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拝啓、くそったれな神様へ  作者: なっなな〜
ループする世界
21/45

ロット君と商人5

ロット君の死の真相がわかります







「そう、あれはアーシとロットの坊ちゃんがいつものようにあの街でぼったくり商売をしてた時のことっす…………」






あの日、あの時



アーシと坊ちゃんがいつものようにあの街でぼったくり商売をやっていた時



ある領民が気づいたんすよ。



いつものアーシたちが売ってる商品が他のところでは8割くらい安く売られている、と。



「いや、ぼったくりしすぎだろ。」



その領民、旅行好きの変わり者でして、運が悪いことにたまたまアーシ達が商売してる日にその領民が帰ってきましてね…


自分が旅して街からいない間に見慣れない新しいお店ができてるってんで、そいつ、アーシ達のお店に入ってきたんっすよ。


最初は何の疑問も感じなかったらしく、珍しい物を見てはしゃいでたんすけどね、


あるものを見てから顔色変えちゃって……


それが、ドーラルーツっていうここいらでは滅多に手に入らないフルーツなんすけど…


そのドーラルーツは隣の街ではよく取れるフルーツなんすよ。だから本当は1つ5シギー、この街での適正価格は大体15シギーなんすけど、アーシ達は120シギーで売ってたんす。


ほら、ここの街って閉鎖的で隣の街までの道のりがめちゃくちゃ遠いじゃないっすか?


え?知らないって?あぁ、この世界に来てまだ日が浅いって言ってましたっすね、そういえば。


まあ、遠いんすよ。この街から隣の街に行くには馬車を使って行っても丸3日はかかるっす。



そんな遠くに離れた辺境の街っすから、物の正しい物価には疎いんすよ、ここの街の領民は。



だからこそ、色んな物を高額で売っても全くバレなかったんすけどね。



でも、その旅行好きの変人がアーシ達の店に来たことによって売っていた物の本当の価格がバレちゃって、


ふざけんな!差額分を返せーー!!って暴動が起きちゃって……



「いや、そりゃそうだろ。自業自得だ。」



??なんの言葉っすか?それ?



まぁ、話を続けるっす。


暴動が起きたことによってお店の信頼はガタ落ち、さらに借りてた借家も領民によってぐちゃぐちゃに荒らされて、挙句にはその借家の大家が弁償しろって膨大なシギーを要求されちゃって……


まいったアーシ達は潰された店の前で途方に暮れたんすけど、ロットの坊ちゃんがポツリと言ったんす。






――――――あいつらに、復讐をしよう




って








「ちょ、ちょ、おかしいおかしい!!!完全にお前らのせいだからね?!復讐って言葉がまずおかしいんだよ!!領民なんも悪くないから!!!」


今まで黙って聞いていたが、あまりにもの話のおかしさに思わず止めてしまった。


スカドゥエが話していた内容を、再度、思い返してみて考えても領民の悪いところが1つも見当たらない。


領民は完全な被害者なのである。

なのにコイツらときたら……………。



「ちょ、今アーシが話してるんすから黙っててもらえるっすか?」



「いや、黙ってられないって!!もうさっきからツッコミどころ満載なんだって!!」



「いいから黙って聞くっす!ここからロットの坊ちゃんの死ぬ原因を話すんすから!」

 


ビシッと俺の方を指差し、スカドゥエは話を続ける。


俺も、しょうがない、と思い口を閉じ、静かに聞き始めた。






復讐するにいたってどうすれば1番ダメージを与えられるか、という話になったんす。



そうしたらロットの坊ちゃんが、




――――奴らのやった事、10倍返しにやり返せば良い





って言ったんすよ。



自分のお店がズダボロにされたんで、そのズタボロにした領民全員の家を壊そうって話になったんす。



ロットの坊ちゃんは、店を壊した領民の顔を全員覚えていたらしくて、すぐにそいつらの名前と住所を調べてあげたんっす。



んで、いざ復讐をってところで問題が発生したんすよ。



そう、それはロットの坊ちゃんのクソがつくほどの運動オンチ。



圧倒的運動センスの無さ。



生まれてこの方、本より重たい物を持った事がないロットの坊ちゃんに家を破壊する力も、家を壊す為に必要な武器を持つ筋力、何一つ持ち合わせていなかったんっす。



ロットの坊ちゃんのクソな運動オンチのせいで復讐を実行するのに難航していると、ある噂が耳に入りましてね、



その噂ってのが、



どんなに運動オンチでも最強になれるほど運動能力が上がる伝説のキノコがこの街のどこかの生えてるって噂っす。



最初はバカじゃないかって聞き流してたんすけどね、噂でも何でも可能性があるならって、ロットの坊ちゃん、街1番の薬師を攫ってそのキノコを探し始めたんすよ。


今、冷静になって考えれば、そんな都合の良いキノコなんかあるはずないって考えなくても分かるはずなんっすけどね。


それほど店を潰されたのが腹立ってたんす。


その噂が本当かどうかの真偽を確かめないほどに怒りでまともに思考が働いてなかったんっす。ロットの坊ちゃん。



そうこうしているうちに、3日がたち、噂で流れていたキノコを探し出す事に成功したんす。



そのキノコの特徴は、鮮やかな赤色のかさに白の水玉模様、()の部分には黒い短い縦線が2本の入っていて大きさは人の手のひらサイズ。


そのキノコの名は、最強キノコ


それが噂の伝説のキノコの名称っす。



「な、なんか想像したら覚えのあるゲームのキノコが脳裏に浮かんだんだが……、いや、続けてくれ。」




………?




最強のキノコを見つける事に成功したロットの坊ちゃんは早速、薬師にそのキノコの調合を頼んだんす。


しかし、薬師も丸3日不眠不休で働いたせいで疲労困憊さらに領主の息子と2人っきりの空間で長時間いた事による精神的負担それらが重なって色々と限界の状態になってたんすよ。



フラフラの状態でなんとか作り上げることができたんすが、疲れ切っていた薬師は完成した薬を治験もせずにロットの坊ちゃんに渡してしまって、それで――――




そこまで話してスカドゥエは、ウッと口を押さえて顔を逸らす。




………………え?まさか終わり……?




「めちゃくちゃ語ってたけど、つまり要約するとバカみたいな噂のキノコの薬を飲んで死んだってこと?」



「ま、そうっすね。誤薬事故っすね。」



「……………バカじゃねぇの?」



「それは最初から言ってるっす。」




スカドゥエがゴホン、と咳払いしてさらに後日起こった出来事を話す。




「それから、アーシが事態に気づいて領主様達に報告をしたんす。そしたら領主様達がカンカンに怒ってしまって……、その薬を調合した薬師、それからバカみたいな噂を流したであろう領民を探し出して処刑したって話っす。」




これが、ロットの坊ちゃんの死の真相っすよ。




と、涙ぐんでスカドゥエはロット君の死の真相を語り終えた。



「これで分かったっすか?アーシが街に行かない理由。」



「ま、まぁ、確かにそこまでの事をしでかしたら行こうにも行けないわな………。」



いうなれば、ロット君の逆恨みからの自爆したせいで街1番の薬師が失われ、噂を流しただけの無害な領民が死んじゃったって事だろ?


それをしでかす前はぼったくり商売でボロ儲け。



そりゃ出禁にもなるわ。



「こ、ここまでバカな理由とは思わなかった。ロット君、頭悪かったの??」



いや、店を壊した領民の顔を覚えていたって言っていたし、という事は記憶力は良かっただろ。

勉強もそこそこできていたはずだ。


ロット君の死に様が想像していた以上にアホすぎて頭を抱える。


そりゃ、こんなバカみたいな理由で死んだってなると、父親も母親も気まずそうに口を紡ぐわけだよ。



そう、思い悩んでいるとスカドゥエが肩をポン、と叩き、目に少しの涙をにじませ眉を下げて慰めるように俺を諭してきた。



「ま、アーシもバカだとは思うっすよ。でも、そんなに言わなくても良いじゃないっすか。これは事故だったんす。ならもうそれは、こうなる運命だったって事なんすよ。」




………………それ、俺が数分前にお前に言ったセリフ………。



「だから、街に行くのは諦めるっすよ。アーシらが行ったところで石投げられて追い払われるだけっすから。」



「う、う〜ん…」



そんな事を言われても………

街へ行かない事には情報も得られないし、目的の悲運の子がいるかもしれない。



今までの転生の経験上、大きな出来事、人物の近くに俺は転生してきている。


例えば、勇者の幼馴染とか、ごく最近の8回目の転生、賢者になった転生の時、自分が住んでいた村が魔王軍に襲われる災害とか……。



だから俺が今いる場所から1番近い街にその悲運の子がいる可能性が高いし、最悪、その街で何かしら大きな事件が起こるかもしれない。



「というか、そもそもなんでそこまでその街に行くことに拘るんすか?」



スカドゥエが首を傾けて俺を見る。


俺の街に行く事への執着

ボロボロの体になりながらも、それでも行くことを諦めない行動に疑問に思ったのだろう。


まぁ、確かに俺の事情を詳しく分からない奴には謎の行動だ。


失態を犯し、石を当てられるくらい嫌われている街へ行くなんて正気ではない。


なんて言えばいいかなぁ、と考える。


あんまり関係ない人を俺の事情に巻き込みたくはないんだが、街へ連れて行ってくれるスカドゥエに何も話さないっていうのも失礼な話だよなぁ……」


「ちょっ!連れて行くなんて一言も言ってないっすよ!!それに、今の時点で充分巻き込まれてるっすから!!」



「勝手に心読まないでもらっていいですか?」



「声に出てたんっすよ!!」



プリプリ怒りながら俺に怒鳴りつける。

めんどくさいなぁ、と思いながら俺はこの世界の異変、起こっていることなどをスカドゥエに話す事にした。



ここまで俺の正体を話して無関係です、なんてもう言えないか。


と、ここで自分の正体を打ち明かした時の事を思い出した。


俺の正体を話した時は、何をバカなwwwって笑われると思ったのにスカドゥエは思いの外信じて受け入れてくれた。



「スカドゥエは、簡単に俺を神の使いって受け入れてくれたよな。どうしてあんな子供の戯言みたいな話を信じてくれたんだ?」






「え?信じてないっすけど??」






そう、ケロッとした顔で言い放った。







……………………もうこいつ怖いって。









 


読んでいただき、ありがとうございます!!

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