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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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再び社

 話を聞いた後、少し落ち着いてから我孫は仕事へ戻った。

 再び俺と冬月の2人だけが部屋に取り残されることになった。


「……なぁ冬月。どう思った」


「あまり考えたくないのですが……次狙われるのは我孫さんと思いますね。悪夢の内容も気がかりです」


「同感だ。もしかしたら他の患者も夢の中で殺され、それが現実となった。なんてことが推測されるな」


 だが、この犯行はいつまで続くのだ?

 複数人の命を奪っているが目的が分からない。

 分かるとすればもうすぐで夫と息子に会えると言っていた金子が今回の元凶であることくらいだ。


 だが、彼女が実際に手をかけた証拠がない。

 それどころか魔術を使っているなら現行犯で捕まえる以外にない。

 だが、今回が1番の好機。

 我孫が狙われる可能性があるとなれば彼女をマークすればいい話だ。


「あの、先輩。金子がもうすぐ会えるとさっき聞きたと言ったじゃないですか。その話をもう少し前にしていたとしたらそろそろなのでは無いでしょうか?」


「……昨夜で5人目。次かその次辺りといった所か?」


「いえ、確証はありません。もう少し何かヒントがあれば……」


 ヒントのようなもの。

 あるとしたら金子か仙道にあるんだろうが2人とも今日は非番らしい。

 それ以外なら……


「あの社に何かあるか……?」


「社って、先輩が追いかけた際に見つけたというあれですか?」


「あぁ、俺しか見てないし冬月も見てくれ」


「分かりました。案内お願いしますね」


 俺と冬月は部屋を出て例の社に向かうため病院の裏口を出た。

 2回も来ているため流石にすんなりと広場へと辿り着くことができた。

 広場に着くと冬月は辺りを見渡し少し考え込んだ。


「どうかしたか?」


「いえ、病室からこんなところ見えたかなと思いまして」


「冬月もそう思ったか。結界みたいなものでも張り巡らされているのだろうか」


「もう魔術の線が濃くなってますね。というよりかは魔術でしょうし儀式のための生贄に殺されたというのがほぼ確定ですね」


「全くその通りで困ったもんだ。とりあえず奥に行くぞ」


 そう言って鳥居を抜けて奥の社へと向かった。

 鳥居の奥は昼間と同じように小さな古びた社が立っている。

 また、木に貼り付けられた似顔絵もそのままだ。

 冬月は1番にその似顔絵に目をつけた。


「これは……母親の似顔絵でしょうか?」


「恐らくな。この似顔絵を見て金子が犯人ではないかと推測したんだ」


「ですけど確証がないですよね」


「……そうなんだよな」


 あくまで可能性の1つに浮上したにすぎない。

 実行犯が金子である証拠になる訳では無い。


「先輩、社の中は見たのですか?」


「いや、見てなかったな。色々とあってな」


「それじゃあ……開けさせてもらいますね」


 俺が頷くと冬月は社の戸に手をかけた。

ブクマありがとうございます(*´ω`*)

それと年末年始スペシャルということで今日から3日まで毎日更新していこうと思います!

どうぞよろしくです!

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