素材収集に行ってみよう〜前編〜
更新が遅れました!
アサとユウに会ってから数日後、俺はベルと素材収集に来ていた。前に道具を半額にしてもらう代わりに素材収集に付き合うという約束を果たすためだ。
「それで、何の素材が欲しいんだ?」
「えーと、翼竜の牙と紅晶石と霊樹の枝ぐらいかしらね」
「なんか種類がバラバラな気がするんだけど、こんな森の中にいて鉱石なんてあるのか?翼竜とか霊樹とかはともかく」
「まあ、私に任せて?」
「お、おう……」
今はビギンからだいぶ東に進んだ森の中にいる。ベルは自称攻撃力皆無なので、戦闘はほぼ俺が請け負う。たまにボウガンみたいな道具で援護してくれるのは有り難い。
「うん、もうすぐね」
「何が?」
「えーとね、この先に結晶洞窟って呼ばれる洞窟があるの。そこには数多くの鉱石があるらしくてね、お目当ての紅晶石もそこにあるって聞いたの」
「へー、よく知ってるな」
「私たちにとって素材の情報は命と同等の価値があるのよ?」
「そ、そうなのか……」
「うふふ、ほら行きましょ」
「ああ」
そこから少し歩くと小さめの山があり、その山の麓にポッカリと開いた穴があった。どうやらここが結晶洞窟の入り口らしい。
俺たちはその穴の中に入っていく。中はダンジョンと同じような構造になっていた。ただ一つ違うのはモンスターが出ないことだ。要するに、ここでの俺の活躍の場はない。
「なあ、俺は何をすればいいんだ?」
「もちろん、発掘作業よ!!」
「でも掘るもの無いぞ?」
「そ・こ・は・任せて?」
そう言うと、ベルは自分の画面を操作してピッケルを取り出した。しかも、しっかりと2本。
「はい、どうぞ」
「あ、はい……」
そうして俺たちは紅晶石探しを始めた。紅晶石自体はそこまで珍しくはないので、割と早くに見つけることができた。
採取もピッケルでガツンッと叩くだけで簡単にできたので、途中から楽しくなってきて乱獲しまくっていたらベルに怒られた。
そんなこんなで、無事に一定量の紅晶石を手に入れることができたので、俺たちは次の目的地のファンラン森林に向かった。
ファンラン森林は結晶洞窟からもう少し東に行ったところにある森林で、ここには翼竜の牙を落とすグランワイバーンがいたり、霊樹があったりと今の俺たちには魅力的な場所なのだ。まあ、おそらくベルは知ってただろうけど。
「ここら辺からグランワイバーンが出現するはずよ」
「なるほど、じゃあ警戒しておかないとだな」
「奴らは空から急に降ってくるから気をつけてね」
「降ってくるって……飛んでるんじゃないの?」
「ええ、だから飛んだ状態から降ってくるのよ」
イマイチ意味が分からなかったが、その意味はすぐに理解することとなった。
真上の木がバサバサッと揺れたかと思うと、グランワイバーンが文字通り降ってきた。別の言い方だと落ちてきたと言うべきか。しかも、その口を大きく開けながら。
「うわぁぁ!!!」
俺は思わず叫びながら回避をする。これはさすがに予想外の事態だ。
「ベル!大丈夫か!!」
ベルがいる方を振り向くと、さっきまで近くにいたはずなのに、ありえないほど遠くまで逃げていた。この短時間でそんなに移動できるか?というくらい。
「いや、逃げすぎだろ!」
「あら、これが普通よ?ほら、気をつけないとどんどん来るわよ」
「え?」
そう言われて、上を見上げるとグランワイバーン数匹が口を開けて降ってくるのが見えた。もはや驚きすぎて声も出ない。
グランワイバーンは数は多いものの、下に降ってきてからは突進攻撃しかしてこなかったので、割と楽に倒すことができた。だが、本当にあの奇襲攻撃だけは勘弁して欲しい。
「はい、お疲れ様。翼竜の牙もしっかり集まったわ。じゃあ最後は霊樹ね」
「な、なあ、もう少しだけ休ませて……」
「ほら、行くわよ!」
「えぇー」
ベルはまったく悪気のない笑顔でそう話す。戦闘後すぐに動くのは大分きついから、もう少し休ませてほしいのだけど、天然のスパルタ気質のベルには通じなさそうだ。
ということで、俺は半ばベルに手を引かれながら霊樹に向かった。
連載27回目です。
少し前にベルとした約束を果たすために素材収集に向かったソラ。ですが、ベルのスパルタっぷりに振り回されているようです。次回は続きとなります。
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