第2回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞 への投稿作品
蔵の中の骨董品は、偽物
大きな蔵の収蔵品の鑑定を依頼された ゆいこ。
偽物が大嫌いな ゆいこは、片端から偽物を壊していった。
大きな壺を割り、太い杖をへし折った後、見た目に仰々しい魔王の玉座とか言う椅子に座り込んだ。
ゆいこ『宝物庫が聞いて呆れる。全部偽物って、ふざけているの?』
魔王の玉座の肘置きをいじりながら言った。
肘置きの蓋が開いた。
ダイヤの指輪、金のブレスレットやネックレスが多数入っていた。
ゆいこ『何かの試験のつもり?』
ゆいこ『これは、偽物じゃなさそうなんだけどなぁ〜』
ダイヤの指輪をはめてみたり、金のネックレスを付けてみたりして、微笑む ゆいこ。
ゆいこは、アクセサリー類の中に魔王の指輪など、魔法のアイテムが混じっていたことに気が付いていなかった。
老人『お気に召すままに。気に入ったアクセサリーが有れば、さしあげますょ。』
すかさず
ゆいこ『鑑定料とは、別ですからネ♪』
老人は、ゆいこの手で輝く本物のアクセサリー類は、気にせず、盛大に壊された宝物庫の惨状を眺めながら
老人『お見事です。長生きもするものですねぇ〜』
老人『本物が存在しないがらくたには、目もくれず、偽物を鑑定するとは。』
老人『貴方が壊した転生の壺。貴方がへし折った召喚の杖。など、この世の何処かに本物が存在することを示された。』
老人『貴方の御父上に依頼したかったのですが、頑なに拒絶されていたのです。』
老人『貴方には心より感謝しますぞ。』
ゆいこ『父が断わっていた。ですって。。。』
ゆいこには、断る理由が検討もつかなかった。
ゆいこ『どうしろって言うの。。。』
ほなね(^o^)/~~