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拝啓、くそったれな神様へ  作者: なっなな〜
ループする世界
18/45

ロット君と商人2

この商人、一体何者なのかは次回わかります!多分!!






「おーねーがーいー!!!おーねーがーいー!!」



「いーやーっすー!!いーやーっすー!!!」




優しい日差しが降り注ぐお昼時


俺ことロットは綺麗に整備されている道のど真ん中で笑顔が胡散臭い悪徳商人アーシ(仮)と



「街まで連れてって!街まで連れてって!街まで連れてって!街まで連れてって!街まで連れてってーーー!!!」



「嫌だったら嫌だったら嫌だったら嫌だっーーーー!!!! 」



互いに譲れない戦いを繰り広げていた。




「いぃじゃん!!どうせ街までいくんだろ?!!俺1人乗せるくらいどうってことないじゃん!!ケチィッ!!!!」



「アーシにとってはケチは最高の褒め言葉っすよ!!覚えておくといいっす!!」



「そんなくっだらねぇこと覚えるわけねぇだろ!!クソケチ悪徳商人!!!」



「あーーー!!さいっこうの褒め言葉っす!!アザーっす!!!」



「キモーーーーーーー!!!!」



うげぇ、と馬車の中に入り、商品に向けて吐く真似をする。

商人にとって商品は命に変えても守りたいものだろう。

思った通り、素晴らしい反応をしてくれた。


「う“わぁぁぁぁアアアアアァァァァアァアァ!!!こっのクソガキィ!!やめろぉ!!!」



アーシ(仮)の怒鳴り声が響く。



「じゃあ乗せろよ!!街まで連れていってくれ!!」



「アンタの態度が気に入らねぇっすから無理!!!」



それでも頑なに了承を得れないアーシ(仮)にだんだんと怒りが募ってくる。


ウギギ、と歯軋りをしアーシ(仮)を睨むが全く効果がない。

普段、いろんな客と接しているからだろうか、どんなに駄々こねても暴言を吐いても軽く流される。


絶対に頭を縦に振らない。


心の中で舌打ちをしながら策を練る。


中途半端な敬語に商人、着ている服も高級感はない。という事は、身分的にも下なのだろう。

ならば手は1つ。


口角を上げる。


本当は使いたくなかったが、仕方ない。

この力は今こそ使うべき時なのだ。



右手を腰に置き、左の腕を上げ指をアーシ(仮)に向け、勝ち誇った顔で告げる。



くらえっ!!貴族の威厳と特権、職権乱用!!



「俺は領主の息子だぞ!!」



「だからどうしたんすか?!いくら領主様のご子息だろうが無理なものは無理っす!!」



――――が、全く効かなかった。



全く効かない、どころか虎の威を借る狐、もとい親の威を借る俺を見て、呆れたような顔をして俺を見ている。


領主の息子の俺(ロット君)に向けて、呆れたような、少しバカにしたような顔をして、もういいっすか?俺は忙しいんすよ、と手をシッシッとさせて俺を追い払うような素振りをしている。



コ、コイツゥッ!!!(怒)



怒りで顔が赤くなり、いつの間にか握っていた拳がバカにされた悔しさでフルフルと震える。


あ〜、めんどくさいのに会った〜、とブツブツ言いながらアーシ(仮)が俺から目線を外し、体を馬車の方へ向き、歩いていく。



ふざけんなよ!これで終わりだと思ったら大間違いだっ!!



コイツは俺(ロット君)のお願いを無視し、拒絶した。


ならばロット君自身にはそれほど権力がないのかもしれない。それか、俺(ロット君)が何もできないと思っている。


貴族とはいえ所詮17の子供だ。

きっと、俺が何を言っても貴族のガキが喚いてる、程度にしか思ってないのだろう。



バカにするなよ。俺は外見は17のガキでも中身は157歳の立派なおじいちゃんだ。



今までの転生で得た知識と経験を使い、考える。


商人にとって、貴族は大切な取り引き相手だ。

ここで手を切るなんて事はないはずだ。それに、ロット君と面識がある、という事はもちろんロット君の親とも面識があるはず。


であれば次にコイツに告げる言葉は…………






「お母様とお父様に、言ってやる。」


 






「……………………は?…………………」









片方の足だけ馬車に乗せ、その体制のままゆっくりと顔だけこちらの方へ向ける。




「だから、お前のやってる悪徳商法をお母様とお父様に言ってやるって言ってんだよ!!!」





そう叫んだ瞬間、





「!!!!!???」





ビリリ、と電撃が体中に走るくらい痛い威圧がおれに刺さってきた。



見るとアーシ(仮)が細い目を薄く開けて睨んでおり、その目は殺気立っている。




こ、これはガチだ。ガチギレだ……。



思わず顔が引き攣り、足も後ろへ引いてしまう。


ビリビリとした殺気を放ち、殺気だけで俺を殺す勢いで睨みつけられる。


まさかの秘技、パパとママにちくるぞ⭐︎がこれほどアーシ(仮)にクリティカルヒットするとは思わなかった。



「…………それで?領主様達に何を言うんすか?」



顔だけではなく、今度は体まで俺がいる方へ向き、殺気を放ちながら近づいてくる。



本当に商人なのか?!コイツ!!!?



ごく、と緊張で口の中に溜まった唾を飲み込む。


何も言えずにただ固まっている俺の前まで来て、侮蔑の目で見下しながらアーシ(仮)は言葉を続けた。




「アーシが領主様達の領民を騙してお金を巻き上げてたって?そうして巻き上げてたお金を私利私欲で使い込んでいる、とでも言うんすか??」



クックッ、と手のひらで顔を隠しながら肩を上げて、アーシ(仮)が笑う。

その笑い方はいかにも悪徳商人が笑いそうな笑い方でとても不気味に感じた。


そして


「っはぁ〜…………、言うなら好きにすれば良いっすよ。……まぁ、言えるものなら……なぁっ???!!」



「っ!!!」



服の中をモゾモゾと何か弄っていると思ったらそこからいきなりナイフを取り出し、顔に突きつけて来た。


いきなり顔に近づいて来たナイフをギリギリのところで右に避ける。


だが、ほんの少し避けきれず、頬に一筋の線が入り、そこから真っ赤な血が流れ出た。




「今の、よく避けれたっすね?!!やっぱりアンタはロットの坊ちゃんじゃぁないんすね!!!」




「っ!!?何でっ…っ!!?」



ギリギリのところで攻撃を避けたのは良かったものの、その際に体制を崩してしまい、重心が右に流れてよろけてしまった。


すぐ立て直そうと、右足に力を入れたがアーシ(仮)はその隙を見逃さず、すぐさま蹴りを入れる。


ゴッッ!!!と重く鈍い音をたてながら横腹にアーシ(仮)の足が当たり、俺は5メートル先まで吹き飛んだ。





「ぐぁっ!!!!」





蹴り飛ばされた体が2、3回短いバウンドを繰り返した後、地面に滑り転げ、体が数分前まで自分が寄りかかっていた巨木に勢いよくあたり、止まった。




いたい、息が、…………できないっ………!!




瞬間、襲いかかってきた痛みに息をするのを忘れる。


ハッハッ、と忘れかけていた息をし、ズグズグと痛む横腹を両手で押さえながら何とか立ちあがろうとする。

だが、あまりにもの痛さで足に力が入らず、意識も朦朧とし始める。


今にも失いそうになる気をなんとか繋ぎ止め、歯を食いしばりながら足に力を入れる。



早く、早く立ち上がらなければ、殺される…………!!



自分の体に鞭を打ち、震える足に無理矢理にでも力を入れて立ち上がる。



とにかく、逃げなければ……

悲運の子を助ける前に自分が死んだらこの世界に来た意味がない。



霞む視界の中、どこかに身を隠す場所がないか探す。



だが



「何で?それは何で自分の正体がわかったか?って意味っすか?それとも何でアーシがロットの坊ちゃんじゃないって気付いたか?って意味っすか??」




容赦なく、殺戮者はやって来る。





「……………どっちもだよ。バァカ。」




「………この状況でその挑発、アンタ自分の立場わかってるんすか?今からアーシに殺されるんすよ??命乞いでもしてみたらどうっすか?」




左手にナイフを持ち、俺に向ける。


さながら、いつでもお前を殺せるんだぞ、とでも言うように。



「やってみろよ。もし俺が死んだ場合、真っ先に疑われるのはお前だ。」



強がりながら、口角をあげ不恰好にニヤリと笑い、苦し紛れに脅す。

こんな脅しでアーシ(仮)が怯むとは到底思えないが、やらないよりはマシだ。






「……………………。」




しかし、俺が予想していた事とは裏腹に奴は眉間に皺を寄せ、不機嫌そうに口を紡ぐだけだった。


いつでも俺を殺せる状況なのにコイツは俺にナイフを向け、見ているだけで何もして来ない。

ナイフを持つ手も少し震えているように見える。




「…………?」




アーシ(仮)の様子のおかしさを疑問に思いながら恐る恐る顔を改めて見る。


先ほどまで殺気を放っていた人物とは思えないほど、眉を下にさげ、寂しそうで悲しそうな、そんな複雑な顔をしていた。



ハァ………、と数分黙っていたアーシ(仮)がため息をした後、俺に向けてたナイフを力無く下げ、掠れるような声で俺に問うてきた。



「………アンタは、誰なんっすか。ロットの坊ちゃんは、どこに行ったんすか?」




「………………。」




「体はロットの坊ちゃんなのに、中身は違う気がするんす。自分でも、何をバカなことをって思ってるんすけど、でもどうしても、アンタがロットの坊ちゃんには思えない。アンタはロットの坊ちゃんじゃない。ロットの坊ちゃんはどこに行ったんすか!!!」



苦しそうに、俺の顔を見ないように視線を地面に向けながら叫ぶ。



ロット君の死を、信じたくないように。




「……1つ、聞いて良いか?」



「………………何スか?」




「どこで俺がロット君じゃないって気付いた?」




「…………あぁ、そう、そう答えるって事は、アンタはやっぱ違うんスね。」



絶望したような顔で、笑いながら掠れた声でアーシ(仮)は答えた。



「こんな、こんな事で……あんなバカみたいな事故で死んじゃうなんて、ほんと、バカじゃないっすか?!!」




「…………………そんな事、言ってやるなよ。どうして死んだか俺には分かんないけどさ、事故だったならもうそれは……」



――――――そうなる運命だったんだ―――



なんて、言えやしないよな。



相手の抗戦の意思がないのを感じて、張り詰めていた緊張の糸を解く。


いまだにズグズグと痛む横腹を手で押さえ、ずるずると巨木に体重を預けながらゆっくりと地面に座る。



「それより俺の質問に答えろよ。どこで俺がロット君じゃないって気付いたんだ??」



俺の声に、アーシ(仮)はハッとしてから顔を腕で何回か擦り、俺の顔を見る。


グシャ、と一瞬顔が崩れたがすぐ元に戻して俺の質問に答えてくれた。



「……どこで、と言われたら…………まぁ、最初からっすよ。」






「……………えっ?!最初から?!!」




















読んでいただき、ありがとうございやした!!

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