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拝啓、くそったれな神様へ  作者: なっなな〜
ループする世界
17/45

ロット君と商人

ロット君(本物)の正体が垣間見える話となっております笑









盗んだ体で走り出す〜 ♪


ループ元が誰かもわからぬまま〜♪(字余り)





綺麗に整備された道から少し離れたところに生えてある大きな木の下で俺は体育座りをして、俺は途方に暮れていた。


木々の隙間から出る光とその風がなんとも心地よく、目を閉じたらすぐにでも眠ってしまいそうだ。



こんなはずじゃなかったのに、と深いため息をはき、顔を膝に埋める。



急いで探さないといけない。

死んでループしている誰かを、悲運の子を。

手遅れになる前に。



そう意気込んで父親と母親の静止を無理矢理ふり切って屋敷を出た。


出たのは良いが、走っても走っても地平線のように続く道に心が折れかける。


少し休んだら走って、走ったら少し休んで、を何回も繰り返しながらとにかく前に進み続けていたが、一向に景色が変わらず街に着く気配もない。



そして、現在に至る。



屋敷に戻るか?そして馬車か何か乗り物を借りれば…と考えたがすぐにそれを振り払う。戻ったとしても母親と父親が必死に止めに入るだろう。


死んだと思った息子がまさかの息を吹き返したんだ。否が応でも屋敷に留まらせるだろう。



……………最悪、監禁されるかもしれない

監禁されてる自分の姿が容易に思い浮かび、ゾッとする。



そして、目線を自分の手に移す。

自分の手を握ったり開いたりを繰り返しながら、体に異常がないか確かめる。

1回死んだと思えない程にスムーズなら動く。


ふ、と目覚めた時の事を思い出した。

ロット君はどんな理由で死んだのだろうか?

いまのところ不便なところや動きにくいところもない。

痛みを感じるところもないからなんで死んだのかいまだに不明だ。


ループ5回目と6回目の時にそれとなく母親と父親に聞いてみたが、すごく変な顔をされて目を逸らされた挙句に話もはぐらかされた。

全力で話題を逸らす両親を見て、あ、これ、聞いちゃいけないやつと思い、結局死因は聞けずじまいで終わった。



ハァ、と何度目か分からないため息を吐く。



周りの何もない風景をみて心が折れかける。

どうして俺はこう、後先考えずに行動してしまったのだろうか…と自分の単純な思考と考えの浅さに腹が立つ。



「とりあえず、歩くか…。」



このままここにいても埒があかないと思い、重い腰を上げ、立ち上がる。


ずっと続く地平線のような道を見てまたもや心が折れかけるが、引くわけにもいかないので走り続けて重くなっている足を前に出す。




「………ん?」





どこからか、馬と車輪の走る音がかすかに聞こえてて、自然と俯いている顔を前に上げた。


誰か来た?と左右を見渡すが、見えるのは木と畑、野原ばかりだ。


聞き間違いか、と思い再び足を前に出した時、




「あれ?!そこにいるのはロットの坊ちゃんじゃないっすか??坊ちゃん、生きてたんすか?!」




後ろから人の声が聞こえ、あぁ、音が聞こえていたのは後ろの方か、と思い振り返る。


それにしても生きていたのか?!ってまるで生きてるのが信じられないと言っているような物言いだな。


…まぁ、本当は実際に死んではいるんだけどな


仮にも貴族の坊ちゃんの俺に対してちょっと失礼な物言いに誰だこいつ、と思いながら顔を見る。



歳は大体20後半か30半ばの男で、服装はいかにも行商人って感じの装いだった。

髪の毛は短髪の明るい茶髪で、顔はどう◯つの◯の悪徳商法をするキツネみたいな顔をしている。

190センチ位ある身長をしており、身体全体は細くみえるのだがよく見ると、腕や足の筋肉が程よく付いていてどこか威圧を感じる雰囲気を醸し出していた。



「……悪徳商法してそうな胡散臭い顔してんなぁ。」



「あぁ??」



思わず口に出ていたことに気づいてハッとし、咄嗟に手を口で押さえる。


が、時すでに遅かった。


相手にはガッツリ聞こえていたようで細い目をさらに細くしこちらを睨みつけている。



「ロットの坊ちゃん、何を……」



「ひ、すみませんっ!!口が滑りました!!!」


バッと勢いよく45度の角度で頭を下げる。

が、そのあと予想外の言葉が返ってきた。



「何を今更そんな事言ってるんすか??」



「………………………え?」




ポカンと口が開く。


相手はほうけた顔をして固まっている俺を気にもせず呆れたように言葉を続ける。




「覚えてないんすか?ロットの坊ちゃん、初対面の時にアーシの顔を見て同じ事言ったんすよ。何でまた今更そんな事、言ってるんすか??」



…………………ロット君、君も同じこと思っていたんだね………


そう思いつつ、怒っていない事にホッとして無意識に上がっていた方を下げる。


と、安心したところで




「この顔を生かしてアーシに商業するように進めたのも、商品をぼったくって余った金を2人で山分けしようって言ったのもロットの坊ちゃんなんすよ??」




すっごい爆弾を投げてきた。





…………………………ロット君??!!お前、何してんの??!!!!!



あまりにもの発言に目が飛び出そうになるほどの衝撃を受ける。



「はっ?!!ロッ……俺が?!」



「そうっすよ。覚えてないんすか?」



「お、覚えてない…」



というか知らない、そんな事。

というか知りたくなかった!そんな事!!


まさか、そんな悪役令息みたいな…いや、悪役令息ですらやらない悪役のモブがやっていそうな事をしているなんて!!



「………やっぱあの事故で記憶なくなったんっすか??」



「じ、事故??」



「そこも忘れちゃったんすか?!」



信じられない!!みたいな顔をしながら俺を見てくる。


忘れるもなにも俺はロット君じゃないから事故があっ

た事実すら知らないんだが?!


と、さらなる事実が発覚!!としたところで気づいた。


ロット君はその事故とやらで死んだんだな。



今日までロット君の体で過ごして分かった。


驚くほど綺麗な体に大きな傷もなく、痛みもないから多分事故とは身体的に傷付く事故ではないのだろう。



チラリと、ど◯ぶつの◯に出てくる◯ネキチ似の男をみる。



ではどのような事故なのだろうか??



こいつは悪徳商法で得た報酬を2人で山分けしていた、と言っていた。という事は、ロット君とはそれなりに交流があるのだろう。


コイツならロット君が死んだ事故の全貌を知っているかもしれない。


あの、とツネ◯チ似の男に声をかける。



「ど、どうしたんすか??」



と、気味の悪いもの、変なものを見ているような顔で俺を見ている気がするが、スルーする。



「あの、俺、その事故?のせいで生死を彷徨って、記憶がなくなっちゃったんです…。なので、あなたのことも、目が覚める前のことも何も覚えてなくて……すみませんが何があったか教えてもらえませんか…??」



「ーーえ”」



カエルが潰れた時にだす汚い声を出して、普段は糸目で隠れていそうな瞳が見えるくらいに目を見開いてこちらを見る。


190センチという巨大で謎の威圧を放ちながら目をガン開きにし、俺の周りをぐるぐる周るこの光景はもう、恐怖でしかない。


ツ◯キチ似が俺の周りをぐるぐる周ること1分


ひと通り見て満足したのか、ガン開きの目が糸目に戻り、閉じていた口をやっと開いた。



「アンタ…………敬語使えたんすか?」




「え?」



思いもよらない言葉に唖然とする。


お前はロットじゃないだろ!!くらいは言われるかと思い、心臓がバクバクとなったがどうやら誤魔化せたみたいだ。


………ごまかす必要があるかどうかはわからないが 。



「いや、あまりにも綺麗な敬語使うから本当にアンタがロットの坊ちゃんかと疑ってましたっす。いやぁ、驚かせちゃったみたいですいやせん。」



そしてロット君、君は敬語を使えなかったんだね。

さすが、甘やかされて育った貴族の息子だ。



「お、俺をロットだと信じてくれてよかったです…。ところでどこで俺だと信じてくれたんてますか?」



「ん?体っすよ。いくら顔を似せても体は似せられないっすからね。ロットの坊ちゃんの上腕二頭筋、腹筋、大腿四頭筋などなどを見てアンタをロットの坊ちゃんだと確信したんす。」




「お、おぉ……。服の上からでもそういうのって見えるのか…。すごいですね……、、」


若干、引き気味に賞賛すると、◯ネキチ似は誇らしげに胸を張った。



「アーシレベルになると余裕っすね。」



アーシレベルがどのレベルかはわからないが、なるほど、約1分くらい俺の周りをぐるぐる周っていたのはそういう理由だったのか…。



あの謎の行動に納得いき、そして、ふと疑問に思い、質問する。



「信じてくれたのはいいんですけど、もし、俺がその偽物だったらどうしてたんですか??」



「え?そりゃもちろん殺したっすよ。」



「ファッ!!!!??」




いきなり出てきた物騒な言葉に変な声を出してしまった。


誤魔化せてよかったーーーーーー!!!!


「これもロットの坊ちゃんが言ったことっすよ?自分の偽物が出てきたらすぐに始末しろって」


「…………………。」



ロット君、きみ、思ったより危険な思想の持ち主だったんだね。

屋敷を出てから知らない君の一面を知っていくばかりだよ……。


何度目かわからない遠い目をしながららもう逝ってしまったロット君の事を想う。



やはり屋敷に篭ってるだけじゃ知りたい情報は得られないなと思い、屋敷を出て正解だったと認識したところで、馬と馬車が俺の視界に映る。



これは、ラッキーなのでは!!!??



「あ、あの!アーシさん!!お願いがあるんですがっ!!!」



「?!アーシさん?!もしかしてアーシのことっすか?!!」




「俺を街まで乗せていってくれませんか?!」







読んでいただきありがとうございました!

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