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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第二章 少女に蠢く憎悪
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体育館裏

 翌朝の7時頃、俺は青ヶ丘学園に来ていた。

 そして、俺はそこでとんでもないものを目にしてしまう。

 なぜ既にこの場所に来ていたのかというと、どうやら第二の犯行が起こってしまったようなのだ。

 昨日、話を伺いに来た際に飯田の友人5人と会ったが、その中の1人である米村美久の遺体が学園の体育館裏で発見されたというのだ。


 通報があった際、俺は個人的に気なっていたことを近くで調べていたため、すぐに現場に駆け付けることができたということなのだ。

 遺体の状態はというと、飯田の時に似ている。

 腹部にある無数の傷は飯田の時のものと比べて非常に似ていて、傷口から内蔵が見えてしまっている。

 大きな違いでいえば、遺体から心臓がえぐり取られていることだ。

 ここまでは調べ終わったことだ。

 現在、現場には遺体近くでしゃがんでいる俺とそれを眺める複数の教員がいる。


「おい刑事さん……」


「……言うまでもなく亡くなっています。この状態ですし死後おそらく2時間くらいかと」


「2時間前に殺されたというのか……? 誰にどうやって……」


 教員たちは暗い表情をして、お互いに顔を見合わせている。


「それで第一発見者はあす……水崎さんでしたね?」


 立ち上がって明日香の方を向くと、涙を流し目が赤くなってしまっていた。


「あ……うん……」


「この状況がとても辛いことはよくわかります。ですが犯人逮捕のため、発見した時の状況を教えてもらえないでしょうか」


 正直、ここまで辛そうにしている友人を前にこのようなことを聞くのは気が引けるものがある。

 それでも俺には責任がある。

 私情に流されてはいけない。


「……私が職員室に行こうとしてるときに誰かが体育館裏の方を歩いてるのを見かけて、気になっていってみたら……」


「そこに米村さんがいたんだな」


 明日香は小さくうなずく。


「それと、女の子の声が聞こえたの。誰かはわからないけど……」


 女の子の声?

 事件に関係あることなんだろうけど、でもなぜ?


「わかりました。もう時期応援が来ると思います。そのときにまた話を聞かせてもらうかもしれないことをご了承ください。それと現場保存のため、皆さん一度この場から離れて下さい」


 俺がそう言うと、不満そうにしながら職員たちはその場を去っていく。



 職員たちが去ったのち、再び米村の状態を見てみる。

 心臓は無理矢理えぐられたように見える。

 それも手術する時のように切れ目を入れてからではなく、体内に腕を突っ込むような感じだ。

 こんなことが人間にできるはずがない。

 化け物がやったというのか?

 現に俺たちは一度、あの廃墟で化け物を見ている。

 ありえないというこはないのだ。


「残りの4人も要警戒だな。恐らくあの中に犯人が……」


 そうつぶやくと遠くからサイレンが聞こえてくる。

 

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