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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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おはなしと伺い

 影崎たちと別れた後、俺は院長の許可を貰うため事務室にやってきた。


「すみません、院長と話がしたいのですが取り合って貰えないでしょうか?」


 そう言うと事務員の男性が「わかりました」と言って内線で話をしてくれた。

 ややあって内線を切ると俺の方に向かって口を開いた。


「大丈夫みたいですよ。そのまま院長室に行ってもらったら構いません」


「ありがとうございます。失礼します」


 軽くお辞儀をすると事務室を後にした。

 そうして最上階にある院長室に向かう途中、遠くの方で女の子がこちらに手を振って近づいてくるのが目に入った。


「隼さーん!」


「やあ、絵里ちゃん」


 絵里はこの病院で入院をしているため、このように出会ってもおかしくはない。


「隼さん、こんな所で何してるんですか?」


「あぁ、仕事だよ。捜査の関係でちょっとね。絵里ちゃんも病室から出てきてどうしたの?」


「ずっとベッドで寝てるのも退屈だからね。少し中庭に行って散歩しようと思ってて」


 そう言う絵里のことを見る。

 以前再開した時に比べ、顔色もよく元気になった様子でとても安心した。


「そうか。元気になってるみたいで安心したよ」


「隼さんのおかけですよ。あの時は本当にありがとうございます」


「絵里ちゃんたちみたいな人を助けるのが俺の仕事だからね。それじゃあ俺は仕事に戻るから」


「うん、頑張ってください!」


 手を振り笑顔をうかべて見送ってくれる絵里に手を振り返すと、俺はエレベーターへと向かった。

 エレベーターを上がり、最上階に到着すると出てすぐの所に院長室がある。

 ノックをし、「失礼します」と言うと俺は部屋の中へと入った。


「刑事さん、ご苦労さまです。よければこちらへ」


 そう言って菅原が近くのソファへ促してくれる。


「では失礼します」


「それでですが、どのような御用で?」


「はい、端的に言いますと事件の発生直前に様子が変わったと思われる看護師から話を伺いたく思いまして」


「なるほど。少し詳しく聞いてもよろしいですか?」


 菅原にそう言われ、俺は看護師たちの間で合ったとされる噂話から、例の3人の話を聞きたいと言うことを伝えた。


「なるほど……様子が変わったとはいえそれが殺人の動機に繋がるんでしょうか?」


「断定はできません。ですが、現状で捜査するには情報が少なすぎます。現場の方は別のものが調べてるはずですが恐らく成果はないでしょう。そうなると話を聞いて少しでも引っかかりがあればそれを潰すのが最善だと思います」


 しっかり説明すると菅原も納得したようでため息をつき、「わかりました」と了承してくれた。

 直ぐに3人の面談を許可してもらえ、俺は冬月の元へ戻った。


 食堂に戻り、先程冬月と食事を取った席に向かった。

 席では冬月が1人で手帳を眺めていた。

 さっきまでの聞き込みを読み返しているのだろう。


「冬月、待たせた」


「あ、先輩。どうでしたか?」


「許可貰えたよ。この後は例の3人から話を聞くぞ。その後で死亡確認時刻の調査と監視カメラの確認だけ」


「はい、分かりました」


「今回は2人で1人ずつ聞いていくぞ。時間より正確性を重視してな」


「そうですね。その方がいいと思います」


「よし、それじゃあ準備を始めるぞ」


 そう言うと俺と冬月は先程の部屋に戻り準備を始めた。


最近ブクマが増えて嬉しい限りです(*´ω`*)

これからも頑張ります٩( 'ω' )و

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