表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第三章 離島に蠢く怪虫
36/105

島の人

 朝食を済ませたのち、弓月と合流して島の調査に行こうと玄関口へと来ていたところ、掲示板に貼ってあった一枚のポスターに目が行く。

 ポスターには『九十九祭』と書かれており、開催日が今日となっていた。


「兄さん、どうしたの?」


「え、あぁ、ポスターを見ててな。なんか今日祭りがあるらしいぞ」


 そう言うと弓月は目を輝かせて俺に迫ってきた。


「え、祭り行くの⁉ 遊んでいいの⁉」


「待て待て、今日はやらないといけないことがあるだろ」


「でも祭りは夜でしょ? じゃあちょっとくらいいいじゃない!」


「まだ何も調べられてないだろ。やること済ませないといけないだろ」


 そんなやり取りをしていると昭恵が声をかけてきた。


「あら、九十九祭に興味がおありで?」


「え、えぇ、そうですね。どういう祭りなのですか?」


「普通の祭りですよ。この島に住む生き物に感謝するといったような祭りですね。村の人が屋台を出しますので楽しめると思いますよ」


「そうなんですか。それは楽しそうですね」


「よければ参加していってくださいね。では、失礼します」


 そう言って昭恵が去ろうとしたとき、何かものが置かれた音が聞こえた。


「おはようございます!」


 声のした方を見ると、二十歳くらいの女性が立っていた。

 女性に気が付いた昭恵はそっちの方へ向かった。


「あら香織ちゃんじゃない。いつもありがとうね」


「いえいえ、いつものことじゃないですか。そちらの人たちは?」


 俺たちのことを見て昭恵に訪ねてきた。


「あの方たちは観光に来たお客様よ」


「そうなんですか、初めまして、この島に住んでいる東坂香織といいます」


 香織は俺たちに向けて深々と頭を下げる。


「あぁ、これはどうもご丁寧に。観光に来ました山川といいます。それと友人の冬月と妹の弓月です」


 冬月と弓月に手を向け、紹介する。

 二人は香織にお辞儀をした。


「香織ちゃんはこの島について詳しいのよ。そうね、よかったら案内してあげたら?」


「私は構いませんよ。どうしますか?」


「え、いいのですか? ご迷惑では」


「いいんですよ。この島のことを知ってもらえるのは嬉しいので!」


 香織は笑顔で答えた。

 俺は冬月と一度顔を見合わせると小さく頷いてきた。

 この人から島のことを聞こう、二人ともそのように考えたのだろうと。


「それじゃあお言葉に甘えまして、お願いします」


「はい! それじゃあ用事だけ済ませますので少し待ってください」


 そう言うと香織は荷物を持って昭恵と宴会場の方へと向かった。


「先輩、チャンスですね」


「あぁ、偶然とはいえ島のことを知れるいい機会だ」


「手がかりを見つけないといけませんもんね」


「そうだな。失踪者も探さないとな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ