ボスモンスターを倒してみよう2
作者、体調不良により更新が遅れました。すみません!
精霊武器を見つけた俺たちはボス部屋に向かった。ここのボスは狼型のモンスターらしい。
「なるべくハルに前衛を任せるから」
「分かった」
「でもソラには遠距離攻撃の手段は無いんじゃないか?」
「まあ、見てろって」
「?」
ボス部屋の扉を開けて中へと進む。扉が閉まると、部屋の中央が光り出してボスモンスターが現れる。
トルネードウルフと頭上に表示されたそのモンスターは出現すると同時に高らかに叫んだ。
「グルルルァァァァァ!!!!」
「うわ、本当に狼みたいだね」
「そりゃ、狼型のモンスターなんだし当たり前だろ」
「まあ、狼よりはだいぶ大きいけどな。っと、来るぞ」
「ハル、任せたぞ」
「オッケー!」
ハルは勢いよく飛び出してトルネードウルフに斬りかかる。トルネードウルフはその攻撃をいとも簡単に躱した。そして右手を振り上げて、ハルに大きな爪で攻撃しようとする。
「嘘でしょ……!」
ハルは咄嗟に両手を前に構えて防ごうとする。だが、そんなことする必要はない。あの上半身装備には特殊効果があるからな。
ガキィィィンという音とともに、トルネードウルフの爪が弾かれ、血が飛び出す。よく見ると、ハルの体に風が大きな音を出しながら纏われていた。
「あ、そういや物理攻撃反射だったっけ」
「いや、忘れんなよ。自分の装備だろ?」
「うーん、まだ慣れないからな〜」
「ハルさん!次来ますよ!」
トルネードウルフが再び叫ぶと、奴の周りに大きな竜巻が3本も発生した。どうやらボスモンスターもスキルを使うらしい。
「ちょっ、やばくないッ!?」
「たしかに少しやばいな……ショウ!自分で避けれるか?」
「ああ、俺なら大丈夫だ!」
「よし!」
俺は全力で走ってハルの元に向かう。そしてハルを抱きかかえる。
「え、ちょっ!ソラ!?」
「ごめん、ちょっと我慢してくれ」
その瞬間、トルネードウルフが頭を下げる。すると、3本の竜巻が一斉に襲いかかってきた。
「やばい!来ちゃったよ!」
「大丈夫だ。俺を信じてくれ」
俺は二つの予測をする。一つは竜巻の進路。これはなんとなく分かる。竜巻の渦が右回りなら左に膨らみながら、左回りなら右に膨らみながら進んでくるからだ。この3本は奴から見て一番右は右に、一番左は左に、真ん中は左に膨らみながら進むので、右前方に間が空くことが分かる。
もう一つは次のトルネードウルフの攻撃だ。今、奴は微動だにしていない。奴はスキル攻撃の時には叫んで発動する可能性があるので、ひとまずはそれを基準にして考えていいだろう。
まず俺は竜巻が膨らんだ瞬間に、空いた空間を空蝉で抜ける。そしてそのまま走り、トルネードウルフの目の前まで向かう。
「ねえ!もう大丈夫だから!ソラ、どこまで進むの!?」
「もう少しな」
まあ、そこまで近づけばトルネードウルフが黙っているはずもなく、右手を振り上げた。おそらく爪攻撃だろう。
軌道はさっき見た通りだと予測し、奴の後方に回避する。
俺は回避した先でハルを降ろした。
「ハル、頑張れよ」
「え、ちょっ、急すぎだって!も〜〜!」
ハルはやけくそと言わんばかりに攻撃を開始する。対して俺は速やかにその場から離れる。俺は今回試したいことがあるからだ。
腰から光の精霊剣を抜き、新たなスキルを発動する。
「フラッシュブースト!」
フラッシュブースト:光属性の斬攻撃。任意の場所まで斬撃を飛ばすことができる。
光の精霊剣から眩しいほどの光の斬撃が放たれる。それは見事にトルネードウルフの右脇腹に直撃した。普段の速さなら避けられていただろうけど、今はハルが攻撃しているため避けれなかったのだろう。
フラッシュブーストは遠距離用のスキルとしてはなかなかの威力だということが分かった。これからも使えそうだ。
今の攻撃とハルの与えている攻撃でHPが半分以上は削れている。それもこれも各方向から攻撃しているため、トルネードウルフの本来の機動力を奪えているからだと思う。
「フラッシュブースト!」
「ブレイズシュート!」
「スラッシュ!」
三方向から一斉にスキル攻撃を発動する。決して示し合わせたわけではないが、全員が同じ判断をしたのだ。
「グギャォォォォォ!!!」
トルネードウルフのHPが残り少しのところまで一気に削ることができた。あとはハルの攻撃で削れるだろう。
「いけ!ハル!!」
「やぁぁぁ!!!」
ハルの一撃でトルネードウルフのHPが尽き、光となって消えた。無事にボス戦をクリアすることができたようだ。
「やった!!倒せたね!!」
「ああ、やはりハルのアビリティは強いな」
実際、俺とショウはそこまでダメージは与えていない。せいぜい3分の1程度だろう。残りは全てハルが削った。これもアビリティと風の精霊短剣の力だろう。
「ふふーん、いいでしょ!」
「ああ、俺のアビリティの次にな」
「いや、確実にお前のアビリティよりはいいと思うぞ」
「それは人それぞれだろ?俺にとっては空蝉が一番だ」
「まあまあだな」
「まあまあだね」
「好き勝手言いやがって……。今に見てろよ!俺の空蝉がすごいってことを証明してやる!」
「まあ、頑張れよー」
それから俺たちは現れた魔法陣でダンジョン入り口に戻り、そのままビギンへと帰った。ハルはもう終わると言うので、俺も一緒に終わることにした。何はともあれ、今日突然の誘いにも来てくれたショウには感謝だな。
◇◇◇
ログアウトしてリアルに戻ってきた時、時刻はもう3時半になっていた。紗希は勉強疲れで眠っていたので、俺と佳純は相談してもう少し寝かせておくことにした。
ひとまず俺たちは腹が減ったのでお菓子をつまみながら、ゲームの話をした。その話で妹たちの話題が出てきたので、忘れないうちにゲームを始めたことをメッセージで送っておく。
5分も経たないうちに返信が返ってきた。早速明日遊ぼうとのことだ。明日も特に用事はないのでOKと返信しておいた。
そうして話し込んでいたらもう5時になっていた。楽しい時間は過ぎるのが早いな。
「あー、もう5時か。そろそろ帰ろうかな」
「そうか。なら紗希を起こさないとな」
「そうだね。紗希ー、帰るよ」
「ううん……もうちょっと……」
「ほら、帰るよ!」
「やだぁ……」
「はぁ、本当この子は寝起きが悪いんだから」
「昔からそうだったな」
「全然治んないのよ」
「しょうがない。俺が連れてくよ」
俺は紗希をおんぶする。佳純は何故かムッとした顔になっていたが、理由を聞いても教えてくれなかった。
こうして俺は佳純と紗希を家まで送った。俺は佳純とまた遊ぶ約束をして家に帰った。
連載19回目です。
ダンジョンのボスモンスターを倒したソラたち。ハルのアビリティと風の精霊短剣のコンボはやはり強かったようです。次回はソラの妹たちと会うことになります。
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