7話 パパとママの物語
前回のあらすじ:
メイが小説を読んだ。
小説の改善点が見つかった。
アリのお母さんの名前を4話で紹介しましたが、【ヤヨイ・キタサト】に変更しました。
ママは、メイのお母さんの名前にしました。
ツイッターでいろんな人に宣伝しちゃって、読んでくれた人がいて、感想もらって嬉しいです。
ブックマークや評価もありがとうございます!!
ボクとアリは、メイの家でオムライスをご馳走になった。
「もう、メイが呼びに行ってから、戻ってくるのが遅いから、ちょっと冷めちゃったわよ」
そう言って、ママさんが食卓にオムライスを並べてる。
ママさんは、メイのお母さんだよ。ママ・キタサトって言うんだ。そのまんまだね。
ご近所さんも、大賢者さまも、みんなママって呼ぶから、ちょっと面白いよ。
「ボク、猫舌だから、冷めてるくらいが丁度いいよ」
「……あったかい、方が良い。魔法で、チン、する……」
「メイもこのまま。やけどしたくない」
「カレンは、チンしてー」
ボクの目の前に運んでくれたのは、メイのお姉ちゃんのカレンだよ。
赤みがかったショートボブで、ちょっと癖っ毛なのかな?
こないだ7歳になったばかりなのに、お手伝い偉いね。
「……カレン、手、繋いで、一緒に唱える……」
「「魔法で、チン!」」
……ポフン……
勇者世界では、温める時に、チンするっていうらしいよね?
この温める魔法は、ホントはこんな呪文じゃ無いんだけど、アリのお母さんの口癖だったんだって。
おかげで、一族みんな、魔法で、チンだよ。なんだかおかしいね。
「おっ、もう朝ご飯かぁ?」
「パパ、おはよー」
「もー、朝じゃなくて、お昼ご飯だよ」
ボサボサの頭をかきながら、大きなアクビまでしてる。ちょっとだらしない。
この人は、カレンやメイのお父さん。ママさんの旦那さんで、名前はパパ。
「朝飯、食べ損なっちゃったなぁ……」
「パパ、ぼうけんしゃなの?! かっこいいの?」
「冒険者だとかっこいいのか?」
「うん! でも、ねぼうしたらメタになっちゃうよ」
「ほう、メタになれるのか。それは光栄だねぇ」
「パパのおならも、くさくなるよ」
パパさん、光栄だなんて、ボク嬉しいよ。
あと、おならの話はスルーしよう…… 明日、ユメを見たら、忘れてくれるよね?
「パパ、今日の玉子は、カレンが取ってきたの。ニワトリの係になったから」
「お、そうか。偉いなぁ。当たりは見つかったかい?」
「無かった。それから、一個、途中で落として割っちゃった……」
「そっか。そういう時もあるさ」
パパさんは、カレンの頭を撫でた。
カレンはちょっと、嬉しそう。優しいパパさんのこと、好きなんだね。
パパとママって名前の夫婦って、マンガみたいって思うよね?
ボクも、初めて聞いた時は、驚いたもん。
実はこれ、偶然じゃないんだ。
アリのお母さんは、有名な転生勇者で、何度もこのアーステラと勇者世界を生まれ変わってるって話したよね。
生まれ変わるのは、子孫の子供の確率が高いんだ。
勇者の本を預かってるアリは、なんとなくで、ママさんにママってつけたんだけど……
世間では、勇者の母親の誕生って話題になっちゃったんだって。
そして、勇者の母親と結婚して、勇者の父親になるのは誰だ? ってなったんだ。
その結果、貴族やら大商人やら、世界中で産まれて来る男の子に、パパってつける人が増えちゃって、この世はまさに、パパだらけ! 大パパ時代!!
ここで、事件が起こったんだ。
有力貴族の伯爵さまの子供のパパちゃんが、暗殺されたの。
犯人探しと自分の子供のパパちゃんが次は狙われるんじゃって、疑心暗鬼が蔓延して、世の中大混乱。
そこで、この世界で一番大きな帝国の皇帝の孫が産まれた時、その子にパパって名付けて、許嫁にしちゃったんだ。
もちろん、条件付き。ママが大きくなって、他の誰かを好きになったら、その人と結婚するってね。
世界中のパパちゃん達は、ママを射止めようと英才教育で優秀な子達だらけになってった。
そんなパパちゃん達と結婚させたいと、今度は、女の子にママってつける人のブームがおこって……
ママが都の学園に通う時には、クラスメイトの名前が、パパくんとママさんだらけだったって。
学園で、パパとママは出会い、恋をして、今、家族になっている。
「ねぇ、ママ、どうしてこんなにだらしないパパと結婚したの?」
カレンの疑問も最もだよね。良い男をよりどりみどりだったハズなんだもん。
「そうねぇ…… ママはね、田舎娘だったのよ。周りの娘達はみんな素敵でね。だから、パパ以外は、話もあまり出来なかったわね。」
「そうなんだ。やっぱり、ココって田舎なのね……」
「それからね、パパってば、あまりにもだらしないから、ママが居ないとダメだと思ったのよ」
あーこれ、良い男ばかりだと、ダメな男に惚れちゃうヤツだ。
ママさん、乙女だったんだねぇ……
「違うぞ。ココは田舎じゃない。賢者の塔の聖域だ! そして、ママもお前たちも、田舎娘じゃないぞ」
パパさん、ちょっと真剣だ。
「ママはね、賢者の巫女だったから、浮世離れしたとても魅力的な人だったんだ。男共は、みんな怖じ気づいたのさ。許嫁のパパ以外はね」
ねぇ、アリ、ボクにはパパさんとママさんのエピソードを小説にしたほうが、人気出る気がするよ。
とっても素敵なお話になると思うんだ。
みんなも、読みたいんじゃないのかなー……
あれ? パパさんとママさん、見つめ合ってるよ。なんか、二人の世界?
うん、これからお昼ご飯食べるんだけど、先に、ごちそうさまって言いたい気分だよ。
読んでくださり、ありがとうございます。
毎日更新をするぞーって息巻いて、新年にスタートしましたが、三日坊主ネタをしたら、更新を毎日出来てないですね……
9日なのに、7話の投稿です。
でも、コツコツ書きます。
8話は、もう出来てるので、朝に投稿したいと思います。
2000文字を目安にしてるつもりなのに、書き上げると4000文字超え。
キリのいい所で、分割するってのを、続けてる気がします。
少しでも面白いと思ったら、ブックマークや評価、感想コメントをしてください。
とってもはげみになります。
また、誤字脱字、文章の書き方が変だ等ありましたら、ご教示ください。
よろしくお願いします。
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