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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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謎の女性

ブクマ2件、感想、レビュー頂きました!

ありがとうございました!

執筆の励みになっております(*´ω`*)

「……これは子どもの描いた絵か? でもどうしてここに」


 この絵を見る限りでは幸せな日常が伺える。

 それと同時に家庭を持っている……いや、持っていた人物が1人頭に浮かんできた。


「……金子白愛。彼女は確か半年前に事故で家庭を失っていたな」


 昨日の段階では仙道が犯人だと思ったがそうでは無いというか?

 ならあの怪しい行動、冬月が聞いたというあの発言は一体?

 あまりに仙道の動向は怪しすぎるが彼女と金子には接点がある。

 俺たちの捜査を掻き乱すミスリードとでも言うのだろうか?


 疑問は増える一方だ。

 だが、金子については調べる必要がありそうだ。

 ポケットから携帯を取り出し、桂木に電話をかけた。


『もしもし、山川君どうかしたの?』


「あぁ、悪いんだが金子白愛についてもう少し詳しく調べること出来るか? 例えば……半年前の事故後とか」


『仙道萌についてはとりあえずいいのかしら?』


「そっちは後だ。俺の予想が正しければ仙道は今回の事件、直接は関わってないだろうからな」


『それはどういう……?』


 桂木は疑問に思ったのだろうと俺に問いかけてきた時、少し離れたところから人の足音が聞こえてきた。


「悪い、後でかけ直す」


 そう告げ、俺は気配をできるだけ消して物陰に潜んだ。

 暫くすると1人の若い女性がこちらに歩いてきた。

 その女性は思わず見とれてしまうほどの美女で、黒いワンピースを着ており長い黒髪に理想に限りなく近い身体のラインをしていた。

 でも何故そんな人がここに来るのだろうか。

 様子を伺っていると女性は社の前に立ち、目をつぶって立ち尽くした。

 しばらくすると小さく頷き、微笑を浮かべた。


「ふふっ、そちらの方はこんな所で何をしてるのかしら?」


 そう言って俺が隠れていた物陰の方を向いた。

 息を殺し、気付かれない様にしていたというのに……

 俺はこのまま隠れても仕方ないと思い女性に向き合うように姿を見せた。


「これは失礼しました。こんな妙な所に人が来るなんて少し怪しいと思ってしまったもので」


「あら、それはお互い様でしょう。あなたこそこんな所に何の用だったのかしら?」


「こちらは少々調べることがありましてね。その結果この場所に至ったという訳です。そちらこそどのような要件があったのでしょうか、そんなこの場所に不釣り合いな格好で」


 手持ちは何も無く、格好もワンピースとこんな雑木林に入るには向いていない格好をしていることに強い違和感を覚えた。

 女性は不敵な笑みを浮かべると俺の事をジロジロ見回した。


「うふふ、貴方も同じみたいね。面白い」


「……どういう意味だ」


「お気にならさず、それじゃあ失礼するわねイケてる刑事さん」


 そう言って女性は元来た道へと歩いて行った。

 呼び止めて詳しく聞こうとも思ったが何故かそうする訳にもいかなかった。

 ……あの女性は一体何者なのか?


 女性の姿が見えなくなり、さらに時間が少し経った頃ようやく病院に戻るため雑木林の中を歩いていくのだった。


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