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闇夜に蠢く挑戦状  作者: 大和ラカ
第二章 少女に蠢く憎悪
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久々の再会

 飯田の部屋を再度捜索してみたが、これといった成果はなかった。

 学生寮を後にし、冬月とともに青ヶ丘学園へと向かうことにした。


「さて、まだ15時ですね。予定の時間まで結構ありますけどどうしましょう?」


「そうだな、1度コンビニにでも寄らせて貰っていいか?やっぱ少しだけお腹空いててな」


「構いませんよ。というかすみません、私のせいで食べれませんでしたしね」


 助手席に座る冬月が申し訳なさそうに言うが俺はあまり気にしていない。

 死体は死体でもあそこまでの惨殺死体だ。

 何度か見たことあるとしても応えるものはある。


「不慣れなうちは仕方が無いさ。ちょうどそこにあるな」


 近くにあったコンビニの駐車場に車を停め、店内へと入る。

 何を食べようかと店内を見ていると、聞き覚えのある声に呼び止められる。


「あれ、もしかして隼か?」


 振り返ってみると、そこには中学時代からの友人である河野護(こうの まもる)が立っていた。


「護じゃないか! 久しくだな」


「全くだよ、2年ぶりか?」


「それくらいだろうな。たしか最後に会ったの俺が刑事になったばかりのころだったはずだし」


 護とは違う大学に行ったため、大学時代に会う機会は少なかった。

 それに俺が刑事になってからは忙しくてあまり連絡を取る事ができなかったのだ。


「あの先輩、その人は……?」


 後ろから冬月が顔を覗かせ、護のことを見ている。


「あぁ、こいつは河野護。俺の友人だ」


 俺の横に並ぶと冬月は一礼する。


「そしてこっちは冬月。俺の相棒で色々世話になってんだよ」


 そう言うと冬月は顔を赤くし、俺の背中を叩く。


「恥ずかしいこと言わないでください!」


「いや、いたって普通なんだが……」


 叩かれるような理由はないと思うのだが……

 そのやり取りを見ている光は苦笑している。


「ところで、護は今何してるんだ?」


「あぁ、俺は今も市役所で働いてるよ。2人は仕事中なのか?」


「あぁ、ちょうどある事件の調査をしててな。詳しいことは言えないが」


 話に夢中になっていたが、事件という言葉を口にした時ふと腕時計を見て時間を確認した。

 まだ約束の時間では無いことに安心した。


「んじゃ護、そろそろ仕事に戻るよ」


「あぁ、また時間あるときにでも飯に行こう」


「そうだな。そっちも頑張れよ」


 俺がそう言うと護は手を振ってコンビニから出ていった。


「先輩にも友人いたんですね。そういう話聞いた事なかったですし」


「そらいるだろ。桂木とかとも話すし」


「あれは仕事関係じゃないですか、ノーカンです」


「いやいや、警察学校の頃からよく話してたわけだしさ」


「それでもノーカンです!」


 そう言って冬月は店の外へと歩いていった。


「おい待て、まだ何も買ってないって」


 急いでサンドイッチを手に取り、会計を済ませて車の方へと向かった。

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