下さる!!
皆恐るるな!!」
何とも気合いの入ったヤツだろぉか…昨日アレだけの難癖を付けられても反意を持たないとか…見上げたヤツである…本心だろぉ…
鑑鎮は言いながら将軍を刺していた!!
アレは、致命傷だな…
オレは久清に叫んだ!!
「久清!!紅葉さんを安全な場所へ!!ソレと、コレを縛っとけ!!」
そぉ云うと朝廷側の連中に向かい突っ込んで行った。
まず狙うは将だ!!前の方に居た偉そおなヤツがそぉだろぉ…
反りの強い刀を抜き斬り掛かって来る!!
「せいっ!!」
振り下ろされた刀使いを、勢いそのままに[二刀取り]で久清の部下達の方に投げ飛ばす。後は任せたよ!!
「ソイツも縛れ!!その後は手出し無用!!」
オレのカッコ付けの場は譲らないゼ?まず一人…
幕軍と検兵隊は混戦状態だ。身形で敵味方の見分けが付く程度だ。
彼方は彼方に任せてオレは久し振りの対人戦に全力を出す事にした。
朝廷側のヤツ等はソレゾレに刀や手槍と云った武器を構えていた。なるほど…九尾の狐様一族との戦闘は想定の範囲内だったか…
なら遠慮は要らないな…死んでも文句言うなよ?
オレに斬り掛かって来たヤツの剣を躱し地面に踏み付け、人中に向けて…
「はぁっ!!」
ゴシャっ!!
…殴り付ける!!
精鋭が聞いて呆れる。ウチの道場生ならこんな無様は晒さないゾ?二人…
そんな事を思ってると、槍が突き出て来た!!
服の袖を刺させそのまま絡め前に出る、何を慌てた顔をしてるのやら…そのままガラ空きの金的を全力で蹴る!!
「ふん!!」
当たり前だが悶絶。なぁ〜むぅ〜!!三人…
絡め取った手槍を使い、戸次流棒術を披露したいが、重心が悪い…
刃が付いてる分戸惑うが…
振り下ろされて来た刀を左に避け、そこに穂先を残し穂先を斬らせる!!
見事!!精鋭と云うのは嘘ではなかった様だ。邪魔な穂先が無くなり扱い易くなる。ハタから観れば刃の無い槍など脅威では無いだろぉが…オレにしたら扱い易い武器になる。
穂先を斬ったヤツは調子に乗り、振り下ろした刀をそのまま下から斬り上げて来た。
「はいぃやぁ!!」
その腕に棒を叩き付け刀を落とさせ、叩いた棒の反対側で相手の首筋を思い切り叩く!![小手返し落葉]と云う業だ。武器を持つ手の骨を折り、首筋を叩き地に伏せさせる、当り所が悪ければあの世行き…良くて頸椎捻挫かな?まぁどちらにせよ戦線離脱だ。四人。
やっとオレの事を脅威と思ったか?皆で囲んで来た。
しかし、長槍が居ないでは囲んでも此方に脅威は半分しか与えられない。刀を持つヤツ等がジリジリと間を詰めて来た。
間が詰まる寸前、オレが動いた!!
「ほい。」
刀を持つ一人の隙を突き、棒で服を絡め、体を入れ替える。
周りの数人が既に刀を振り下ろしていたので、哀れ味方の斬撃に断末魔を上げる。五人…
体を入れ替えた先に居る槍使いにそのまま[諸足蹴り]を…
「どっせぃっ!!」
…浴びせ棒で平衡を保ち踏み付ける様に着地する。六人。
こぉ云った業を知らないのか?ギョっとした顔をして固まりやがった。
踏み付けたヤツの手槍を取り投げ付ける!!
「はぁっ!!」
一人が払うがその斜め後ろに居たヤツに刺さる…七人…直前に軌道が変わって自分に向かって来たら避けれんわな…
ソロソロ降参とか言わないか?
全滅までするのかな?
オレがしっかりと棒を構えると公家衣装のヤツ等がたじろぐ。
オレは質問する…
「降参するなら今の内だが、返答や如何に!?」
オレの問い掛けに幕軍側を気にする連中も居る。恐らく、向こうの状況次第だろぉ…
「久清!!検兵達の手助けをしろ!!」
「畏まりました!!行くぞ!!」
ソコからは只の蹂躙劇であった。
幕軍は殲滅され、誰も生きてる者が居ない。
オレは公家衣装のヤツ等に再度問う…
「降参か殲滅か、好きな方を選ばせてやる。殲滅を望むならこのままオレが相手をしてやるが?」
ニヤリと悪い笑みを浮かべて睨み付けると、公家衣装の面々は、武器を投げ出しその場に土下座をした。
やっと武術が少し出た。




