表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/59

第十四話「決戦! ド・ヴォルザーグ!!」①

 

 ついに動いたボスキャラフェンネル・ド・ヴォルザーグ!!

 その赤い鎧姿が見る間に3m近くまで巨大化すると、赤、青、緑、黄色の入り混じったケバケバしい模様の姿になる。

 

「フハハハハッ! 地水火風……4大元素の力を併せ持つ我にもはや死角なし! フィールドすら自在に変化出来る我に敵う術などあるまいっ! せっかくだ……全員でかかってくるが良い! 圧倒的な力の差! 見せつけてやろうっ!」


 ……出たよ! いわゆる全部乗せっ! なんでも混ぜりゃいいってもんじゃないだろーっ!

 しかも、全員でかかってこいとかお許しが出ちゃったよ!

 

 今までの勝負がなんだったのか解らなくなる展開だった。

 と言うか、他の三人って噛ませだったのね……哀れ。

 

「……あら、んじゃお言葉に甘えちゃうわ! 皆! 総力戦よっ! 突撃ィ開始ッ!」


 まぁ、こうなると皆を温存したのはある意味正解。

 相手もそれでいいって言うんだから、別に卑怯じゃないよねー。


「あはは……やっぱこうなるのね! 先陣は任せなさいっ!」


 エストが先頭切って突撃……リアンの回復を受けてた上に、こっそり魔力回復ポーションなんかも使ってたから、エストはフル回復状態!

 

「ふん! 貴様は、雑魚の相手でもしておれ……いでよクレイゴーレム!」


 ミックス侍の命に応じ、粘土細工みたいな土の兵隊が地面からわらわらと湧いてくる。

 更にドカドカと土壁が生えてきて、エストの進路を阻む!

 

「……ウィンドブラストッ!」


 ルスカの放った突風が吹き付け、クレイゴーレムがバラバラと風化していく!

 けど、数が多い上に質量もあるからあまり堪えた様子もない。


「ルスカ! それじゃダメだ! ぶっつけ本番だけど、風と水の複合魔術行ってみようっ! 全てを腐食する酸の雨よ来たれっ! ……コール・アシッドレイン! ルスカ! 手を! 魔力制御をこっらに!」


 ルーシュの呼びかけに応えるように、ルスカがルーシュに手を伸ばし、二人が手を携える。

 

「「合成魔術! アシッドストーム・バースト!!」」


 二人の揃ったコマンドワードと共に、叩きつけるように強酸を含んだ横殴りの雨がクレイゴーレムや土壁に当たる……見る間に煙とともにそれらは溶け崩れていき、ミックス侍にも降りかかる。

 

 その巨体に加え、雨のように降り注ぐ酸……こんなもん避けられる訳も無く……ミックス侍もあちこちから煙を吹き出す!

 

「お、おのれ……小癪な真似を……こんなもの! 超高熱で蒸発させてしまえばいいのだ! ヒィイイトウェイィブッ!」


 ……技名も横文字……和風武者とはなんだったのだろう。

 

 ミックス侍の全身が赤く染まる! 超高熱のフィールドが発生し、酸の雨も触れる前に蒸発していく。

 更にフィールドも暑苦しそうな溶岩があちこちに吹き出す火山の噴火口のような光景へ変わる。

 

 うーん、属性チェンジとか厄介だなぁ……。

 エストも気張って突撃したのは良いものの……高熱の壁に阻まれて、前進できないでいる。

 

「あっつ! これじゃ、近づけないじゃないっ!」

 

 エストも火に有利な水属性である以上、火や熱への耐性を持っているはずなのだけど……地面を溶岩化するほどの熱量は無理らしい……。

 

 ルスカは……リアンが防御結界を張って、招き入れている。

 ……ルーシュもリアンの結界を補強してるようだった。

 

 まぁ、灼熱地獄で火属性相手となると、私の出番だね!

 

「エスト! ここは私に任せて!」


 熱の壁の効果範囲は解りやすい……地面が赤くなって溶けかけてるとこから先は灼熱地獄だ。

 

 けど、思い切って、踏み込んでみたらちょっと熱い程度……例えれば、ちょっと熱めのお風呂に足を突っ込んだ程度の感触だ。


 服とか靴が燃えるとかそんなことも無いようだった。

 ……炎の加護……使えるじゃないっ!

 

「貴様……やはり、炎の加護持ちかっ!」


「そうよ……ちょっと暴れ足りなくてさ……ずっと大人しく見学してたから、色々たまってるのよね! 軽くバラバラにしてあげるわ!」


 もう考えるより先に手が出てた……一瞬でミックス侍の頭のところまで飛び上がると渾身の一撃!

 

 けれど、相手も太刀をかざして、その一撃を逸らす! そのまま一旦地面に着地して、すかさずもう一度大ジャンプ!

 

「な、なんという気迫……そして、この凄まじい一撃……まさに鬼神……やりおる!」

 

 今度は空中で回転しつつ連撃を浴びせる! けれど、その尽くを受け止められる!

 

「もらったぞ! 死ぬが良いっ!」

 

 下から丸太のような蹴りが飛んでくる!

 私はミックス侍のケリを見切り、その足の裏に片足を合わせて蹴る!

 

「な、なんと!」

 

「あははっ! 楽しいわ……これっ! お次はこれよっ!」

 

 軽々と吹っ飛びながらも片手で「爆炎の捺印スタンプ・ボム」を発動!

 

 空中に浮かんだ魔法陣に蹴りを入れると同時に爆発! 

 

 弾丸のような勢いと共にダガーを振り下ろす! 受太刀をした侍の刀がべっきりとへし折れる!

 

「いっただきぃっ! 死ねぇええええっ!」


 その右肩に深々とダガーを柄まで差し込む……さすがにこれで殺せるほどヤワじゃないだろうけど、こうなったら後はバーニングフレアソードで中から燃やし尽くしてやる!

そんな訳で、合体ボスです。


ドヴォルザーグと言えば交響曲第9番「新世界より」ですねー。

第四楽章のAllegro con fuocoはなかなか有名です。

銀英伝ファンの間ではアムリッツァのテーマとも言われてますが。(笑)


でもたぶん、一般的には第2楽章 Largoの方が『遠き山に日は落ちて』の原曲として有名です。

八王子市民には、夜九時半になると唐突に鳴り響くので有名。(笑)


なんとなく強そうという理由で、名前を拝借しました。


あと、この度ブクマ100を達成しました。

意外と好評なのね……ありがとうございます!(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ