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第二話「ギャンダモー大地に乙!」①

 私達の迷宮チャレンジも早くも一週間が過ぎた。

 

 ひとまず、私達のダンジョン攻略は第五層までクリアしていた。

 もっとも……5層までは練習ステージ、ここを抜けられる冒険者なんて、掃いて捨てるほどいる。

 

 ……私達、強いなんてとてもいい難いのだけど。

 

 全滅回数もたかが16回程度だし……問題ないよね?

 酒場でいつも飲んだくれてるドワーフのおっちゃんも「死ぬ回数が二桁を超えないといっぱしの冒険者じゃない!」って言ってたし。

 

 ちなみに、私達が酒場に顔出すと皆、こぞってご飯やお酒おごってくれるんだよね。

 皆、可愛い子には優しい……これも私達の人徳って奴かな?

 

 ちなみに、死因は……私の場合、トラップがほとんど。

 宝箱が爆発したり、床が抜けたり……吊り天井だって、30秒ほど粘って、二人を逃がすことには成功した。

 

 まぁ、そのあと……3分位でどっちも死に戻ってきたから、私の頑張りは無駄になったのだけど、悔いはない。

 

 あとは、毒攻撃とかも甘く見てた……私は毒に侵されていても、行動に支障はないのだけど。

 ダメージは地味に食らっているので、歩いてたらなんか突然死んだ。


 ……解せない。


 私、本来なら迷宮守護者……つまりボスキャラなんだよ? ボスキャラが毒殺されるとか馬鹿なの?

 

 ……とは言え、正面からの物理攻撃については、この程度の階層なら私はほぼ無敵。

 どんなに食らっても、一桁のカスダメしか受けないから、戦闘自体は割と余裕。

 

 でも、調子に乗ってると、即死トラップで死ぬし、背後からの奇襲とか後ろの二人が死亡フラグ。

 ずんずん突き進むんじゃなくて、たまには振り返らないと駄目だと学習したよ?

 振り替えったら、後ろの二人が居なくなってるあの瞬間の悲しさ……。


 とにもかくにも、この第5層は一応練習ステージの総仕上げ。

 ……今の時点で大体、半分くらいは踏破してる……しかも、今回は、珍しく誰も死んでない。

 

「よし……二人共、気張るよ! リアン……そろそろ、間合いと立ち回り、つかめた?」


「はいっ! ヒールは最低限、ウズウズしても殴りに行かない! ですね!」


「よく解ってるじゃない……次! ルーシュ!」


「ボクは……釣り役とロゼさんの狙う敵の攻撃支援に徹する……だね。ひたすらアイスショット強化したけど、どうなんだろ? 使えてきてる? 足止めとかに使えるようになってきたから、前よりはロゼさんのお手伝いになってると思うんだけど」

 

「うんうん、アイスショットで足固めて足止めとか、超頭いい! 十分使えるって! 特に遠距離攻撃型相手だとルーシュ頼みだしね!」


「けど、遠距離型相手って魔法使い系はともかく、アーチャー相手はキツいね……。」


「まぁ、それはしょうがない。なるべく、そう言うのは私が引き受けるようにするよ……あと、トラップ……。さすがの私もトラップかかるとすぐ死んじゃうんだよねー。即死型トラップとか、マジふざけんなって感じ! だから、私死んだら二人は一旦引き上げること!」

 

「ボ、ボクが……なるべく、注意するよ! と言うか、ロゼさん……不用意すぎると思うんだ!」


 ルーシュが妙に申し訳なさそうに、そう言う。

 

 言われてみると、ルーシュがそこは危ないかも……とか言う時に限って、ドアを開けたらバックドラフトとか、宝箱ちゅどーんとかそんな感じ。

 

 この娘、意外と勘がいいのかもしれないね。


「……不用意……なのかなぁ……? 扉とかいちいち罠解除とかめんどくさいし、とりゃあっ! って蹴り破れば良くない?」


「それやって、毒矢食らってだいじょーぶって言ってて、突然、死んじゃいましたよね? ロゼさん」


 リアンが、苦笑しつつ掘り返す。

 一応、その件で反省して、リアンは解毒術なんてのを覚えた。

 

 状態異常付与とか、考えたやつの性格を疑いたくなるね。


 ……ああ、ダニオだししょうがないか。

 

 むしろ、死ね。


「ロゼ……状況どうだお?」


 出たよ……噂をすれば役立たずのダニオ先生。

 管理者権限凍結されて、現状全くの役立たず状態……口調もなんか、ますますウザくなった。

 

 一応、この迷宮の構造やトラップ配置なんかは頭に入ってるとかで、色々と情報提供くらいはしてくれるのだけど。

 どうにも実情とそぐわないようなケースが大半。

 

 つまり、全然使えない……むしろ安心してるとこへ不意打ち食らって、全滅ってパターンが多くて、逆に巧妙な罠に嵌められてる気がしてくる。

 

 でも、ダニオだから、しょうがない。

 

「まぁ、少しはパーティとして形になってきたけど……全然だと思うよー。他は制限いっぱいの6人パーティとかが主流だから、平均クラスでも私達よりは強いんじゃないかなー。なにより、前衛が私だけだから、正直キツい……なんで、リアンちゃんばっか狙われるのさー! ねぇ、今日はもう疲れたし、お風呂入ってご飯食べて寝たい……一度、街に帰っていい?」

 

「いいんじゃないかな? ……お風呂とかいいなぁ……。俺としては、君達がお風呂でどこから洗うのか凄く気になるなぁ……。ねぇねぇ、ロゼたんはどこから洗う派? まずシャンプーから派? それともお股キレイキレイにする派? それともちっぱいから洗うの? ねぇねぇ、教えてお……ぐひひ……」

 

 ……些細な事からでも、下ネタをねじ込んでくるスタイル。

 ダニオと念話で会話できるのは、私だけなのだけど……ある意味正解。

 

 こんな馬鹿と真面目に話なんかしてたら、精神が汚染される。

 

 けど、最低なことに、こんなセクハラロリコン野郎とリアン達を引き合わせるのが、私の最終目的なのだから泣ける……。

 いっそ職務放棄したいくらいだけど……そうもいかない悲しき我が身。

 

「あ……あのロゼたん? 思考がこっちにだだ漏れなんですけど……。俺氏、ロゼたんにはノータッチを貫いてますよネ? お風呂とか着替え覗こうと思えば覗けるんだけど、やってないよね? 一応、命令権は生きてるから、ロゼたん無理やり脱がしちゃって、ハァハァとかもやれるんだけど、敢えてやらない俺、マジ紳士だと思わね?」

 

 キモい……物凄くキモいこと言われた!

 うぞぞーって鳥肌立った!

 

 ダニオ、キモい……まじでキモい。


 キモい、キモい、キモーい!

 

「思いません……紳士に失礼だし、マジでキモいんでやめてくれません? そう言うの。私を不愉快にさせた罪は重い……後でそっち行きますから、またケツ釘バットフルスイングの刑ですね。」

 

「ちょ! あれはマジで止めて! マスター虐待いやーっ! ダニオさんのHPはもうゼロよっ! あ、でもフルスイングの瞬間チラリとか、ちょっと神アングルだったから、まさに俺得! ロゼたんのいちごパンツ、まじ萌えだったお……うん!」


 最低だ……なんで知ってるんだよっ! 合ってるよ!

 私、いちごパンツだよ! どさくさに紛れて、見てんじゃねぇよ!


 もうやだぁ……こんなマスター。


 コイツとの縁を切る為に……自由を勝ち取るために……。

 命懸けで迷宮攻略に挑む……これって、十分以上な理由だと思うの。


ダニオ先生、もうちょっとまともなキャラだったはずなんだけどなぁ……。

回を増すごとにキモさ成分が増えていってますが、ダニオ先生、ラスボスです。(笑)


ちなみに、サブタイが酷いですけど。

ダニオ先生、ガノタなのでボスキャラは大体こんな調子です。

なお、「全てにおいてセンスが悪い」と言うのがロゼたんのダニオ先生評価なので、色々お察し。


ーーこの物語は、ロリ美少女たちがクソダサなモビルスーツモドキと、知恵と勇気と友情パワーで戦っていく話です。(笑)

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