考察してみよう
俺はみんなのもとに急いで戻った。道中、フォースドガゼルを2匹見つけたので、ルクスの力を使って高速で倒した。
みんなは少し離れた場所でフォースドガゼルを狩っていた。俺が戻ってきたことに気付くと、ササっと戦っているフォースドガゼルを倒し、俺のもとに駆け寄ってきた。
「ソラ!大丈夫だったか!?」
「なにか危険なことに巻き込まれなかった?」
「何かあるならカンナも同行しますよ!」
「いや、何もないから落ち着いて。ただ揉め事を諫めただけだから」
「ああ、そうなのか。なんか心配して損したな」
「そうだね。ほんと心配した時間を返して欲しいくらいだよ」
「なんかその急な手のひら返しムカつくな。斬るぞ?」
「か、カンナはいつでもソラさんの味方です!」
「うん、ありがとうカンナ。俺の味方はカンナだけだよ」
カンナは少し下を俯く。何か変なことを言ってしまったのだろうか。泣いてない……よな?
「か、カンナ?」
俺は恐る恐る声をかける。すると、カンナはバッという音が出そうな程勢いよく顔を上げた。その顔は少し赤らんでいた。まさか……怒っていたのか!?
「す、すみません。と、とりあえずソラさんも戻ってきたことですし、狩りの続きをしましょうか!」
何故だかカンナは少し慌てている雰囲気だった。ふと、ショウの方を見ると、心なしかニヤついている気がした。いつにも増して考えていることが分からない奴だ。
と、俺はショウとカンナに聞こうと思っていたことを思い出す。
「なあ、ショウ、カンナ」
「ん?」
「なんですか?」
「今回のイベントのルールでさ、なんか変なところなかったか?」
「あー、あの『1ダメージでも』ってやつだろ?あれは俺も変だと思ったぜ」
「普通はあんなルールありませんよね?あのルールだったらまるで別プレイヤーが狩ってるモンスターを横取りしてもいいよって言ってるのと同じですもんね」
「何か別の意味があるのか、はたまた横取り推奨なだけなのか……。何かありそうな気がするんだけどな……」
「まあ、その内分かるだろ。ゲームは楽しむもんだぜ!フォースドガゼルを狩りまくるぞ!!」
「この調子ならいいところ狙えそうだしね、頑張りましょうよ」
「目指せ、上位です!!」
うーん、みんなもこう言ってることだしな……。考えすぎも良くないか。
「そう……だな。じゃあ、まあ頑」
ズドォォォォォンッッ!!!
俺が返事をしている時、少し離れた場所でとても大きな音が鳴った。それと同時にとてつもない振動が俺たちを襲ってきた。
振動に耐えつつ、音が鳴った方を見てみる。すると、そこには今までのフォースドガゼルより何倍も大きいフォースドガゼルがいた。
「で、でっかぁぁーー!!」
「なんだ、あれ……」
周りを見渡すと、所々にあの大きなフォースドガゼルが何匹か出現していた。だが、そのいくつかに少し違和感を感じた。
俺は考える。そして、その違和感の正体に気付いた時、一つの可能性が思い浮かぶ。まるで突拍子のない考えだが、有り得なくはない。
俺は急いでアイテム欄を開いて、今回のイベントで収集したアイテムを確認する。
「ん?ソラ、どうかしたか?なんか慌ててるみたいだけど」
「ちょっと確認したいことが……やっぱりか……」
「やっぱり?」
アイテム欄にはとてもよく似た2つのアイテムがあった。1つは今回集めるアイテムのフォースドソウル。そしてもう1つはデミフォースドソウルというアイテムだった。
個数を確認すれば圧倒的にデミフォースドソウルの方が多かった。
それが何を意味するのか。簡単なことだ。このフィールドにはフォースドガゼルと微妙に違う、とってもよく似たモンスターが数多くいるということだ。
そして俺は思った。このイベントを考えた奴は死ぬほど性格が悪い、と。
連載34回目です。
ようやくイベントの真意が分かったような、分からないような感じです。よく分からなかったという人は次回にしっかり説明いたします。もう少々お待ち下さい。
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