惨殺死体
「……これは酷いな」
部屋の扉を開き、目に映ったのは首に鋭利な刃物で切られた痕があり、そこから血が大量に流れていたのだろう女の子の死体が床に倒れていた。
しかし、時間がかなり経っていたためか変色してしまっている。
また腹部の傷も酷いもので、ぐちゃぐちゃに切りつけられ、思わず目線を逸らしてしまう。
一見すれば首の傷だけで致命傷のはずが何故腹部を滅多に切っているのだろうか。
部屋からは腐乱による悪臭で満ちており気分が悪くなりそうだ。
一緒に現場に来ていた警察官二人も顔を顰め、苦痛の表情を浮かべている。
無理もない、こんな異臭がし残酷な姿の女の子を見たら誰でもそうなってしまう。
だが、ここはしっかりと指揮を取らないと何も動かない。
「……とりあえず応援の要請を頼みます。それと部屋に誰も入れないようしておいてください」
「わ、わかりました」
警察官二人がバタバタと部屋から出ていき、それぞれの作業にはいっていく。
部屋に残った俺は遺体に近づき状態を確認した。
近くで確認してみると、首の方は最初に見た通り鋭利な刃物で切られただけだが恐らく死因であろう。
また、腹部の方に関してよく見ると内蔵が露になっており、それらも滅多切りにされている。
次に部屋の様子を見ても荒らされた形跡がまるでなく、きれいに整理されており、強盗殺人でないことが分かる。
つまり、犯人は被害者の首を凶器である鋭利な刃物で切り、絶命寸前あるいは絶命してから滅多切りにしたのだりう。
どちらにせよ酷いものである。
机の方を見てみると封筒が置かれており、宛名には『飯田奈緒子』と書かれている。
おそらく被害者の名前であるとわかる。
また、3人分のコップと空っぽのジュース瓶、食べかけのお菓子が乗った大皿が置かれていた。
しばらく部屋の中を調べたりしていると、外からサイレンが聞こえてきた。
ようやく 呼んだ応援が来たようだ。
「……やっと来たか」
しばらくすると部屋の外から「お疲れ様」と、来た警官と先いた警察官の話す声が聞こえ、俺は玄関の方へと向かった。
やってきたのは上司である荒巻警部と後輩で相方で後輩の冬月美夢の二人だった。
「おぉ、山川君か。近くにいた刑事とは君だったのか。状況はどうなってる?」
「お疲れ様です警部。えぇ、見たらわかるんですが……なかなか酷い有様ですよ……」
「……そうか」
そう言って荒巻警部は部屋の奥へと向かっていく。
「……先輩大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。冬月も手伝ってくれ。ただ、少し厄介な事件かもしれない」
「そうですか……とりあえず私も現場の様子を見に行きます」
そう言って、俺と冬月は部屋の奥へと戻っていく。
現場に入り、遺体の様子を見た冬月と荒巻警部の表情が固まった。
切り裂かれた遺体を見た二人は驚きを隠せない様子だ。
死体の光景に耐えられなかったのか冬月は死体から目を逸らし、視線を横に逸らす。
「部屋の中も見てみたのですがこれといったものはなかったですね。それと死因は恐らく首の方にある傷からの出血によるものだと思われます。遺体を運ぶ準備は他のものに頼んでいます」
「ご苦労だったな山川。前回の今回で悪いが引き続き調査を頼む」
「はい、わかりました」
「俺はこれから別件に向かわなければならない。あとは二人に任せた」
荒巻警部はそういうと部屋を後にした。
それと入れ替わりに死体処理班が部屋の中に入ってくる。
「お疲れ様です。こちらの方なんですけど、検死の時に凶器の判定もお願いします」
「お疲れ様です。わかりました」
処理班の人たちに一声かけ、再び捜査に戻る。
また、「うぇっ」という嫌なものを見た時に出るような声を出しているのを耳にした。
俺たちは操作に戻るとして何をするか。
「さて、どうしたものかな」
「先輩、さっき話してる間にこれを見つけました」
冬月は学生証を見つけたらしく、俺に見せてくる。
学生書には飯田奈緒子と書かれており、学校名は青が丘学園のものであることがわかった。
「学生証か……この子は青が丘学園の生徒なのか。名門校じゃないか」
「みたいですね。午後にでも聞きに行きますか?」
「そうだな。あとで連絡して聞いてみよう。何か知っている可能性もあるしな。それと第一発見者の管理人さんにも話を聞かないといけない」
「そうですね。今話を聞ける人はその人だけですし」
「あぁ、それじゃさっそく向かおう」
他の警官にこの場を任せると、管理人に話を聞くために管理人室へと向かう。
闇夜に蠢く挑戦状シリーズ第2弾の内容を変える形で再投稿させていただきます!
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