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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第五章 請暇に蠢く陰謀
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過去の事件

 翌朝、俺は過去に担当した事件の資料を読み返していた。

 特に重要だと思う連続行方不明事件から今までの事件の資料を重点的に確認し、何があったか必死に記憶を探っていた。

 それぞれの事件について再確認していると、冬月がやってきた。


「おはようございます。何んしてたんですか?」


「あぁ、おはよう。昨日から少し気になってたことがあってな」


「昨日ですか……美穂が言ってたあれですか?」


「例の薬物事件の件なんだが、裏に大きな組織が絡んでるって話があったろ。もしかしたら前から絡んでる可能性があったりするんじゃないかと思ってな」


 特に冬月は前からこれらの事件について関わっている。

 もしかしたら何か思いつくかもしれない。


「それは考えすぎじゃないですかね……」


「表に出てきていない裏組織だ。そう簡単にしっぽは掴ませないだろう」


 黄野町に滞在していた金色の刻印教団、九十九島の轟破、青が丘総合病院の仙道と金子……

 これまでの犯人は全員違うが、結果的に裏で操作しているのはほかにいるのかもしれない。

 そう考えたら今回の事件も、麻薬の密売人とは別にそれを意図引く存在がいるのではないだろうか?


「確かに……それだと一番怪しいのってあの教団なんじゃないですかね」


「金色の刻印教団……調べてみる価値はあるだろうな」


「あれがそもそもの始まりみたいなところがありますしね」


 冬月の言う通りだ。 

 あの事件をきっかけに不可解な事件が俺たちのもとに押し寄せてきている。

 偶然なのかもしれないが、それとは別のものを感じてしまう。


「それと先輩、私が受け持ってる件ですしそんな根詰めなくても」


「それはそうだがな。今までのこともあって気になるんだ」


「……先輩はそういう人ですもんね」


「もうすぐ朝礼も始まるし、終わったら調査を開始するぞ」


「そうですね。まずは過去の事件からヒントを得るところからですね」


 朝礼の後、俺たちはまず黄野町での事件を調べなおすことにした。

 あの事件は直接教団が関わっているため、重要なことがあるのかもしれない。

 いや、そもそもあの教団について俺たちはほとんど何も知らない。


「冬月、まずは教団のことについて調べてみないか? よく考えてみたら奴らがどういった組織なのかよくわかっていないし」


「そうですね。まずはそれについて調べましょうか」


「といっても、教団は公にしていることが少ないだろう。調べるのは一苦労しそうだな」


「確かにそうですね……」


「それなら直接本人に聞けばいいじゃない?」


 ちょうど俺たちのもとにやってきていた桂木が声をかけてきた。

 恐らく資料を持ってきたのだろう。


「本人にって……まさか……!」


「えぇ、例の教祖様に聞けばいいじゃない」


 桂木のその言葉に俺と冬月は啞然として聞いていた。

 

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