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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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逮捕

 捕らえられている仙道は俯いたまま何も話すこともなく、大人しく着いてきているようだ。

 影崎が1つ大きなため息を着くと俺を見て悔しそうな表情を浮かべた。


「全く、お前の言う通りになるなんて癪だ。本当にいやがったんだから」


「……可能性の話だ。共犯者がいるなんてことよくあるだろ」


「……ちっ、んでもう1人も追い詰めてるっていったところっぽいな」


 影崎は金子の方を向き、睨みつける。

 元々目付きが悪く、睨まれでもしたら大抵の人は少し怯んでしまうことだ。

 しかし、金子は怯むことはなく寧ろ慌てている様子が見て取れた。


「あぁ……けんちゃんごめんね……ごめんね……」


 金子は震えながらその場で誰かに謝り続けている。

 子どもの名前なのか、夫の名前なのか俺には分からないが再会出来ないことに酷くショックを受けていることだけは分かった。

 それでも、他人の命を奪っていい訳では無い。

 俺は金子の前まで歩み寄り、脱力しているその腕を掴んだ。


「金子白愛、殺人の容疑で逮捕する」


「……めて」


 金子が何か呟くと同時に嫌な予感がする。

 勢いよく腕を振り解かれ、金子は俺たちに睨む。

 その目には光が宿っておらず、狂気に満ちた目をしていた。


「やめて、私の邪魔をしないで! 私たち家族の幸せを邪魔しないで!」


 そう叫ぶと座り込んでいる冬月に向かって走り出した。

 俺は慌てて制しに行こうとするも突然何かがぶつかってき、その場に倒れ込んでしまう。

 見ると仙道が一緒に倒れており、仙道の仕業である事が分かる。

 俺はすぐさま起き上がるも金子が冬月の首を絞め、襲いかかっている姿を目撃する。


「返せ、返せ!」


 俺は急いで冬月の元へ行こうとするも仙道が手錠をかけられた手で器用に俺の足を掴んでいる。

 このままでは不味い……


「影崎! 頼む!」


「ちっ、言われなくても」


 そう言った頃には金子の後ろに既に達していた。

 金子の肩を掴み、後方に引き剥がすよう勢いよく引っ張る。

 金子は後方へ倒れ、すかさず影崎が取り押さえた。


「ケホッ、ゴホッ、か、影崎さん助かりました」


 一度冬月を見るがすぐに金子の腕を後ろに引き、手錠をかけた。

 金子は激しく抵抗し、暴れている。


「離して! まだ私にはやらないといけない事が!」


「大人しくしやがれ! 午前0時57分、殺人の容疑及び公務執行妨害、暴行の現行犯で逮捕する!」

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