第十六話 修行の記憶
地道な修行回です。
色々稽古に頑張ったなぁ…
まずオレに必要なのは、最低限の式術を使える様になる事。
基本的な法術を使える様になる事。
法力修行をするに当たり、その二つが最初の目標だ。
目標は高い程良いとは云うけど、枕詞に[達成可能な範囲で]が入る。
今日、初めてピアノを弾く人が目標に、バッハやモーツァルトやベートーヴェンを掲げても途中で投げ出すだけである。
ソコでオレは、この法力を思い通りに操る事を第一の目標にした。
力尽きるまでソレを繰り返して、力尽きたら休憩してを、時間の許す限り繰り返す。
午前中と夕食後以降は毎日ソレを繰り返した。
午後から夕飯までは、村人や兵相手に武術の基礎を教えたり、実戦さながらの稽古をした。
あの時の痴れ者達や久清さんも稽古に精を出していた。
たまに子供達や女官さん達も、基礎から学んでいる。
みんなめっちゃ真剣に取り組んでいるのが印象的だった。
ソレもそぉだろぉ、前の鬼襲撃から見ても、みんな命が掛かっているのだから。
しかし、稽古する人数で遥かに女性が多いのが気になり紅葉さんに聞いたら…
「女の数は男の七倍くらい居るんやよ。」
との事である。ハーレム作り放題であるからこの世界の女性は男性を独り占めしよぉとは思わず、捨てられない様に努力しよぉと、考えるのが普通らしい。
あの鯛生のオッサンは三重さん一筋らしく、あんな家庭はほぼ無いらしい。
ソレであの家庭が幸せならソレで良いか…
因みに、女性は複数人の男性とエロい関係は結ばないそぉだ。
女性の不貞は忌み嫌われるし、男性から女性への強姦は合法ではあるが娶らなければならず、離婚も認められず、何をするにも被害女性の許可が必要になるらしい。
普通に刑罰のが楽かも…
女性側から男性への強姦は、被害男性が許せば、妻となり生涯添い遂げられて良いのだが、そぉでなければタコ部屋送りになり、生涯強制労働で被害男性にその賃金が支払われるらしい。
所変われば…である。
ソレはさておき、法力である。
連日力尽きるまで練習していた甲斐あってか半年程で目標の、思い通りに動かす事は達成!!
副次効果で法力の総量と放出可能量が劇的に伸び紅葉さんに驚かれた。普通はこんなに伸びないらしいが、そもそも力尽きるまで使う事も少ないらしいので、総量や放出量の増加方法に、気付いて無かったのかも…
さらに半年が過ぎた頃にはそこそこの式術が使える様になり、式の勉強も始めた。
式には使用目的により動かす物や状態や…なんやかや。細かな設定を式として刻む必要があり、少しでも違うと発動しないのだとか、しかも式を動かすにも適した法力の総量や強さや密度と云ったモノまで有り、多過ぎても、少な過ぎても、強過ぎても、弱過ぎても、式は発動しないらしい。
繊細なんだなぁ…
式を発動させるのが式術。
式が刻まれた道具が式具。
式が書かれた紙が式苻。
等々の呼び名も有り更に、式の内容も多岐に渡るし、新しい式具の作成には数年単位の期間が必要らしい。式が読み解かれて無いのが原因らしい。
ソコも勉強してみたいが京の陰陽院と云う所で詳しく解るらしい。
いつか行ってみよぉ。
次にみんなの鍛錬だが、最初の半年程、基礎を反復して貰った。
技をおしえろとゴネるが、オレが十人相手に基本の動きだけで圧倒すると黙って基礎を反復していた。
オレの使える武器は刀、棒、弓、と隠剣が有るが、隠剣は特殊な為除外し、他の三つをそれぞれの特性に併せて指導したのだが、文字通り命が掛かっているので真剣みが違い、自主練も欠かして無いらしく、アホみたいに上達している。
半年も経つと、自分達でも上達が自覚出来たのか更に力が入った稽古をしていた。
コレなら、基礎は各々の自主性に任せて、ソロソロ技や立ち回り方等の指導も良いかも知れない。
そんなこんなで更に半年が過ぎた。
オレがこっちに来て最初の鬼襲撃イベントから約一年が過ぎていた。
今日はなんだか、村の山側が騒がしかった。
「鬼だぁ!!鬼が出たぞぉ!!」
とある村人の叫び声がむらに響いた。
先見が見に行き、すぐに戻って来る。
「鬼五匹です!!」
コレまでなら絶望しかない情報だが、この一年間武を鍛えた兵達に檄を飛ばした。
「兵の皆さんはこの一年、かなり真剣に稽古してましたね?
ココで何も成果が上げられ無かったら…
地獄の特訓に、強制参加です!!
さぁ頑張って鬼退治して下さい!!」
「師範!!コレまでの稽古もキツかったですが、アレよりキツいのですか?」
ん?アレは痴れ者一号だな?今気にするのソコか!?余裕あるなぁ…
「この一年の稽古はまだまだお子様用ですね。」
この一言で皆んなの顔から血の気が引いた…解せぬ。
策は毎月一度の対鬼訓練で充分練ってある。
後は皆んながビビらなければまず大丈夫だろぉ…
地獄の訓練が嫌なら頑張れるさ!!
みんなの特訓の成果はどぉなんだろぉ?
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