怪しい態度
「それでなのですか、最近飯田さんに対して不信に思ったりおかしな行動をしていたなどはありませんでしたか?」
俺がそう言うも、5人は黙ったままだ。
無理もない、友人が殺されてしまったのだから。
そう思っていると、1人がゆっくりと口を開いた。
「……私が知ってる限りおかしな行動はなかったと思います」
木村輝沙が答えてくれる。
「では、質問を変えます。飯田さんを恨んでいる人に心当たりありませんか?」
俺がそう言うと、絵里と立花以外は少し表情に変化が表れた。
その様子に違和感を覚えたようで、冬月が3人に質問する。
「もしかして何か心当たりがあるんでしょうか?」
「……な、何もないです」
視線ををとしたまま米村が答える。
俺と冬月は顔を見合わせ、お互いに不信感を抱いたことを確認する。
この3人には何かある、気がする。
そのようなことを考えていると長須が口を開く。
「すみません、生徒たちもショックが大きいようですので、今日のところはこの辺りで……」
「……わかりました」
俺と冬月はゆっくりと立ち上がり、そのまま応接室から出ていく。
そして、車へと戻ると警察署へと車を走らせる。
「なあ冬月、あの5人ともだが何か隠してると思うんだが」
「やっぱり先輩もそう思いましたか」
「ということは冬月もだったか」
「あの様子は何かありますよきっと」
それに関しては俺も同様に思っていた。
でなければあのような反応を見せないと思う。
「私的には特に河野絵里と立花このはの2人は何か隠してるように思うんですよね」
「……あぁ、3人とは違う別の何かを隠してる感じはあったな。というよりも5人とも何らかの隠し事があると思う」
正直なところ、俺はあの5人の中に犯人がいるのではないかと睨んでいる。
そして、何かとても深い問題を抱えているのではないだろうか。
謎を多く残したまま警察署まで車を走らせていく。




