第百四十七話 決戦の記憶
弓の使い方あってましたか?
出番無かったなぁ…
「あ、ココに何人か詰めてるぞ。」
阿久良が呟く。確かに気配はするけど寝息やイビキ、寝言だけだからオレは気にしなかったが…
「みんな寝こけてるだけだから気にし無い様にしてるんだが?」
「甘めぇよ?コイツ等が起きて来たらどぉするんだ?」
「モノの数ぢゃねぇだろ?」
「そりゃそぉだけど…」
「さっさとココの総大名の部屋に行くぞ。」
と、鬼の案内の下総大名の寝所を目指す。
「なぁ、総大名をヤっておしまいって感じにはならないぞ?」
「なんで?」
「そのあと、絶対次は誰がなるかで揉めて、内乱になるからだ。」
「そんなお国柄なのかよ!?」
「そぉだ。そして、次が死ねばまた同じ事が起きる。」
「イヤなお国柄だなぁ…」
こりゃ根本から叩かなきゃダメな気がして来たぞ…
「なんか下が騒がしくなって来たぞ?」
鬼が何かを感じ取ったかな?
「置いて来た死体が見付かったか?」
「予定通りなんだろ?」
「ん?あぁ…そぉだな…邪魔なヤツを引き寄せてくれるからな。」
「こっちに来ないと?」
「いや、めっちゃ来るけど、ソイツ等の前で総大名の首を刎ねる。」
「ソレで?」
「今回の作戦は終わり…そぉ思ってたんだが…クソなお国柄で無ければな…」
「そこは…諦める?」
「いや、総大名候補を皆殺しにする。ソレは…ま、あとの話だな。」
大名全員を粛清して…って思ったけど、そこもまた同じ様になったらメンドいんだよなぁ…
って、思ってたら…
「ココが確か総大名の寝所なんだが…」
「気配が…無い!?」
オレは襖を開けて、中に入った…誰も居ない…今日どっかに行ってるとか無いよな?
と思ってたら掛軸が揺らめいた…まさか!!
「抜け道か!!」
「あ…まぁあるだろな…」
「なんでバレたんだ!?」
「外がコレだけ騒いでりゃ…誰かが報告したか…刺客の気配を察した?」
「取り敢えず行ってみるか…」
みんなで抜け道を進む…つか降りる。
出た先は城の石垣の間にあった扉…外に出て…ま、そぉだわな…準備万端数十?数百?くらいの兵士さん達。
うん、知ってた。こぉなるって事は…
さて…やりますか…二十対何人だ!?まぁ良いさ…士気はこちらが上!!…だよね?
「こりゃ良い!!三嶋一家の総力戦だ!!ヤロー共!!オレ様に続けぇ!!」
「うおぉ〜!!」
って、鬨の声を上げながら無策に突っ込みやがった!!
「行くぞ!!」
「「おお!!」」
って鬼達も!?何してんの!?
「遅れは取らんぞ!!」
「当然だ!!」
って正雪と右近も行くのかよ!?
「なぁ殿?オレはどぉする?」
「好きにして良いって紅葉も言ってたし…オレはやる気無くしちゃった…」
「おいおい…良いのか?」
「お前も鬱憤が溜まってるならアイツ等やって良いぞ?」
「そぉだな…彩乃との時間を潰しやがって…」
阿久良も刀を抜き、観戦の中に飛び込んだ…
うんうん、血気盛んで羨ましい…
オレは一人冷静に周りも俯瞰した。一番偉そぉなヤツは…なんか五人に囲まれて踏ん反り返ってからに…アイツだな。
ココは…オレがやるより…アイツにやらせるか…
「おい!!コッチ来い!!」
オレは一人の男を引っ張って混戦から外す。
「何しやがる!!」
「お前はアホか?雑兵を幾ら叩いても一番の悪者には届かねぇだろ?」
「………」
「ほれ、アソコ見てみ?アレが第一目標だろ?」
「あ、あぁ…」
「なら、鬼を連れてアソコ行ってあの首取ったら終わるぞ?」
「解った!!」
オレの甘言にまんまと嵌り、アイツは鬼達を連れて、現総大名に向かって走り出した。
単純で扱い易いねぇ…真っ直ぐなヤツ…嫌いぢゃ無いぞ。
オレはアイツの邪魔をしそぉなヤツ等に弓を引き、退けてやる。けしかけた手前何も援護をしないってのもね…
ぱひゅっ!!しぱっ!!びしっ!!
何人か弓矢の餌食にしていく。なんだかなぁ…オレ、ほとんど何もしてなくない!?
紅葉になんて言われるかなぁ?
ひゅん!!
って、オレに斬りかかって来たヤツが居た…
「お前が大将首だな!!お前を討ち取…」
がすっ!!
目の前でグダグダ言われて反射的に弭で殴ってた…そのまま弓の胴と弦の間に相手の首を入れて背に周り中弦を喉に引っ掛け、弓を反転させ、弦で首を斬り落とす。
戸次流弓術[中弦の理]なんて云う業なんだけど…使う機会が殆ど無いよな…
って槍が向かって来る。その槍に[中弦の理]で絡めて動きを封じ、[紫電]で胴を薙ぐ…コレが本来の使い方なんだよね。
ふぅ…普段使わない業なんだけど、咄嗟に使えるって事は良い事だね。
そのまま俯瞰すると、雑兵達は元鬼達と三嶋一家に気を取られ、奥のヤツ等を気にしてないっぽいし、奥の方では三対五で切り結んでる中、アイツが総大名っぽいヤツと切り結んで…うん…劣勢かな?
あの五人の内一人を矢で撃ち抜く。
もぉ一人…飛んで行く矢に気を取られた一瞬を鬼が察知して斬っていた。
コレで数的に有利かな?って、撃ち抜く相手を失った矢が、総大名っぽいヤツの脚に!?
偶然て怖い…
平衡を失った総大名っぽいヤツの腹をアイツが突き込んで…そのまま首を刎ねた!!
「現総大名の首!!吉良陣乃介が打ち取ったりぃ!!」
って大声で宣言しやかった…
その後は掃討戦だ…幹部っぽいヤツ等も鬼に討ち取られ…雑兵達は総崩れを起こし、四半刻後には数名を残し殲滅していた。
「オレ達の勝ちだぁ!!」
「おおおぉ〜〜〜!!」
って、夜明けくらいの時間帯に大声が響いた。
おまい等は鶏か!?
あれ?今回オレってほぼ何もして無いんぢゃ…
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お時間ありましたらもう一つの作品「忍者が異世界転移したらこぉなった!?」もお読みください。




