相談会話
「冬月、女の子ってどういうことすると元気が出るんだ?」
「え、私は美味しいもの食べる時が1番元気でますけど他の方もそうなのかは分かりませんね」
食べ物か……
家だとあまりいい物を食べさせてやれてないからいい案かもしれないな。
「桂木はなんか無いんか?」
「私は読書してる時が1番楽しいかしら」
「読書はちょっと参考になりにくそうだな。弓月のやつ読書は苦手だし」
「あれ、残念ね。読書って楽しいと思うのだけど」
それに関して同感ではあるが、俺でなくて弓月に楽しんでもらう必要がある。
冬月も桂木もあまり休日に出かけないタイプな用で参考にするのが難しい。
「まぁそれに関してはもう少し悩むとするか。というか俺って次の休みいつか知らないか?」
「……先輩は多分いつでも許可貰えますよ」
目を細め、睨むようにじっと俺の事を見てくるがそんな顔される様なことをした覚えがない。
隣では桂木もため息をついて俺の事を見ていた。
「あなたね、いつ疲れを取ってるのよ」
「そんなのしっかり寝てればすぐとれると思うが」
「……先輩、無駄に生活習慣いいですもんね。朝も4時とかに起きてるんでしたっけ?」
「あぁ、そうだが。朝に稽古するしか時間を取れないからな」
「……とりあえず山川君がおかしいってことはよく分かったから。それで、休み1日使って妹さんを元気付けようって魂胆なのね」
何故だろう。
俺の生活サイクルはそんなにおかしいのだろうかと疑問に思ったがあまりにも呆れられているところからまともな回答は求められないだろう。
「まぁそんなところだ。まずは報告書の方をまとめてからになるだろうがな」
「でも先輩が休みを取ろうって気になったのはいい事だと思いますよ」
「そうね。たまには仕事を忘れてしっかり休日を過ごしなさいよ」
そう言うと桂木はこの場を去っていった。
桂木が去った後、どこか視線を感じその方向を見てみると何人かの男性捜査官がこちらに鋭い視線を向けていた。
「……またか」
「桂木さんモテますもんね」
「女性からの人気もあったよな。ただ友人として話してるってのにこうも妬まれるのは困りもんだよ」
大きくため息をつき、右手で後頭部を掻きむしった。
警察学校時代も桂木と話した後はこのような状況になっていた。
今の今も変わらないというのはすごいと思う。




