表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第三章 離島に蠢く怪虫
28/105

慣れない場所

***


 隼と弓月に誘われ、一緒に晩ご飯を食べることになりとても緊張する。

 まさか先輩と一緒にご飯が食べられるなんて……

 嬉しさもあるがそれ以上に緊張が強い。

 自分から誘うときは心の準備を整えてから誘うが、今回は不意であった上に妹さんも一緒というのもある。

 それに、私服姿を見られたのがかなり恥ずかしい……


「そ、そういえば何食べに行くんですか?」


「あぁ言ってなかったな。弓月の希望でスパゲティを食べに行くんだよ」


「そうなんですか。パスタはあまり作らないから久しぶりです」


「それならちょうどよかったな」


 隼が笑顔で返してくる。

 その笑顔を見て心臓が弾む。

 それにいつもの仕事着姿とは違い、紺の半袖シャツにベージュのズボンと普段目にしない隼の姿でいつもと違う雰囲気に感じる。

 それでも隼先輩はかっこいいなぁ……

 うっとりと隼の後ろ姿を見つめながら二人の後をついていく。


***


 三人で駅近くのデパートにあるイタリアンレストランへと来ていた。

 友人の明日香からパスタが美味しい店であることを聞いており、今回連れてきたのだ。

 弓月も冬月も普段来ない場所なのか少し驚いてる。


「こんなお店初めて来ましたよ」


「私もこんなオシャレなお店は行かないなぁ」


 冬月と弓月は店の外装を呆然と眺めていた。

 俺自身も来るのは初めてであるが、そこまで気にはしない。


「何ぼうっとしてるんだ? 行くぞ」


 そう言って俺は店の戸を開き、中へと入っていく。

 それに続くように冬月と弓月も付いてくる。

 店内は広々しく、とても開放的だ。

 テレビで見たことのあるような西洋的な空間でとてもおしゃれだ。

 俺たちに気が付いたウエイトレスの女性が席まで案内居てくれ、俺と弓月が並んで座り向かいに冬月が座る形となった。


「かなり本格的なんだな。明日香の言ってた通りだ」


「青が丘学園にいたあの人ですか?」


「あぁ、こういう店が好きみたいでな。この前教えてもらったんだ」


「ふーん、そーですか」


 冬月はジト目で俺のことを怪しそうに見てくる。

 何を怪しんでいるのやら。


「やっぱ兄さんが見つけたお店じゃないんだね。こんなお店を見つけるわけないよ」


「悪かったな、俺が見つけたところじゃなくて」


 そう言い放ってメニューを開く。

 メニューを見てみるも、書かれているものがどんなものかが全くといっていいほど分からない。

 何かの暗号かとまで思った。


「へぇ、さすがだね。いろんな種類のイタリア料理があるよ! 私、ボロネーゼにする!」


「私はジェノベーゼにしようかなぁ。先輩は何にするんですか?」


 ボロネーゼ?

 ジェノベーゼ?

 それらが何か俺には分からない。

 とりあえず見覚えのあるものを……


「お、俺はカルボナーラかな。こういうとこだと普段と違うかもしれないし」


 戸惑いながらもそう答える。

 冬月も弓月もパスタをとても楽しみにしているようだ。

 ……とりあえず次からはメニューも知っておく必要があることを学んだ。

 その後、会話をしながら楽しく食事をした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ