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揉め事を収めてみよう



 揉め事の現場に呼ばれた俺たちだが、ひとまず俺だけ向かって3人には引き続き狩りを続けてもらうことにした。


 時間の無駄といえば無駄だし、このイベントではプレイヤー同士の戦闘はないので安全だからだ。まあ、呼ばれた理由も気になるところではあるし。


 どうやら揉め事は2つのグループ間で起こっているらしい。各グループ5人ずつで全員それなりの装備を着けている。


 俺はそれぞれのグループのリーダーらしき人に話しかけた。こういう場合は代表者とだけ話すのが手っ取り早い。



「なあ、なんで俺を呼んだんだ?揉め事なら他所でやっててほしいんだが」



 まず俺は少し高圧的な態度で話す。少し優位に立っておいた方が後々都合がいい。



「ああ、すまねえ。だが、どうしても俺たちだけじゃ話が終わりそうにねえんだ。第三者の意見が必要なんだ。だから頼む」


「そう言われてもな……力になれるかは分からないぞ?」


「そこは大丈夫です。ただ客観的な意見を聞きたいだけですので」



 ゴツい男4人組のグループはスキンヘッドの男性が、派手な装備をつけた女4人組のグループは黒髪ロングの女性がリーダーらしく、激しいとまではいかないものの、中々の口論を繰り広げていたようだ。


 だが、さっきまで口論してたとは思えないほど申し訳なさそうな態度なので少しバツが悪くなり、いつも通りの態度に戻すことにした。



「それで何があったんだ?」


「聞いてくれよ!こいつらが俺たちの獲物を横取りしやがったんだ!!」


「何か悪いのですか?これはれっきとしたルールです。文句なら運営に言ってください」


「はぁぁぁ!!!???」


「まあ、ちょっと落ち着いて」


「ぐ……ちっ」



 ふむ、今の会話でなんとなくの察しはついた。横取りってのはおそらく……。



「要するにあんたらが揉めてるのはルールの『1ダメージでも与えれば等しくドロップ品が貰える』ってところだな?」


「ああ、その通りだ。こいつらは俺たちが戦ってるフォースドガゼルに一発だけ矢や魔法を当てて、俺たちと同じようにドロップ品を貰ってやがったんだ」


「何が悪いのですか?私たちはきちんとルールに則ってますよ?違反行為ではありません」


「たとえ違反行為でなくとも、やっていい事と悪いことがあるだろって話だよ!」


「だからこれはいい事ではないのですか?」


「ああっ!!??」


「何か文句でも?」



 うん、前言撤回。割と激しめの口論だった。正直言うと面倒だが、俺もそのルールには少し疑問を抱いていた。運営としても、こういう事態になることは容易に予想できたと思う。だとしたら、何故こんなルールを……?



「やっぱりどっちも譲らねえな」


「まあ、あなたが折れたらいいだけなんですけどね」


「ああ?お前が折れたらいいだろ!!」


「2人ともストップ。えーと、あなた……」


「ロンだ」


「ロンさんの言い分も分かるが、えーと」


「ミカです」


「ミカさんの言うことも尤もだ。だから一旦この件は水に流さないか?」


「な!?」


「ふふーん」



 ロンさんはとても驚いていて、ミカさんは嬉しそうに笑みを浮かべている。まあ、ゲームに熱くなりすぎな気もするが、そこは俺が口を出すところではないかな。



「で、でもよぉ」


「また見つけて狩ってくれ。なーに、まだ時間はあるさ」


「……分かった、元々あんたを呼んだのは俺だしな。従うことにするよ」


「頑張ってくれよ」


「おうよ!」



 なんとかロンさんは納得してくれたみたいだ。あとは……



「ん?私は全然構わないですよ?元々私の要求もそうでしたし」


「分かった、じゃあそういうことでな」



 ということで揉め事を収めることには成功した。だが、やはり気になるのはルールだ。わざわざプレイヤー同士を揉めさせるようなルールを作る必要性なんてあるのか?


 多少の疑問が残るものの、ひとまず俺はみんなのいる場所に戻ることにした。ショウやカンナの経験者にも話は聞きたいところだしな。


連載33回目です。


今回はルールに関する揉め事を書きました。これを書いたのには理由があるのですが、後々分かると思います。


もし面白いと思っていただけたら、応援、評価、ブクマ、よろしくお願いします!また、些細なことでもいいので感想お待ちしております!

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