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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第四章 悲嘆に蠢く狂願
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嫌な推測

 俺たちは車に乗り込み、森原総合病院へと走らせた。

 道中、運転をしてる最中に一本の電話がかかってくる。


「はい、山川です」


『山川くん出たばっかでごめんね。さっき警部から調査の役割を聞いたから連絡させてもらったわ』


「桂木か。それはすまないな。俺たちは何をしたらいい」


『ええ、あなたたちは病院関係者への聞き込みと死亡推定時刻前後の行動の調査、それと例の件の可能性を調べるように言ってたわ。例の件ってどういうこと?』


 例の件というのは恐らく……いや、間違いなく異常についての可能性。

 即ち怪異かどうか、魔術的な力が働いているかの調査ということだ。


「こっちの話だ。とりあえず了解した。また何かあったら連絡頼む」


 そう言って電話を切った。

 すると、冬月が質問を投げかけた。


「追加の何かですか?」


「あぁ、病院関係者への聞き込みと行動調査。それと怪異なのかどうかの調査だ」


「……やっぱり来ましたね」


 横目で冬月を見ると少し強ばった表情になってるのが分かる。


「直感ではあるが、恐らく異常の類であるのは間違いないだろうな。こんな感は当たって欲しくないんだが」


「どうします?」


「……やめておけ。いざって時に取っておけ」


 魔術のことを言ってるのだろうがこれは基本使わない方がいい。

 あんなもの使い続けたら精神が持たない。


「わかりました。必要な時はまた聞きますね」


「そうしてくれ」



 そのように話をしていると病院へと到着した。

 俺と冬月は受付へと向かい、受付の女性に声をかけた。


「すみません、警視庁のものですが」


「はい、少々お待ちください」


 女性は一旦裏に行き、しばらくすると戻ってきた。


「お待たせしました。こちらへ」


 そう受付の女性に案内され、応接間に通された。

 応接間に入って少し待っていると年配の白衣を纏った男性が入ってきた。


「遅くなりすみません。委員長の菅原です」


「刑事課の山川です。この度はお時間を割いてくださりありがとうございます」


「同じく冬月です」


「いえいえこちらこそ。それで今回の件なのですが……」


 菅原が言いにくそうにしている所、俺は知っていることを先に確認しようと口を開いた。


「はい、一応伺っております。3日連続で心臓麻痺で患者さんが亡くなってるんですよね。それも病状の重さ関わらず」


「えぇ、その通りです。別の刑事さんも同じように言ってそのまま捜査に出ましたよ。患者さんから話聞くとかで」


 恐らく影崎のことだろう。

 相変わらず淡々とした奴みたいだ。


「そうでしたか。それでなのですが、我々は看護師さんたちから話を伺おうと思っているのですが本日出勤してる方を1人ずつ呼んでもらうことは可能でしょうか?」


「もちろんです。どうぞよろしくお願いします」


「それではなのですが看護師さん方の名簿みたいなものがあれば用意して頂けませんか?」


 冬月が尋ねると快く準備して貰えた。

 その名簿を元に俺たちは何人かに分けて話を聞くことにした。


「というか職員の数多いしどうするか……今日1日で終わる数じゃないし」


「そうですね……300人をどう捌きますかね」


「急がないと……多分、今日も犯行が行われる」


「え……それはどういう……」


「まず1日1人ずつ亡くなってるというのが不自然すぎる。3日で同じ亡くなり方が続くってこと自体おかしい。つまり犯人は何らかの理由で1日1人しか殺せない……みたいなことでもあるんじゃないか?」


 理由は分からないが、俺はそう言った理由で1人ずつなのではないかと思っている。


「……一体どういう理由で」


「さぁな。とりあえず、端的に事件のことを聞かないと」


 そう言うと俺と冬月は部屋を分け、別々に話を聞くこととした。

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