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17話 収納魔法

 前回のあらすじ:


 小麦粉まみれ。



 お待たせしました。

 設定だらけなのを、楽しんで下さい。






 ボクとアリとクレアさんは、しばらく貯蔵庫で小麦粉オバケごっこをした。

 棚の間を、オバケの気分で練り歩いてみた。

 クレアさんが陽気な歌をうたってくれて、みんなでオバケダンスを踊ったりしたんだ。

 すっごく楽しい。

 クレアさんは、歌がとっても上手だ。ダンスも魅力的。

 ボクは、リズム感もバッチリだよ。踊りだって、得意だからね!

 アリは、クレアさんの動きを、真似てるね。ちょっと遅れ気味。

 手の振りを左右逆にして、あわてて戻したり、追いつけなくて、少し固まってたり。

 そんな仕草も、アリらしくって、可愛いんだ。

 みんなもいたら、一緒に踊れたのにね。ざんねんだよ。


 でも、食べ物で遊んじゃダメだよね。

 もしも、カレンやメイたちが、小麦粉で遊んでたら、絶対に注意するところだもん。


  ぐうううぅ〜


「……メタ、おなか、なった……」

「うん、ボク、お腹ぺこぺこだよ」

「ふふっ、私も、お腹減っちゃったわ〜」


 またお昼と同じように、アリのお腹がなったのに、ボクの所為にされちゃった。

 アリは、女の子だもんね。恥じらいだよね。


 床に撒いちゃった小麦粉の床に触れてない部分だけすくってから、さっきの魔法陣で床掃除をした。


「「床ピカお掃除、きれいきれい」」


 クレアさんは、3回ほど分裂させるのに失敗して、結局、アリと一緒に唱えてた。

 やっぱり、なかなか難しい魔法みたいだ。

 クレアさんは、魔法陣をつまみ上げて、術式の確認に余念がない。


 結局、ボクらの夜食は、小麦粉とバターを使って、サブレを焼くことにしたんだ。

 元々、クレアさんが化物に変身する前にも、作ろうとしてたらしい。

 砂糖たっぷりでサクサクで美味しいおやつなんだよ。


 クレアさんが手をかざすと、魔法陣が現れて食材が吸い込まれる。

 空間魔法の収納ってヤツだね。スゴい便利だよ。

 どこかわからない亜空間に物をしまえるんだ。

 その収納空間では、この貯蔵庫と同じく時間が止まってるんだって。

 空間魔法は、相当高度なはずなんだけれども、ホント、クレアさんは、色んな魔法が使えるんだなぁ……


 必要な材料が全てそろったので、ボクらは階段を上って調理場へ戻る途中、気になったコトを質問した。


「ねぇ、玉子とか果物とかって、時間が止まってるの?」

「あ〜、玉子はね、無精卵なら止まるのよ〜。果物は木から捥いでれば止まるし、葉野菜は葉っぱだけにするの〜。根野菜は泥を洗って落としとくのよ〜」

「保管するにも、ただ入れればいいんじゃ無いんだね」

「種に関しては、色々ね〜。果肉に覆われてるのは、果肉の時間が止まると種も止まってるみたいだし〜。お米や麦は、籾殻をとるでしょ〜。トウモロコシなんかは、熱を通してからがオススメよ〜」


 あれれ? ボク、ちょっと、主婦の琴線ってヤツに触れちゃった?

 クレアさんってば、饒舌になってきちゃったよ……


「お酒や、味噌、醤油、お漬物に納豆。チーズやヨーグルトなんかの、発酵食品ってわかる? 目に見えないくらい小さな細菌などの微生物が働いて食材を分解して美味しくしちゃうの〜」

「なんか、聞いたことあるけど、よく知らないんだよね」

「……細菌や、微生物の、知識は、勇者世界から、きた……」

「貯蔵庫や収納魔法の中では、その発酵ってのが止まるのよ〜。でも、外に出すと、また、発酵が進むの〜」

「へー。そうなんだ。スゴいね……」


 ボクは、とりあえず、相づちを打っておくよ。


「つまりね、細菌や微生物は〜、仮死状態で活動を停止してるのでは〜? って、説が、有力なの〜」

「え? 細菌や微生物ってのは、生き物なの?」

「と〜っても、小さな核があるらしいのよ〜」

「……適さない、環境で、死んだ振り。そういうの、いる……」

「なんか、たくましいね」


 命の神秘を感じるね。ボクより不思議生物かもしれない。


「それが厄介なのよ〜。美味しい食べ物作るだけなら、大歓迎なんだけど〜。風邪やコロリの伝染病も、細菌が原因なのよ〜」

「そ、それって、モンスターより怖いじゃん! 目に見えないから、余計に危険だよ」


 ボクは、貯蔵庫を出てから、得体の知れない何かが蠢いてるような、そんな不安を感じちゃったんだ……ぶるぶる……


「魔力をちゃんと全身に巡回させてれば〜、まず、細菌に負けて病気になる〜、なんてことはないわよ〜

 それに、近頃はアカデミーで、収納空間を利用した医療が出来ないかの研究も始まってるそうよ」

「魔法で体内の菌をやっつけられないの?」

「……できる、簡単……」

「殺菌魔法もあるのよ〜。ただね〜、解毒や解呪魔法と一緒でね〜、毎年、新しい菌に進化してて、対処出来る魔法をその場で組める人は限られてるのよ〜。

 地方の田舎では、医療魔術師の能力も高く無いし、人数も少ないしね〜」

「この里は大丈夫だよね?」

「いっくら田舎だからって、この里ほど、安全な場所は無いわよ〜。逆に、この場所で無理なら、世界中が滅んじゃうわ〜」


 なんか、安心したよ。

 話は脱線しすぎちゃった気がするけれど、空間魔法とお漬物が、医療魔法の分野の研究に役立ってるなんて、なんか不思議だよ。

 思いも寄らないところから、意外な発想って出て来るモノなんだね!


「あれ? そういえば、ボクとアリは、魔法が使えないけれど、細菌は大丈夫なの?」

「……アリは、加護、ある……」

「ぼ、ボクは?!」

「……メタは、帽子。病気に、ならない……」

「メタちゃん、帽子で良かったね〜」

「う、うん……ボク、帽子じゃなくて、ネコだと思うんだけれど、帽子にしとこうかなぁ……」


 ボクは、不思議生物だから、病気にならないことに、決めとこう。

 そういう、気持ちって大切だよね! 病は気からだよ。

 みんなも、インフルエンザが流行ってるみたいだけれど、気をつけてね! うがいと手洗い、早めの通院がオススメだよ。










挿絵(By みてみん)

 最後までお読みいただき有り難うございました。


 考えてたところまで全く進まずに、メタとクレアさんが、話しだしちゃいました。

 作中では、メタが空間魔法って言ってますが、時空魔法が正しいと思います。

 メタが勘違いして覚えてるという設定です。


 植物に核があるのかとか、そういった設定は、もうちょっと煮詰めたいところです。

 種に核があるってだけなら、すっごい楽なのですが……

 ジャガイモさんが問題なのです。

 種芋から、芽が出て育つでしょ。あいつら……

 どう、説明付けたらいいのやら……

 たぶん、アーステラの世界でも、解明されてない謎で、研究対象なんだと思います。


 貯蔵庫に作物を保管するよなーとか、発酵食品を保管して菌が死んじゃったら、残念だよなーとか。そんなことを考えながら、人々にとって、すごく便利になるのが魔法だと思って、こんな設定になりましたw

 たぶん、ツッコミ所は山ほどありそうですが、そこは、魔法なので!ってことで?


 医療魔法については、医療にそれほど詳しく無いので、あまりつっこまないようにしたいですw

 魔法がある社会は、魔法によって、色々な発展があるのでしょうね。


 ほんと、魔法には、想像力を駆り立てまくられる毎日です。

 そして、執筆が遅れる……


 次回は、完成してるので、また、早めに公開出来たら良いなと思いつつ、先を書かねば〜です。



 どうか、少しでも面白いと思ったら、ブックマークや評価、感想コメントをしてください。

 とってもはげみになります。


 また、誤字脱字、文章の書き方が変だ等ありましたら、ご教示ください。

 よろしくお願いします。


 イラストの感想も、いただけたら嬉しいです。











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