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イベントを攻略してみよう2



 先ほどまでのハルとの違いっぷりに驚きすぎて何も喋れることかできない俺たち。その時、ハルがとても大きいため息をついた。



「はぁー。一旦変わるよ」


「え?変わる?」



 ハルはそう言うと、目を閉じた。そして次に目を開けた時にはいつものハルの表情に戻っていた。



「ごめんね、びっくりさせちゃったかな?」


「ん?ん?一体どういうことなんだ?」



 俺が3人を代表してハルに質問する。ハルは少し微笑みながら理由を説明した。



「あれはね、この短剣にいる精霊さんだよ」


「精霊さん?」



 ショウが「何言ってんだ?」みたいな表情で聞き返す。当然、俺は意味が分かっているので納得しつつ、驚いてもいる。まさか精霊が他の人と話せるとは……。



「この短剣には風の精霊さんが宿ってて、私に力を貸してくれるんだ。さっきのも精霊さんの力を使って倒したんだよ」


「風か……。あの竜巻とかか?」


「ううん、あれは私のスキル。精霊さんの力は走ってる途中とか、斬撃を飛ばしたりとかかな」


「あれか……。だいぶすごいな。いつの間にそんなに強くなったんだ……」


「私だってやるときはやるんだから。……もう負けたくないし」


「ん?何か言ったか?」


「ううん、なんでもない」


「そうか」



 それにしてもハルのおかげで攻略法が見つかった。先に上空に上げてから攻撃すること、もしくは視認されないことだ。


 早速、俺たちは今見つけた攻略法を試すべく、フォースドガゼルを見つけては個人で戦ったり、協力して戦ったりした。やはり攻略法は確かなようで、順調に倒していくことができた。



「フラッシュブースト!」


「フレイムアロー!」



 俺が光の斬撃を飛ばし、ショウが炎の矢を放つ。どうやらフォースドガゼルは攻撃を見つけることはできないらしく、遠距離から放った攻撃はシステム補正もあり必中だった。



「ファイアーストーム!」


「エアロストーム!」



 カンナは炎の竜巻で、ハルは普通の風の竜巻で他のフォースドガゼルを仕留めていく。カンナのスキルは遠距離系が多いので、今回のイベントには向いているのかもしれない。


 何はともあれ、今はとても順調にイベント攻略をすることが出来ていた。あくまで“今は”だが。





「よし、もう20匹は倒したぜ!」



 ショウは自慢げにそう話す。討伐数に自信があるようだけど、それに異論を唱えるかのように「ふっふっふっ」とハルが声に出して笑っている。なんというか、とても不気味な笑いだ。



「まだまだだね、私はもう30は倒したよ!」


「なっ、く、負けた……」


「いや、まだイベント終わってないだろ。なに決着ついた感出してんだよ」


「ふふーん、精進したまえ」


「し、師匠……」


「おい、無視か?そっちがそのつもりなら……」



 俺は無視された仕返しとばかりにハルの頭を両手でグリグリとする。昔から叱るときはこれが鉄板となっている。



「痛いっ!やめて!ちょっ、昔より強くない!?」


「特別仕様だ。嬉しいだろ?」


「嬉しくないから!!ごめんって!」


「どうしよっかな〜」


「お願いだから〜」


「なに2人でイチャついてるんですか。ほら、早く次に行きますよ」


「「あ、はい。すみません」」



 久しぶりにグリグリしたので少し楽しくなって調子に乗ってたら、カンナからツッコミが入った。そのツッコミがなかなかの圧を放っていたので、俺たちは同タイミングで謝った。


 ちなみにショウはすっかり蚊帳の外で、呆れ顔で俺たちのことを見ていた。



 それから少し歩いていると、プレイヤーの集団が目に入った。その様子からなんとなく揉めているということが分かった。


 ひとまず俺たちは顔を見合わせて素通りすることにした。ああいうのは部外者が加わったところで良い方向には向かわないからだ。


 ということで、その集団から少し離れた所を通って行こうとした時、その集団の視線が一気にこちらを見たことに気がついた。そして大声で俺たちのことを呼び始めたのだ。その瞬間、俺は悟る。ああ、これは行っても行かなくても面倒なことになる、と。


連載32回目です。


イベント中盤、攻略法も見えて順調に行っていると思ったら面倒事が舞い込んできました。世の中、順調にいってる時ほど油断ならないというものです。次回はイベント続きです。


もし面白いと思っていただけたら、応援、評価、ブクマ、よろしくお願いします!また、些細なことでもいいので、感想お待ちしております!

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