続・妹たちと戦ってみよう
試合が開始してすぐ、俺は走り出した。幸い、アサとユウは俺のアビリティや装備の能力を知らない。だが、それは俺も同じこと。2人のことは分からない。
「お、正面突破か〜!悪くないね、慶兄。だけど、その攻撃は届かないよ」
俺は抜剣すると、アサも同じく抜剣してお腹の前で構える。それをしっかりと確認した俺は空蝉を使ってアサの背後に回った。
「あれ!?」
「スラッシュ!!」
俺は完全に隙をついて後ろから斬りかかる。だが、そこに横槍が入った。
「アイシクルショット」
いつの間にか移動していたユウが、俺に向かって氷の礫を放ってきた。俺は間一髪のところを空蝉で避ける。
「な、避けられた……!?」
俺は一旦、2人から距離を取る。ハルはまだ動けていない。どうにかハルと連携を取らないと、すぐにやられてしまう。
「ハル!早く戦うぞ!」
「え、で、でも、私……」
「早く!!」
「……う、うん!」
ハル――佳純は昔からプレッシャーに弱い。こういう人目に晒された場所というのは彼女が一番苦手とする場所だ。動揺していたようだが、なんとかいつも通りに戻ってくれたようでよかった。
「話は終わった?じゃあ行くよ!」
アサがすごいスピードで走ってきて、俺に剣を振ってくる。当然、空蝉で避けるが、その先に雷の槍が飛んでくる。
まさかの攻撃に俺は直撃してしまった。
「ぐ……!」
一撃でなかなかのHPを持ってかれたが、大きな隙を与えることができた。その隙を見逃さず、ハルがユウに向かっていく。
「させないよッ!フォースグレイブ!」
アサの見事な4連撃技がハルに向かって放たれる。ハルはアビリティの力でその攻撃を防ぎきる。
「やった……!」
「喜ぶのは早いんじゃない?」
だが、その喜びも束の間。アサは既に次の攻撃の準備を始めていた。
「テンペストスラッシュ!!」
アサの剣に風が纏い、その勢いのままハルを斬る。が、その攻撃はハルの装備に纏う風に弾かれた。
「あれれ!?弾かれちゃった!え、しかもダメージも受けてるッ!?」
「アサ、作戦変更」
「りょーかい!!」
ハルと相対していたアサは俺の方に、ユウはハルの方へと向かった。相性を考えてのことだろうけど、俺らも黙って見過ごすほどバカではない。
「ハル、交代だ!」
「うん!」
「させないよ!アストラブレイブッ!」
俺がハルに声を掛けたと同時に、アサがさっき見た7連撃技を放ってきた。仕方なく、俺はアサの後方に回避する。だが、やはりそこにユウの攻撃が飛んできた。今度は予測できたので、それも回避する。
「いやぁ〜、慶兄やるねぇ〜。そんな強いアビリティ持ってたなんて知らなかったよ〜」
「ん?何言ってんだ、アサ。これは空蝉だぞ?残念アビリティだぞ?」
「え?本当に?」
「ああ」
「はぁ〜、慶兄、化け物すぎ。空蝉でそこまで戦える人は見たことないよ」
「いや、俺なんてまだまだだよ。アサとユウの方がすごいさ」
「ふふ、私たちは慶兄のそういうところが好きなんだよ」
「ん?どういうところだ?」
「ふふーーん、内緒〜!ライトニングスラッシュ!」
アサは雷の纏った剣で攻撃してくる。俺はそれを回避する。決して剣では受けない。光の精霊剣の力を存分に発揮するためだ。
「そろそろかな」
「……?何のこと?」
「フラッシュブースト!!」
俺の剣から放たれた光の刃がアサめがけて一直線に飛んでいく。アサは目にも留まらぬ速さでその刃を真っ二つに斬る。
「まだか……」
そう呟くと同時に、後ろで悲鳴が聞こえた。
「きゃぁぁーーー!!」
ハルがユウの攻撃を食らって吹っ飛んできた。ハルのHPはだいぶ減っている。このままではすぐに負けてしまうだろう。なら、もう一つ先へ進むだけだ。
「聞こえるか、ルクス」
『はいはーい、聞こえるよー』
「俺に力を貸してくれ」
『ふふっ、了解』
俺はルクスに力を借りた。そして俺は高速で考える。俺はこの2人の兄だ。2人の性格は大体分かっている。だから、2人が次にどう動くのか、容易に予測ができるはずだ。
「慶兄?なんか雰囲気変わった?」
「たしかに少し変……。どうしたんだろう」
2人が何かを話している間に、俺は予測を終えた。あとは思った通りに事が運ぶはずだ。
俺はゆっくり歩き出した。
連載24回目です。
アサとユウになかなかダメージを与えられないソラとハル。とうとうソラはルクスに力を借りることにします。ソラが本気で出すのは、兄として妹に負けたくないと思ったからだったりします。
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