試合を観戦してみよう
今回は途中から第三者目線になってます。
俺は観客席の空いている席を確保した。少し待つと、遅れてショウたちもやってきた。
「遅いぞ!もうすぐで始まってしまうじゃないか!」
「お前が先に行くのが悪いんだろ!少し待て!」
「まあまあ、間に合ったんだし、いいじゃん」
「そうですよ。二人とも少し落ち着いてください」
「……すまん。少し熱くなりすぎた」
「もう、本当あんたは昔からあの二人のことになるとヒートアップするんだから」
「仕方ないだろ。大事な妹なんだから。それに……」
「さあさあ、注目のダブル戦準決勝第2試合!!まずは今巷で話題の男女コンビ、ダイ&ヨウ!!」
「お、始まったな」
アサとユウの対戦相手が入場する。二人とも見た目強そうだが……。まあ、アサとユウなら大丈夫だろう。
「続いて、これまでの対戦成績は全戦全勝!このコンビを倒す者たちは果たして現れるのか!アサ&ユウ!!」
ほう、あの2人はこれまでの試合は全部勝ってるのか。なら大丈夫だな。
「頑張れー!!2人ともー!!」
周りの歓声が大きすぎて届くかは分からないけど、俺は目一杯叫ぶ。すると、2人はパッとこちらを見て、とても可愛らしい笑顔で手を振る。なんとか俺の声は届いたみたいだ。
「ルールは今まで通り、対戦相手2人のHPを0にした方が勝ちだ!!それでは両者、準備はいいか!?レディーーーーゴーーー!!!!」
こうして試合は始まった。2人の装備はアサが片手剣、ユウが杖だ。その両方とも、とても強そうだ。あくまで俺目線だけど。
だが、対戦相手の方も槍と短剣で互いのリーチをカバーできるようになっている。なかなか手強そうだが……。
「ショウ、相手は強そうか?」
「ああ、2人ともなかなかな使い手だろう。しかも装備自体も強い部類に入るやつだ。ここまで勝ち上がれたのも納得できる」
「え、じゃあアサとユウは大丈夫かな……」
「心配しなくても大丈夫ですよ、ハルさん。はっきり言ってソラの妹たちは格が違いますから」
「「え?」」
「そうですね。カンナが見ても分かります。そもそも装備自体、レベルが違いますもん」
「そんなに強いのか?」
「まあ、見てろよ」
俺は言われた通り、じっくりと試合を見ることにした。
◇◇◇
アサとユウはとても意気込んでいた。なぜなら大好きな兄が観てくれているからだ。いつも気合を入れて戦っているが、今日だけは異常なほどに気合を入れていた。
「ユウ、絶対勝つよ」
「当たり前でしょ」
2人はいつも通りハイタッチをして舞台に上がる。周りの観客席には観客がほぼ満員入っている。大きな歓声が聞こえる中、左の方で兄の声が聞こえた気がして、2人は同時にその方向を向く。そこにはしっかりと兄がいた。2人はこれまた同時に笑顔で手を振る。
「ルールは今まで通り、対戦相手2人のHPを0にした方が勝ちだ!!それでは両者、準備はいいか!?レディーーーーゴーーー!!!!」
試合が始まる。まずは互いに敵の分析を始める。アサとユウの対戦相手は槍と短剣使い。おそらく短剣使いの女は装備から見てスピード特化だろう。だが、その分防御力が低いと見る。
対して槍使いの男はガチガチに鎧で固めている。いざとなったら短剣使いの盾になれるようにか?そんな鎧ごとき、2人の前では全く通用しないのだが。
まず均衡を破ったのは槍使いだ。アサに向かって直線的な突きを繰り出す。先に近接で戦う方を潰しにきたのだろう。
アサは突きが迫っても微動だにしない。なぜなら彼女に攻撃は当たらないからだ。
アサは寸前まで迫ってきた槍を目にも留まらぬ速さで弾き返す。完全に決まったと思い、油断していた槍使いはバランスを崩して倒れる。
と、すかさず後ろに控えていた短剣使いがアサに向かって走り出す。だが、そこに光の光線が飛んできて短剣使いに直撃する。
「きゃぁぁぁ!!!」
「く、くそッ!!」
槍使いは立ち上がり、今度はスキルを使った攻撃を繰り出す。
「ストームスラストッッ!!」
槍使いは4連続の突き技を放つ。それに対して、アサも同じくスキルを発動する。
「アストラブレイブ」
そのスキルは槍使いの4連続の突き技を優に超える7連続の斬撃技だ。アサは4連続の突きを4度の斬撃で全て受け止め、残りの3連撃を槍使いに全て当てる。
「がッ……!!」
「これで終わりだよッ!」
大きく力強い斬撃が槍使いを斬り裂く。その攻撃で槍使いのHPは0になり、光となって消えた。
「ダイッ!!く……そッ!」
短剣使いは槍使いが倒されて1人になったが、戦意は喪失していないようだ。とてつもない速さでアサに詰め寄り、一太刀食らわせる。が、既にアサはユウの元まで下がっていた。
「もう、まだ倒してなかったの?」
「もう倒すから。ライジングロック」
短剣使いの足下の地面が急に上へと伸びる。そしてその伸びを急に止めると、短剣使いは宙に身を投げ出される。
「アストラレイン」
今度は宙にいる短剣使いの上から光線が雨のように降り注ぐ。短剣使いも空中ではなす術なく、全て直撃しHPが尽きた。
「し、試合終了ぉぉぉ!!!勝者、アサ&ユウ!!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」
観客席から溢れんばかりの歓声が聞こえる。彼女たちはその無敗記録をまた一つ増やしたのだった。
連載22回目です。
アサとユウの試合を観戦したソラたち。彼らはその戦いぶりに何を思ったのでしょうか。次はまさかの...。
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