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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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嫌な幕下ろし

投稿遅れてしまい申し訳ありません

そしてブクマ2件ありがとうございました!

 影崎に取り押さえられ、しばらくの間は暴れていた金子だったが、観念したのか大人しくなった。

 仙道と共に身柄を拘束し、パトカーへと向かっていた。

 俺は金子に対し、気になったことを質問した。

 

「……あの場で何をするつもりだったんだ」


 金子は俺の問に答えることはなく、ただ黙ってついて行くだけだった。

 その後、取り調べを行うのは夜が明けてからとなり、俺たちは各々の自宅へと帰った。


 自宅の前に着いた頃には時刻は3時となっていた。

 この時間であれば仮眠だけになってしまいそうだ。

 弓月が寝ているはずだから起こさないよう静かにしておかなければならない。

 静かに玄関の戸を開き、中へはいるとリビングから明かりが漏れていた。


「……兄さん?」


「なんだ、起きてたんか。あまり夜更かしするのは良くないぞ」


 そう言って荷物を下ろし、ジャケットをハンガーにかけた。

 弓月はというと不安そうに俺を見ており、何か言おうと口をパクパク動かしているだけだが言葉が出ないようだ。


「安心しろ、犯人なら捕まえた。俺だって特に怪我をした訳じゃない」


 その言葉に安堵したのか弓月は息を漏らした。

 安堵からか急にウトウトし始め、大きく欠伸をひとつ。


「そこで寝たら風邪ひくぞ。もう大丈夫だから寝るんだ」


「……うん」


 そう言って弓月は部屋へと戻っていった。

 ……にしても、ここまで心配され汐らしくなっている辺り、まだかなり引きずっているのは明白だ。

 あっちに戻るのは来週か……

 そんなことを考えながら俺も一休みすることにした。



 翌日、金子白愛と仙道萌の取り調べが行わることになった。

 取り調べは俺と冬月の2人ですることになり、外部から荒巻警部が監視して何かあったら駆けつけてくれることとなっていた。


 のだが……

 結論からいうと取り調べは行えなかった。

 理由は警察署に着いた頃には金子と仙道は亡くなっていたのだ。

 2人とも白目を剥き、口には血の跡が残っており部屋は血の匂いが充満していた。


「……なんだこれ」


 床に広がった大量の血溜まりに驚きと動揺を隠せない。

 一体なぜこのようなことになってしまったのか……


「どうしたの? あなた、これから取り調べ……」


「桂木、今すぐ警部を呼んできてくれ。一応冬月も頼む」


「……分かったわ」


 そう言って桂木はすぐに荒巻警部と冬月を呼びに行ってくれた。

 俺は部屋に入り、状況を確認する。

 2人の死体があるからというのもあるかもしれないがそれとは別に嫌な雰囲気がどこからか感じてくる。


 調べたところ死因は内臓破裂による出血多量ということになったが原因がイマイチ分からない。

 俺の中では1つだけこの件に関わっている人物の姿が浮かび上がったがこれについても話せることではない。


 また、もしかすればあの少年なら何か知っているかもしれないがどこにいるか分からない。

 少なくとも俺たちを見ているんだろうとは思う。


 今回の事件、世間では『看護師が患者と職員を殺害し、自ら命を絶った』とされ、謎多き事件として幕を降ろしたのであった。


 第5章『悲嘆に蠢く狂願』いかがでしたでしょうか?

 人によっては終わり方に不満を持つ方がいるかもしれませんがシナリオの都合ですのでご了承ください。

 来週日曜日から新章を更新していけるよう努めますのでどうかお待ちください!

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