第十八話 鬼対狐人族の記憶
乱戦らんせん!!上手く表現出来るか不安…
あっちはどんな感じかなぁ?
「わーわーわー!!」
端的に表すとそんな声が聞こえるだけだった。
流石に一人一人の発声までは聞き取れず、重なった怒号になっている。
しかし、鬼を分断したまでは良いが、こちらの人員も分断しちゃマズいだろ?
しかし、まだ兵法なんかほぼ知らない状態でなら、コレも致し方ないのかな?
そんな中でも確実に鬼を追い詰めて…おっ!?心臓に刀を刺してトドメを刺した!!ん?アレって痴れ者くんやないか?
かなり頑張って稽古してたからなぁ…
鬼を足蹴にし踏み付けて、刀を掲げてて油断しまくりやないか…ソコは減点やなぁ…
仲間は皆他の手助けのに走ってるな、ココは加点っと。
痴れ者くんも慌てて後を追っている。
一ヶ所均衡が崩れれば後は、強個体が居なきゃ、瓦解するだけだ。
ん?あそこ、女官さん達だけやんか!!
今までよく保ち堪えたなぁ…女官さん達は基礎くらいしかしてなかったのに、考えた時には、すでに駆け出して無意識に、鬼の首を[紫電]にて斬り落とした。
女官さん達は何が起きたか解らない様子だが、オレの姿を認めて黄色い歓声が上がる。
「きゃあぁ〜!!あきつら様ぁ!!ありがとうございますぅ!!」
言葉は良いがチチを押し当てる様に抱き付かないでくれ…押し倒したくなる!!
周りを俯瞰すれば、あと二匹の鬼に対し優勢になっている。
コレなら程無く鬼退治も終わるだろぉ。
ずがぁん!!
大きな雷鳴が響いた!!誰かが攻撃の隊の入れ替わりの間を上手く突いて式術を使った様だ。鬼は動けず止まっている。
久清はその隙を見逃さず、心臓を貫いた!!
よし!!あと一匹!!
この一匹は他より小さく、力も無さそぉだが速さが違った!!
「剣士が前!!後ろに棒!!棒で上から叩き、剣でチクチク刺せ!!」
久清の指示が飛ぶ。ケガとしては大した事は無さそぉだか…ヤられる方のキツさを考えると…めっちゃ嫌がらせだなぁ…
案の定嫌がらせは充分な効果を発揮し、鬼のイラ付き様は目に見えてスゴい。
久清ヤるなぁ…敵にしない様にしよぉ。
程無くして最後の鬼も力尽き倒れ誰か首を刎ねた。三十くらいの美丈夫だ。イケメン滅ぶべし!!
「鬼、最後の一匹は、この秀成が討ち取ったりぃ!!」
と宣誓した。
みんなの助力があっての事だが…イケメンのクセに、手柄の独り占めか…石でも抱かすか?
とはいえ、今回は一人の脱落者も出さず切り抜けられて良かった。
「我々の勝ちだぁ!!」
指揮官の久清の勝利宣言に皆が反応し、それぞれの武器を掲げ在らん限りの鬨の声を張り上げている。
その後、久清の指示の下、五匹の鬼が一ヶ所に集められ埋める算段が取られていた。
「師範!!お疲れ様でした。」
久清が労いの言葉を掛けてくれた。
「そっちも指揮官おつかれさん。」
「いえいえ私などは…それよりこの大きなヤツです!!」
「ん?オレがヤったヤツだな?コレがどぉした?」
「コレは百年に一匹出るかどぉかの三つ角と呼ばれるヤツでして…」
「で?」
「普通の鬼五匹分くらい強いのですが…」
「へぇ〜。」
「こんなのが居て皆が生きてたのが不思議で…えぇ〜!?師範が倒したんですか!?」
「あぁ、乱戦になりそぉになった時、一人で駆け出しただろ?んでコイツがソコソコ強そぉだったから貰ったんだが…」
「ソコソコって…普通ならコレ一匹で京の全軍が出て然るべき何ですが…」
「そんなんどぉでも良いわ…」
「コレだけでも大手柄で、帝から直々のお言葉が賜れる程ですが…」
「要らん。」
「美味しいモノもいっぱい食べられますよ?」
「よし!!今すぐコイツを持ってみやこに行こぉ!!そぉしよぉ!!」
云うが早いかオレはデカいヤツを担ぎ歩き出そぉとした。
「師範!!お待ち下さい!!既にこの事を報告に走らせております。数日で、京から見聞役が来ますから、それまでの辛坊です。」
「な〜んだ…」
オレが落ち込んだ所に、とてとてと、紅葉さんがやって来た。
並べられている鬼を見て目を見開く。
「五匹も出たかや!?なんでわっちに報告しやんかった!?」
久清を睨み付けた。睨まれた久清は全てオレの所為にしよぉとオレを指差し…
「師範が…」
「あきつら様の所為にするで無い!!」
流石に理不尽なのでたすけ船を出す。
「この一年の鍛錬の成果を見たくってね、紅葉様の術に頼りきりな今までを払拭する為にも皆んなに命掛けの戦場も体験させたかったし…」
「あきつら様か云うなら今回は目を瞑りますが…次は有りませんからね!!」
ぷんぷんと頬を膨らませている。
「でもこの一年で見違いましたよ!!まさかほぼほぼ術を使わずに鬼を退治出来ましたからねぇ。」
「して、今後の訓練はどぉするのかや?」
「今までと大して変わりませんよ、基礎をしっかりしてから、応用と対人稽古。」
「それだけかや?」
「オレが居なくても、出来るでしょぉから…」
「やっぱりココを出て行くのかや?」
「その内ですがね。」
「わっちがそばに居るだけぢゃ無理かや?」
「色々見て歩きたいし、色々勉強したいからねぇ…出来れば一緒に行きたいかな?」
フォローのつもりで言ったが紅葉さんは満面の笑顔で…
「仕事の調整と引き継ぎをするから…早くても一年!!待ってて欲しいやよ。」
かくして一年はココに留まる事が確定した。
久清は…
「お熱い事で…」
等と言っていた。解せぬ。後で特別訓練だな。
やっぱりねぇ…あんま上手く表現出来んかった…




