終・妹たちと戦ってみよう
俺は徐々にアサとユウとの距離を縮めていく。2人はそんな俺に警戒して攻めてはこない。完全に守りの体勢だ。
俺はスーッと息を吐くと、今出せる限りの最高速度で一気に距離を詰めた。2人は突然俺が目の前に現れて、とても驚いているようだった。
俺は完全にアサの隙を捉えたと思って、彼女の腹に剣を突き出す。しかし、ここで予測外のことが起こる。
キィィィンという音とともに、俺が突き出した剣はアサの剣に弾かれた。俺の攻撃は通らない。
「あっぶなぁ〜い。今のはヒヤヒヤしたね〜。でも、慶兄の奥の手は完全に見切ったよ」
俺は少し下がり、一瞬考える。そしてアサのアビリティに当たりをつける。最初に立てた予測を潰されたので、今度はアビリティの確認に動く。
もう一度全力で動いて、アサの背後へと回る。そして、さらにそこからアサの真上に動く。この二重の動きは誰にも見せたことがないから予測など無理なはずだ。だが……
「私には意味ないよ!!」
アサはこちらを一度も見ずに、俺の攻撃を防いだ。その様子を見て確信する。アサのアビリティはおそらく敵の攻撃を完全に防ぐというものだ。自身が感知できていない攻撃も含めて、全て。逆にそうとしか説明できない。
俺はハルにユウの相手を頼む。おそらく1対1でないと、アサを攻略することはできないだろうから。
「ハル、ユウの相手を頼む」
「う、うん。分かったよ」
アサは割とこういう時に熱が入るタイプだ。お世辞にも慎重とは言えない。だから俺が全力で真正面からスキルを放てば、それに応じてスキルを放ってくるはずだ。
「いくぞ、アサ。全力だ」
「ふふっ、いいよ、慶兄。私も本気でいくよ!」
やはり乗ってきた。だとしたら、アサが持つスキルの中で最高のものを放ってくるはずだ。
俺はルクスの力を返した。少し頭痛がするが、耐えられないほどではない。
「クロスフラッシュ!!」
「カオスエタニティ!!」
俺が放つのは2連続の攻撃、アサが放つのは何連撃だろうか。もしかしたら一撃で最高の攻撃力を放ってくるかもしれない。だが、そんなことは関係ない。一撃で終わるから。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
アサは走りながら黒と白に光る剣を振ってくる。対して俺は光り輝く剣を構えた状態から、真下に降ろした。
「え!?」
もちろん負けを認めたからではない。勝つために必要なのだ。周りは驚いているようだが。
アサが振った剣は見事俺の肩に当たる。だが、俺に1ミリのダメージもない。それどころか、さっきよりもHPが回復している。
「嘘ッ!?な、なんで……?」
俺が発動したのはエクストラスキル『女神の加護』の絶対防御だ。どうやら絶対防御は自分の意思で発動するもので、常時というのは自動回復だけらしい。だから俺は今発動した。アサが大規模なスキルを放ってきた時、要するに大きな隙ができる時だ。
俺は肩で止まっているアサの剣を左手で掴み、身動きが取れないようにする。そして既に発動しているクロスフラッシュでアサに攻撃する。
「ぐっ……」
「フラッシュブースト!」
「きゃぁぁーーー!!」
今、できるだけのダメージを与える。この方法は多分一度きりしか使えない。2回目は警戒されてしまうだろう。
「クロスフラッ」
「こ、のッッ!!」
さらに追撃をしようとしたその時、アサがものすごい力で剣を俺の手から引き剥がした。俺はその圧倒的な力によってバランスを崩してしまう。
「楽しかったよ、慶兄。でも、これで終わりッ!!」
アサの剣に闇が纏う。そしてバランスを崩した俺に、その闇が一気に放出される。絶対防御はまだ使えない。俺に残された道は一つ。
俺は空蝉でアサの真後ろに回避する。だが、もう勝負は決していた。
「ポイントロック!」
さらに俺の後ろから声がして振り返る。そこには既にハルを倒したユウがスキルを発動していた。
俺はすぐに回避をしようとしたが、体が固まり動かなくなっていた。どうやらユウが発動したのは相手の動きを止めるスキルのようだ。
「これで終わりッッ!!」
今度は闇が俺に直撃する。暴力的な闇の奔流が絶え間なく俺のHPを削る。だが、俺の体はまだ動かない。とうとう俺のHPは……0になった。
連載25回目です。
尽く策が潰されたソラはとうとう負けてしまいます。本人は割と悔しがってますが、普通は負けて当然なレベル差です。そこはまだまだ初心者なソラなのです。
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