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ゲームの基本を教えてみよう



 俺はビギンで佳純が来るのを待っている。もう少ししたら初期設定を終えて、ここに来るはずだ。


 と、すぐ近くに初期装備の女の子が現れた。もちろん佳純だ。



「よ、よう、佳純」


「ん?んん?慶?」


「ああ、そうだ。でも、ここではソラって呼んでくれ」


「う、うん、分かったよ、ソラ」


「佳純はなんて名前にしたんだ?」


「私はハルにしたよ。だからハルって呼んでね」


「ああ、分かったよ、ハル」


「よし、じゃあ今からどこに行く?」


「まずはアイテムを買うところからだな」



 俺たちはベルの店に向かった。ベルに事情を話すと、今度俺が道具の素材収集に付き合うことで、今回のハルのアイテム代を半額にしてもらった。これは致し方ない。


 その後はショウに教えてもらった秘伝の狩場で一緒にモンスター狩りをした。バレーボールで鍛えた身体能力を生かしてどんどん倒していた。現実のことがゲームでも役に立つのはVRゲームの良いところだな。


 狩りをしているときに、俺はこのゲームで一番重要なことについて聞き忘れていたことを思い出す。



「なあ、ハル。アビリティって何だった?」


「アビリティ?……ああ、最初にルーレットで選ばれたやつね。私はね〜、えーと、ちょっと待って」



 ハルは画面を操作してアビリティを確認する。



「うーんと、戦乙女(ヴァルキリー)だって」


「……うん、分からん!」


「じゃあなんで聞いたの」


「まあ、俺でも分かることはあるかなって」


「だいぶ雑ね。張谷くんなら何か知ってるんじゃない?」


「そうだな……。ちょっと今からゲームできるか、連絡してくる」


「じゃあここで待ってるね」


「りょーかい」



 俺は一度ゲームを抜けるためにビギンへと戻った。ビギンでは今、大決闘祭での話題で持ちきりだ。大決闘祭というのはビギンから少し離れた大都市リレギオンで行われているプレイヤー同士の対戦大会だ。


 中でも注目のプレイヤーがいるらしく、炎と雷の2種類の魔剣を持つプレイヤーや二人組の息ぴったりの女子プレイヤーがとても強いとのことだ。


 まあ、俺には関係ない話なのでさっさとログアウトをする。



 ログアウトすると、紗希は勉強をしていた。とても集中しているようだったので声はかけなかった。


 祥吾に連絡を入れると、『すぐに行く!!』とのことだったので、俺もすぐにログインした。



◇◇◇



 ショウが来てからハルのアビリティのことを聞いた。



「うーーん、俺ですら聞いたことないな……。もしかしたらとても珍しいアビリティかもしれない」


「うーむ、これは試してみるしかないな」


「試すって?」


「たとえば敵を攻撃したり、躱そうとしてみたり?」


「そんなことしなくても、メニューのアビリティ欄を見れば詳しく書いてあるぞ?」


「そ、そうなの?」


「は、はい!そうです、ハルさん!」


「俺と態度が違いすぎないか?」


「うるさい、気にするな」


「もっと俺にも尊敬と羨望の心を持って接してくれ」


「絶対やだ!」



 ショウの、俺への対応とハルへの対応の差に不満をぶつけていると、ハルが大きな声を上げた。



「あ、ほんとだ!書いてあるよ!」


「ほらね。てか、逆にソラは知らないのか?」


「俺のアビリティ欄には何も書いてないぞ」


「うーん、ありきたりなアビリティすぎて説明は不要にされたとか?」


「そんな扱いなのか!?」


「まあまあ。それで、ハルさん。アビリティの説明をしてくれますか?」


「う、うん。『全ての攻撃を2〜5回の多段化にする』って書いてあるよ」



 多段化か……。まったく意味が分からないな。まあ、でも2〜5回ってことは攻撃回数を増やす的な意味だろうか。


 そう考えていると、ショウが口を開けて、わなわな震えていることに気付いた。



「ショウ、どうしたんだ?」


「は、は」


「「は?」」


「はぁ〜〜〜〜!!??なんだよ、そのアビリティは!?運営もとうとう頭がおかしくなったのか!?」


「……すまん、言葉の意味が分からん。詳しく説明してくれ」


「私もお願い」


「……通常は1回剣を振るえば1回の攻撃が放たれる。だが、攻撃が多段化すると1回剣を振るえば複数回の攻撃が放たれるようになるんだ」


「なるほど……。そういうことか」


「え?え?私には何がすごいのか全然分からないんだけど」


「まあ、簡単に言うとスゴロクで普通は一回しかサイコロが振れないけど、ランダムで2回から5回振れるようになるってことだな」


「それってやばくない?」


「だからさっきから言ってんじゃん」


「まあ、今は武器が初期武器ですし、スキルも全然ないので効果は微妙かもしれませんけど、ある程度強くなったら実感が湧くと思いますよ」


「そうだね〜。カッコいい武器とか欲しいな」


「よし、じゃあ取りに行くか」


「え?」


「ソラ、お前まさか……」



 実はハル――佳純がゲームを始めると知った時に考えていた。彼女にはこの武器を使ってもらおうかと。



「ああ、もちろん精霊武器だ!」


連載17回目です。


ハルにゲームについて色々教えたソラ。でも結局、ショウを呼ぶことになりました。爪が甘いですね。次回は続きとなります。


もし面白いと思っていただけたら、応援、評価、ブクマ、よろしくお願いします!

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