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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第三章 離島に蠢く怪虫
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船内捜索

 乗船できる時間になり、船に乗り込む。

 船はある程度大きい客船で客室も数個備えついている。

 船内には船旅を楽しみにしている子どもの姿やツアーの一行、一人で来ている人といろんな人がいる。

 その中でも怪しい人物がいないか周囲を確認する。

 俺たちは遊びが目的で来ているわけではなく捜査の一環で来ているため気を抜くことはできない。


 緊張感をもって捜査をしていく……はずだったのだが……

 乗船してしばらく経った頃、冬月がふらつきながらその場にしゃがみ込む。


「おい、どうした?」


「うぅ……先輩……ちょっと……」


 冬月の表情は青ざめており具合が悪そうに見える。


「す、すみません……どうやら酔ってしまったみたいで……」


「船酔いか。仕方ないお前は休んでろ」


 そう言って俺は座り込んだ冬月を両腕で抱きかかえ、船内の休憩室へと運んでいく。


「ちょ、先輩、何を……」


「ふらふらしてるんだからおとなしくしてろ」


 冬月は少し顔を赤らめ、大人しくする。

 そのまま船内を出てデッキにあるベンチに冬月を下ろす。



「ひとまず外の風にあたってるといい。中よりはましだろ」


「……ありがとうございます。それとすみません」


「何、気にすることじゃない。俺は中を見回ってるから、何かあったら連絡しろよ」


 そう言って船内へと戻っていく。

 船内で何人かの旅行客を見かけたがこれといっておかしなこともない普通の観光客のようだった。

 その後デッキの方も見て回ったが変わったこともなく誰もが九十九島に行くのを楽しみにしている様子だ。


 そのように調査を進めていると少し離れたところに島が見えてきた。

 おそらくあれが九十九島だ。

 乗客の興奮度は高まり、非常に楽しみにしている雰囲気だ。


「島見えてきたね兄さん」


「え、あぁ、そうだな」


「あまりテンション高くないね」


「それだって敵かもしれないところに乗り込むわけなんだから、気を抜いてるわけにはいかないだろ」


 弓月はつまらなさそうな表情で俺を見るとデッキの端へと行った。

 やはり連れてきたのは間違いだったのだろうか……


「せ、先輩……どうでしたか……」


「あぁ、これといって怪しそうなやつは……って大丈夫か?」


 冬月に声をかけられ、振り返ってみると顔色を悪くした冬月が立っていた。

 相当船に弱いみたいだ。


「思ってたよりも船に弱いみたいで……何もできずすみません……」


「こればかりは仕方がない。一応観光客のフリもしないといけないんだ、今日はゆっくりするとしようじゃないか」


「はい……面目ないです……」


 もう間もなく九十九島だ。

 ここから何が起こるかわからない、覚悟しないといけない。


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