第十四話 甘やかされた記憶
お腹空いてますよぉ
昼飯に有り付いたのは良いんだが…
昨日座った椅子に座りメシが来るまで雑談をした。
「しかし、刀を向けられてても平常心保っていられるってお兄さんどんな胆力してるん?」
心底呆れたと云う様な感じで隣に座り腕を絡め、弾力のある膨らみを押し付け、媚びる様な目線でおれを見る美少女が居る。…って云うか紅葉さんだ。
こんな目付き弥生以来だなぁ…
離れて数日なのに、かなり懐かしいや…
「お兄さん、ホンにいけずなんやね。わっちと居るのに他の女の事考えてるやろ?」
拗ねた美少女がそこに居た。…って云うか紅葉さんだ。可愛いなぁ…コレで八十歳のおばぁちゃんなんだよなぁ…
「イヤイヤ、そんな事無いですよ、先程の質問にどぉ答えたモンかと…」
見透かされてる。亀の甲より年の功ってか?
「そんなんで悩んでるん?」
「そんなんて、紅葉さんの質問なんだからそりゃぁ真剣に命懸けで全力で応えるさ!!」
「なんや、いけずかと思わしてからの殺し文句とか、その程度でわっちをどぉにか出来るとか思てるんかや?」
俯き加減で、耳まで真っ赤に染まる勢いで頬を染めてるチョロインがソコに居た…って云うか紅葉さんだ。
まぁ耳は元々赤っぽい色だからなぁ…
「刀向けられて…ってのは普通に、家庭の事情ってヤツですね。
物心付いた時にはじぃちゃんに生きるか死ぬかの鍛錬をさせられてて、ソレが当たり前って感じてたから…今更って感じです。」
三重さんに聞いてたが、知識や老練さや考え方は実年齢通りで性格や思考回路、特に異性関係は見た目年齢通りなんだとか…
見た目年齢は、尻尾の数だけ成長が遅いのだそぉな…
精神崩壊とか大丈夫なんだろぉか?
って事は、三重さんも見た目通りの年齢ぢゃ無い?って言ったら底冷えのする、笑顔の殺気、向けられたなぁ…
っと、思考がズレたな、今はこの超絶美少女に集中…
絡み着いていた腕が外され、いつの間にか頭を抱き寄せられた。
ソコは、良い匂いのする、程良い弾力と柔らかさの絶妙に気持ち良い枕…これを人はおぱぁ〜いと云う!!そのこの世でいちばんの暴威であり抗い難い塊にオレの顔は押し付けられていた。
「そんな事があったんだね。コレからはわっちが守ってあげゆから。安心しなんしよ!!」
頭に水滴の落ちる感覚と紅葉さんの涙声を聞き「今ぢゃもお何も教える事無くなったから後は自主練な!!」って言われてそれまで以上に過酷な鍛錬をしてたつて事は黙ってよぉ…ってか…コレが母性なんだろおか?
母性ってある意味暴力なんだなぁ…
母親居ないから知らなかったよ…
でも…この暴力は抗う意思を無くすし、安心するなぁ…
名残り惜しいが、トゥル○スリー○ー以上の枕から起き上がる。
「ソレでも、じぃちゃんには感謝してるんですよ?護りたいモノが護り易くなったんですから。
そのおかげで前の鬼の時に一匹だけでも引き付けられたんですから。」
ニコリと笑い安心して貰おうとしたのだが…
「その事なのですが…」
何か真剣な話しをしよぉとしていたみたいだが、
コンコンと、戸が叩かれる音がして話すのを止められた。
「どぉぞ入って下さいな。」
オレから離れ、向かいの椅子に腰掛け入室を促していた。
隣が少し寂しく感じた。
弥生ロストの影響もあるんだろぉな…
入って来たのは給仕さんっぽい人で、食欲を唆るいい香りの暴力がボディブローを連発してオレを仕留めに来ている!!
給仕さんは目の前の卓に美味しそぉな料理を所狭しと並べて、並べ終わると一礼し部屋を辞した。その間二分程、プロだなぁ…
「これ…頂いても?」
腹を空かせた男子中学生の前に、豪華な料理が有れば、いかな美少女とてなかなか立ち打ち出来まいて!!
「えぇもちろん」
パン!!両手を合わせて…
「いただきまぁ〜す!!」
って箸は?
ポスっ。
オレの隣に天女がお箸を持って降臨した!!って云うか紅葉さんだ!!
「今のいただきますって云うのはなんなのですか?」
「あぁ…オレの故郷での食に対する感謝の気持ちを現したモノですね。野菜や肉等の材料の命やソレを育てたり狩ったりした方々や運搬に関わってる方々、調理した人や給仕さん達。食に関わった全ての命と人に対しての感謝を端的に込めた言葉が…」
「いただきます。なんやの?」
「そぉです。」
「素晴らしい言葉やよ!!早速広めるべきやよ!!」
オレの食事前に興奮しないで欲しい…
「ソレは良いけど…食べて良いですか?」
もうオレの胃袋はグロッキー状態にまで目の前の料理に討ちのめされている。
「あ…ごめんやよ、ドレからにする?」
紅葉さんはおはしを持ちオレにあ〜んをさせよぉとしているのか?
「自分で食べられますが…」
「!?何やの!?ご飯食べさせてって言ってたからわっちにあ〜んってして欲しいのかと…」
あ…泣きそぉだ…
ココは言葉を選び損ったオレの責任だ!!
喜んで…もとい!!謹んでこのしあわ…恥辱を享受せねば!!
謎の使命感に燃えるアホがソコには居た。って云うかオレだった。
「なんか紅葉さんに食べさせて欲しいなぁ…」
あぁ〜!!もぉヤケクソだ!!
煮るなり焼くなり甘やかすなり好きにしろぉ!!
尻尾多いと心と身体と年齢がアンバランスなんですね…
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