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拝啓、くそったれな神様へ  作者: なっなな〜
ループする世界
25/45

俺と行商人

体調戻りましたっ!!

1日1回投稿頑張りますっ!!






「キャァァァァァアアアアアァ!!!!あなたー!!!ロットが目を覚ましたわアアアアアアアァァァァァァアアアァァア!!!!」




「っ!!!!」




いきなり目の前に現れた母親に心臓がバクバクと速くなる。



周りを見渡すと、涙目で優しく微笑んでいる父親と、その横にいる医師のおじいさんが俺を見ていた。



これは




「巻き戻った……?!」


「??ロット??」



早すぎる巻き戻りに頭が混乱する。



これで9回の巻き戻りに10回目のやり直しだ。


だんだんと死ぬまでの時間が長くなっていたのに前回は1日も経たずに殺された。



悲運の子も慎重に動いていたはずなのに……。



ギリ、と俺の口から歯軋りの音がなる。


前回のスカドゥエとの街の探索で街には悲運の子がいないかもしれないという情報は手に入った。


もしかしたら、ロット君の従兄弟…名前を聞く前に巻き戻ってしまい聞けずじまいになってしまったがそいつが悲運の子、という可能性が出てきた。


たったこれだけだが少しでも情報が得られたのなら俺的にも動きやすくなる。


そう、今回やるべき事はまず従兄弟とやらの名前を聞き、会いに行く事である。


方針を決め、泣きながら抱きついている母親を体から離してから目を合わせる。



赤い大きな瞳に涙を浮かべながらキョトンと俺、ロット君を見つめてそれから優しく微笑んだ。



「ロット、あなたが無事で本当に良かった!!」



そう言って俺の頬を両手で包み込み、額を合わせる。


本当に、甘やかされてたんだなぁ、と実感しながらも疑問に思っていた事を口に出した。



「お母様、質問があるんですが……」



「っ!!!」



俺がそう言った後、手で口を覆い涙をボロボロ流す。



あ、あぁ、そういえば、ロット君は思春期で母親をまともに呼ばなかったんだっけ?と8回目のループの時に判明したロット君反抗期!を思い出した。



母親を呼ぶたびにいちいちこんな反応されると少し疲れるな…、


そう、ゲンナリしながらも本題に入る。



「えっと、単刀直入に聞きますね…、確か俺のいと……」



「そんな奴いないわよ。そんな事よりも何処か痛いところはない??念の為もう1度お医者様に診てもらいましょう?」



く、食い気味に話を切られた。まだ言い切ってないのに……っ!!


どうやら、この家ではロット君の従兄弟のお話はタブー化されているのだろう。


あんなに分かりやすく話を逸らされるなんて、ロット君が死んだ原因を聞く時以来だ…!!



だとすると誰から情報を聞くべきか…、と悩む。



執事やメイド、その他使用人に聞いてみることもできるのだが、ロット君の死ぬ事になったあのアホな事件、ロット君が最強キノコ改めスー◯ーキ◯コの薬を飲んで死んだ事で責任を取らされた2名の善良な街の人の末路を知った使用人が、そのにのまえにならないように露骨に俺を避けるのだ。(これまでのループでの経験談)



ここにきて元の体の持ち主の弊害が出てくるとはおもわなかった。(3回目)



ロット君、君の境遇には同情するけどそれにしてもやらかしすぎだろ!!!!



と、もうすでにここにはいないロット君に心の中で文句を垂れる。



それにしても、さて、情報を何処から仕入れるべきか……


屋敷の人達は俺を警戒してから近づきもしないし、両親にこの従兄弟の話はできないしさせてももらえない。



ならば、聞くべき相手はただ1人。












「――――――と、いう事でスカドゥエ、ロット君の従兄弟について教えてくれ。」



今回も両親の制止を振り切り、屋敷を飛び出した。


そして地平線が続く道路の真ん中、俺はスカドゥエを待ち伏せをして見事、見つけて捕まえた。




「――――アンタ、誰っすか??」




突然現れた俺に警戒し、威圧を感じるスカドゥエのキツイ視線に、少しの寂しさと切なさを感じる。


きっとロット君だけどロット君ではない俺に混乱しているんだろう。


恐怖、畏怖、疑念、さまざまな感情がその目にうつり、体はいつでも動かせるようにしているのか、臨戦体制だ。


そんなスカドゥエを見て、前回スカドゥエが言っていた事を思い出す。




『まずは、嘘をつくな。アーシが戸惑っても、疑う表情をしても、何をしても嘘だけはつかないでほしいっす。誤魔化すのも無しっす。全てにおいて正直に赤裸々に話すっすよ。』




あぁ、やっぱりおとなしく聞いといて良かった。


と前回の自分のファインプレーに自分を褒めたくなり、垂れる冷や汗を誤魔化すようにニヤリと笑う。


それと同時に、対策を自分から教えてくれたスカドゥエの心の優しさに改めて感動しつつ、今目の前にいるスカドゥエに話しかける。


「俺の名前は赤井伊吹。この世界を正しく正しにきた神の使いだ。この世界に起こっている異変を治しにここへやってきた。異変ってのは、ある人物が死ぬ事によって世界が巻き戻る事だ。すでに9回は巻き戻っている。でも、その記憶は無いよな?当然だ。その人物と俺以外は記憶に残らないんだからな。そして、俺はその異変を直してこの世界の未来を創るためにここにきた。それで、この世界には俺が存在するための体が存在しないから死んだロット君の体を借りてる。」



「はぁ??」



スカドゥエの顔が歪む。

動揺しているのだろう。だが、相手に言葉をいう隙も俺が起こっている出来事全てを言い終えるまで質問する隙も与えない。



「俺はロット君の体に入ってくるまでに7回死んで、今回で8回目の人生だ。歳はこれまでの人生合わせて157歳だ。」



「いや、ちょ…」



「そして、俺をここに送った神から授けられた力は、世界の決められた運命を書き換える力…その1部を扱う事ができる。」



「っ!!!」



その言葉を言った瞬間、今までとは明らかにちがう表情になった。



賢いスカドゥエはこの言葉の意味を瞬時に理解できたのだろう。


だが、今からその期待をぶった斬る。


前回もそうしたように。



「分かるよ。スカドゥエの言いたい事は。ロット君を生き返らせろって事だよな?悪いけどできないよ。ロット君が死ぬ運命を書き換える事はできない。人の生死の書き換えは1回までで、もうロット君ではない別の人に書き換えたからできない。」



「なっ?!!」



「ごめんな、そんなに便利な力じゃないんだ。これは。」



そう言って腕をあげて手のひらを広げる。



前回と同じように紙の束……運命の書が出てきたので、スカドゥエにそれを見せた。



「そ、それは?」


いきなり出てきた薄い紙の束に驚きながら指を指す。



「これは、この世界の運命の書。決められた運命が書かれているものだよ。」



「ショッボ……」



前と全く同じ反応をされて少しの懐かしさを感じ、クスッと笑い運命の書を仕舞う。



これで、俺の伝えるべき事はすべて伝えた。

何も隠し事はないし、嘘も言っていない。



あらためて、スカドゥエの顔を見る。


この状況に理解が追いついてないのか、戸惑っている表情をしていた。



「これで、俺の自己紹介は終わりだ。さて、何か質問は??」



腕を広げて敵意も害もない事をスカドゥエに伝える。


これで伝わると良いんだけどな、と思いながらいまだに口を紡いでるスカドゥエの反応を待つ。



そうして数秒無害アピールをしていると俺の言葉を信じてくれたのか、やっと口を開いた。



「…………まだちょっと理解がついて行けてないっすけど、アンタがロットの坊ちゃんじゃない事は確かで事実っすね……。まぁ、アーシも死んだ人間が生き返る、なんてそんな夢物語を信じたわけじゃないっすけど……。」



苦笑いのような乾いた笑いをした後に視線を地面から俺の顔へ向ける。



「アンタは神の使いでその体、ロットの坊ちゃんの死体を勝手に使ってるって事っすよね?」



「な、なんか嫌な言い方だなぁ……。でも、間違ってないな。」



トゲのある言い回しに、その場の雰囲気が怪しくなる。

心なしか、めちゃくちゃ睨まれている気もしてきた。



「それで、アーシがそれを許すと思ってるんすか??」



「!!」



痛いくらいの威圧を放ち、服の中を何やら探りながらおれの方へ歩いてくる。



こ、これは、覚えがあるぞっ!!



前回は懐からナイフを出して迷いなく俺の顔目掛けて即死攻撃を仕掛けてきた。


かろうじて避ける事ができたけど、あんな心臓に悪い事はもう2度と味わいたくない。



やっぱりこれだけの説明だと理解はしてくれてそうだけど納得はしてなさそうだ。



緊張感が漂う中、だんだんと殺気を纏いながらスカドゥエが俺の方へと近づいてくる。


あまりにもの強すぎる圧に気を失いそうになりそうだが、ここで怖気付いて引いてしまったら一気にやられてしまう。



何もせずに相手にやられるわけにはいかない。


震える体にグッと力を入れて、口を開く。



「スカドゥエがロット君の体を使うのを許してくれるか、だっけか?」



「……………。」




スカドゥエは何も答えない。


まだ俺を警戒してか、殺気もそのままだ。



でも、



「おう。許してくれるよ。前回もそうだったからな。」



「……………はぁ??」




緊張しているせいで表情がうまく動かせないが、できる限り口角を上げてニッと笑みを浮かべる。


そんな俺をみて、マヌケな声を上げた後ポカンと口を開けて固まってしまった。



だが、すぐに我に帰り鋭い目つきで睨まれる。



「何を言ってるんすか?アンタは?前回??」



「スカドゥエはなんだかんだ言って甘いからな。こんな俺でも最終的には信じてくれて、許してくれた。お前とロット君の2人っきりの秘密を教えてくれるほどにな。」



「だから、何を言っ―――」



「俺は知っている。お前が月が照らすゴミ貯まりにいたって事も、それがロット君との出会いだってことも、前回のスカドゥエから教えてもらったんだよ。」



「!!!!」



スカドゥエの目が開かれて俺を見る。


信じられないような、でも、信じるしかないようなそんな諦めの目をしていた。


そうして、放たれていた殺気も威圧も何もなかったかのようにフッと消えて動けるようになった。


やっと解かれた緊張感から、安堵のため息をしていると、スカドゥエがふいにその場にしゃがみ込んでつぶやく。



「―――そ、んな事言われたら、信じるしかないじゃないっすか…。でも意味わかんないっすよ。世界が繰り返しているとか……。アンタはアーシをどうしたいんすか……。」




「スカドゥエ……。」




ハハハ、と少し滲んだ声が耳に入る。



そんなスカドゥエの肩に手を置き、何回か叩いた後に優しく微笑んだ後、目的を俺は告げる。





「街へ連れてって」



「嫌っす。」














読んでいただきありがとうございました!

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