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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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狂気の光

仕事で投稿遅くなりました。

申し訳ありませんm(*_ _)m

 職員用玄関に向かって歩いている時に腕時計で時間を確認するともうすぐ0時を指すところだ。

 犯行がいつ起きるのか分からないがしばらくは待機しておく必要がある。

 玄関に着くと借りていたカードキーを翳して中へと入っていく。


 患者は寝静まり、自分の足音がよく響く廊下をゆっくりと歩いていく。

 2階と3階の踊り場に着き、登っていこうとすると何か不思議な力を感じた。


「この感覚……魔術か?」


 以前感じたことのある異様な雰囲気、それは憎悪ではなくどこか寂しさを覚えるような、悲しみを覚えるようなものを感じた。

 時計を確認すると既に0時を回っていた。

 今までの傾向を見るに恐らく今の時間から犯行が行われるだろう。


 ゆっくりと3階へと登り、廊下に出た。

 辺りを見渡すもそこは暗く静寂だ。

 気配の元は上の階かもしれないがまずは3階を見る必要がある。

 ゆっくりと廊下を歩いているとガラス越しに後ろからほんのり眩い光がチラつく。

 振り返ってみると奥の部屋から光が漏れているのが見えた。


 あれが今回の事件の……


 俺は気配を消し、足音を立てないようゆっくりと光の見える部屋へと向かう。

 少しずつ、少しずつ近づいていきもうすぐ部屋の前に着くというところでその部屋から強烈な光が見えた。


 その光からは狂気めいた何かを感じ取り全身に怖気が走った。

 そうして怯んでいると部屋から誰かが出てきた。

 目が眩んでいてよく見えないがシルエットからは女性である事が分かる。


 その人物は俺の姿に気付いたからか、俺の脇を通り抜けて逃げていった。

 その際横目で犯人を見ようとしたところ、僅かな胸の膨らみがあることに気付いた。

 やはりこの犯人は女性……!


「っ! 待て!」


 視界が怪しい中、俺は足音だけを頼りに追いかけた。

 階段をかろうじて駆け下り、1階に着く頃には視界も元に戻っていた。

 女性の姿と思ったそれはフードを被っており、身長も低めであることが分かる。


 あの4人の中で身長が低い人物といえば……確か仙道は背が低い……!

 おそらく仙道が犯人ということなのだろう。

 玄関を抜け、女性は病院裏の林へと入っていった。


 俺も追いかけて林へと入り、必死で走った。

 途中見失いかけるも何とか視界に捉えることを維持できた。

 林を抜けるとそこは広場のような場所で離れたところに鳥居が見える。


「……ここは一体」


 気がつくと女性の姿は無く、撒かれたようだった。

 肩で息をしながら携帯を取り出し、冬月に1本入れる。


『はい、冬月です』


「はぁ、はぁ、冬月、至急病院3階の東側奥の部屋に向かってくれ」


 そう告げると電話を切る。

 再び辺りを見渡し、人影が無いか探す。

 しかし、どこにも人影は見えず、周りは木々に覆われており人の気配を感じない。

 鳥居の方を見てみるも足跡がある訳でもなく、そこにただあるだけだ。

 しかもその鳥居がそこにあること自体に何故か違和感を覚えた。

 ……どういう事だ?

 気になりはしたがここは1度戻った方がいいだろう。


「……仕方ない。戻るか」


 この状況で単独での捜査は危険だ。

 この広場を後にし、俺は病院へと戻って行った。

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