表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第五章 請暇に蠢く陰謀
103/105

協力者・理解者

「桂木さん、本人に聞くってそんなことできるんですか?」


「口を割るかは分からないけどね。それでも聞く価値はあると思うわよ」


 言ってることはかなり的を得てる気がする。

 もしかしたらぼろを出す可能性だってある。


「桂木の言う通りだな。桂木、どの拘留場にいるか教えてくれ」


「わかったわ。それと私も同行させてもらってもいい? あなたたちが調べてる事についていくつか気になることがあるのよ」


「……そうか。助かるよ桂木」


 どうやら桂木も気になっているようだ。

 俺たちが関わっている怪事件に。



 時は遡ること2日前……

 俺は桂木に呼び出されて会議室に来ていた。


「それで、何のようだ? 桂木の方から俺を呼び出すなんて珍しいな」


「そうね。前回の事件について気になったことがあってね。いえ、それ以前というべきかしら? あなたのことだからもう気づいているのでしょ」


 流石に頼りすぎたのだろうか。

 桂木が俺たちが関わっている事件にどこか違和感を覚えてる様子だ。

 頭のいいやつだ。誤魔化すこともできまい。


「話してもいいが、覚悟はできてるのか?」


「……えぇ。恐らく私が思ってること以上のことなんでしょうね」


「俺がまともだったとしても想像できないだろうな。事の始まりは5月にあった連続行方不明事件の件からだ。あの時、黄野町で俺たちは例の金色の刻印教団に出くわした。その時にこの世のものとは思えない化け物がいたんだ。しかも教団員の指示も聞いていてな」


「聞いておいてなんだけど事実なのよね?」


 桂木を見れば疑っていることが一目でわかる。

 むしろこんな話を信じる人の方が少ないだろう。


「今更噓をつく理由もないだろ。疑うならこれを見てくれ」


 そう言って一冊の本を桂木の前に置いた。

 その本というのは、九十九島で見つけた魔導書だ。

 正直これを見せていいのか疑問に思ったがこのようなものでもないと桂木に信じてもらえないと思ったのだ。

 桂木が魔導書に手を伸ばした瞬間、俺は一言呟いた。


「読むなら気を付けろ。俺と冬月はそれを読んで気が狂った」


「……わかったわ」


 そう言って桂木は険しい顔で本を手に取った。

 少しページをめくるとすぐに本を閉じ、驚いているような怯えているような顔をしていた。


「どうだ。これで信じてもらえるだろうか」


「……疑いようもないわね。あなたたちはこれを読み切ったのよね」


「あぁ。読み終えた後……というか読んだのかすらあやふやなレベルだ」


「……知らなかったわ。こんなとんでもない事件だったなんて」


「この件を知ってるのは署内では冬月と荒巻警部だけだ。くれぐれも他の奴らに言わないでくれ」


「言っても信じてもらえるか怪しいわね。わかったわ」


「助かるよ」


 その後、これまでの事件についてさらに詳しく説明をした。

 信じ切るのは難しいだろうが、理解はできたようだ。

 

「山川君、もし困ったことがあれば私にも頼ってね。協力するから」


「あぁ」


 桂木も協力者、理解者となってくれたのはかなり大きい。

 俺たちにとっても非常に助かることだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ