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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第二章 少女に蠢く憎悪
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青ヶ丘学園

 護と久々の再会を果たした後、俺たちは車を走らせ青ヶ丘学園へと向かった。

 少し早い時間に到着し、道路の脇に車を停めて門の横に設置されている外来者用のインターホンを鳴らす。

 ややあって声がし、事前に来ることを伝えていた警察のものであることを言うと、少し待っているように言われる。

 しばらくすると、1人の女性職員が門までやってくる。

 その女性職員を見て、俺は驚きを隠せなかった。

 女性職員の方も俺のことを見ると目を見開き、足を止めてこちらを見ていた。


「えっ、明日香……?」


「隼くんが何でここに……?」


 久々の再会がこんな形でお互いに驚き、固まっていた俺たちとは別に、状況をよく理解できていない冬月。


「あの、先輩……お2人はどういう……?」


「あ、あぁ、明日香のことか。こいつは水崎明日香(みずさきあすか)、さっき会った光と同じ中学からの友人だ」


「えっ、光くんに会ったの?」


 気になったのか明日香が会話に入ってくる。


「ああ、ついさっきな。光とも話してたがホント久しぶりだな」


「ホントにね、みんな忙しくなってから話すこと減っちゃったもんね」


「まったくだな。高校の先生やってるのは知ってたけど、まさかここで働いてるなんてな」


「ふふっ、まぁね。あっと、そうだ案内しないとね。ついてきて」


 そう言われて、明日香についていく。

 冬月はというと、不機嫌そうに俺のことを睨みながら後ろをついてきていた。



 応接室まで案内され、中に入ると2人の教員が座っていた。

 明日香は一礼するとその場から去っていく。


「失礼します。刑事課の山川です。急な連絡に応じていただき感謝します」


「同じく刑事課の冬月です」


 座っていた中年の男性教員が立ち上がり、俺たちに一礼する。


「こちらこそわざわざ来ていただきありがとうございます。私は青ヶ丘学園学長の工藤(くどう)と言います。それで、うちの生徒に何があったのでしょうか?」


 俺と冬月は顔を見合わせ、教員たちに向き直るとゆっくり口を開く。


「……実は先日、こちらに通っている飯田奈緒子さんが何者かに殺害されたようでして」


 そう言うと、2人の教員は驚愕の表情を浮かべている。


「それと、殺害された場所が寮内だったため、外部からの犯行というのは考えにくいものでして……」


 教員たちは先ほどよりも驚いた様子で工藤が口を開く。


「まさか……うちの生徒がやったというのか?」


「落ち着いてください、まだ可能性が高いだけで生徒がやったとは限りません」


 学長は顔をしかめながら視線を落としている。


「それでなのですが、飯田さんと仲の良かった人たちを教えていただけないでしょうか?」


 机を強く叩き、俺たちを睨むように学長がこちらを見てくる。


「……どういうことでしょうか、うちの生徒を巻き込むというのかね」


「落ち着いてください、事件解決のためなのです。お願いします」


 冬月が声をあげて必死に頭を下げ、俺も続けて頭を下げる。

「このまま飯田さんが誰に殺されたのかわからなかったら、ご両親が一番悲しむんです。どうかお願いします」


 学長と女性教員が顔を見合わせ、考え込んでいる。

 少ししてから学長が口を開く。


「……わかりました。そちらのことは担任である長洲(ながす)先生に話していただきます」

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― 新着の感想 ―
[一言] 冒頭のさっき会ったのは光……コンビニで会ったのは護くんでは? どっち?
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