妹たちに会ってみよう
佳純にゲームについて教えた翌日、俺はゲームにログインした。もちろん妹たちに会うためだ。
「今日はリレギオンに行こうと思う」
今日集まってくれたのはショウ、カンナ、ハルだ。奇跡的に全員の予定が空いていたのでよかった。ショウとカンナは会ったことがないから紹介しておきたかったしな。
「なんでリレギオンなんだ?ソラの妹たちに会うだけだろ?」
「2人は今リレギオンから離れられないらしくてな、せっかくだから大都市の見学も兼ねて行くことにした」
「ちょっと待った。一つ聞いていいか?」
「どうした?」
「もしかしてお前の妹たちってゲーマーか?」
「その通りだが……なんで分かったんだ?」
「全く知らないソラに分かりやすく説明すると、大都市リレギオンでは今、大決闘祭が行われていて、それに出場するプレイヤーは原則リレギオンからは離れることはできない。要するにお前の妹たちはそれの出場者ということだ」
「まあ、大決闘祭が行われていることは知ってたけどな」
「しかも大決闘祭は昨日から行われている。一度敗退した人は今日の出場はないから、今日も出場できる人はそれなりの実力者ってことだ」
「無視か、おい……まあ、いいや。ちなみになんだが、ショウが大決闘祭に出たら、今日まで勝ち残れるのか?」
「多分……無理だ。俺でも今日まで勝ち残れないと思う」
「ということはソラさんの妹さんたちは……」
「それ以上の強さってことね」
うんうん、さすが俺の妹たちだ。とても強くなっているみたいで、俺も嬉しい。
「よし、じゃあ行くか!」
◇◇◇
「うわぁ〜〜〜!」
「す、すごいです……!」
「そりゃあビギンに比べれば、な」
「俺は何度か来たことがあるから……特に何ともだな」
ビギンからリレギオンまでは送迎用の馬車があったので、それに乗って向かった。馬車に揺られながら、待つこと1時間ほどでリレギオンに着いた。
リレギオンは基本的にビギンよりも建物の高さが高く、人もいっぱいいた。NPCも多くいるが、プレイヤーもビギンとは比にならないくらいいた。まあ、多くは大決闘祭を観に来たのだろう。
「それで妹たちはどこにいるの?」
「たしか大きな時計台の下で待ってるって」
「それは中央時計台のことだな。案内するからついてきてくれ」
「おう」
ショウの案内のもと、俺たちは中央時計台に向かった。その途中、誰かに見られている気がしたが、まあ気のせいだろう。
「着いたぞ。ここがリレギオンのシンボル、中央時計台だ」
その時計台はとても大きく、荘厳な雰囲気を漂わせていた。まるでずっと昔からそこに立っていて、長い年月を過ごしてきたみたいだ。
俺が時計台の凄さに目を奪われていると、
「慶兄ぃ〜〜〜!!!」
聞き覚えのある声がして振り返る。その名で俺を呼ぶのは1人しかいない。
「朝ッ!!」
「会いたかった〜!」
俺の胸に勢いよく飛び込んできたのは俺の妹、空永朝香だ。元気で明るくて、とても可愛い。
すると、誰かが俺の袖を引いているのが分かった。俺はその方向を見て、その人の名前を呼ぶ。
「久しぶり、夕!」
「お兄ちゃん、久しぶり!」
彼女が空永夕華。俺のもう1人の妹だ。朝香に対して夕華は静かで大人しくて可愛い。
ショウとカンナにも紹介しないといけないな。
「ショウ、カンナ。紹介するよ。2人が俺の双子の妹。朝と夕だ。仲良くしてくれ」
「アサって言いま〜す!よろしくね!!」
「ユウって言います……。よろしくお願いします」
「俺はソラのリアルの友だちのショウだ。よろしく頼むぜ!」
「カンナって言います。よろしくね、アサちゃん、ユウちゃん」
「私は……別に分かるよね?」
「佳純姉でしょ?そりゃ、分かるよ〜」
「久しぶり、佳純ちゃん!」
「2人とも久しぶりだね。私のことはここではハルって呼んで」
「じゃあハル姉だ!!」
「ハルちゃん……?」
「アサとユウはそのままだね」
「うん!慶兄にそう呼ばれてるから」
「私たちで話し合って決めたの」
「アサ……、ユウ……」
ゲームの中でだけど、久しぶりに会った妹たちに慕われていることが知れて、とても嬉しい。今すぐ抱きしめてあげたいが、みんなの前なので我慢する。
「お兄ちゃん、私たち今から試合なの」
「大決闘祭に出てるんだけど、やっとここまで勝ち上がれたんだ。次も絶対に勝つから見ててくれない?」
大事な妹たちの頼みだ。断るわけにはいかない。それにトッププレイヤーの戦い方を見れるいい機会だ。しっかり参考にさせてもらおう。
「ああ、当たり前だ!」
「じゃあ行こ」
「皆さんも是非来てください!」
こうして俺たちはアサとユウの試合を見るため、大決闘祭の試合が行われる闘技場に向かった。
連載20回目です。
ついに双子の妹と会ったソラ。その実力やいかに...。
次回は続きとなります。
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