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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第三章 離島に蠢く怪虫
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朝の鍛錬

 月が昇り、夜の闇が深くなり誰もが寝静まった丑三つ時。

 寝ていた俺だったが、虫の羽音のような音を耳にし、目を覚ました。


 ……蚊でも飛んでいるのだろうか。


 そのように思っているとふと窓の方から視線のようなものを感じた。

 振り返って窓の方を見てみると、障子越しではあるが鳥ぐらいの大きさの影が見え、その影から虫のような羽音が聞こえてくる。

 そして、俺が見てすぐ影は姿を消した。

 勢いよく起き上がり窓の方へと駆け寄ると勢いよく窓を開く。


 しかし、外を見渡してみるも先ほどの影の主はどこにも見当たらなかった。

 あれは一体何だったのだろうか、そんな疑問だけが残ったが間違いなくこの島に何かがいる。それだけは確かであると確信した。

 明日から本格的に調査をはじめていく、何が起こってもおかしくない。

 何かあった時にも備えて今は休もう。

 そう思うと再び眠りについた。


 朝日が昇り、蝉がうるさいくらい鳴き始めた頃、俺は旅館近くの空間で持ってきていた木刀を使い、剣術の自主練をしている。

 朝一に体を動かすのが日課であるため、持ってきていたのだ。

 流石に日本刀を持ってくるのはまずいかと思い、木刀を代わりにしている。


 刀を振っている間、昨夜のことについて考えていた。

 ……一体あれは何なのだろうか、鳥なのか虫なのか分からない。

 影を見るだけでは何だったのかは定かでない。

 しかし、あれが今回の事件に関係してそうにも思える。

 弓月が少し心配ではあるが今日からしっかり調査して、失踪事件を解決しなくてはならない。


 そのようなことを考えながら二時間ほどの鍛練を終え、浴場で体を流して部屋に戻ったころには冬月も目を覚ましていた。


「あ、おはようございます。隼先輩」


「あぁ、おはよう」


「どこに行ってたんですか?」


「外で体を動かしてたんだ。日々の鍛錬を怠ってちゃいかんからな」


 そう言って木刀を持ってきていた竹刀ケースにしまう。

 あまり公に見せるようなものでもないため、なるべく隠すようにしている。


「そろそろ朝食の時間だし、用意しとけよ」


「え、あ、はいっ」


 冬月は慌てて身支度を始め、俺は先に宴会場へと向かった。


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