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第十三話「別に魁たりしないけど、勝ち抜けタイマンってお約束だよね?」①

 そんな訳で、第十層のボスルーム。

 私は両腕を組んで、敵が来るのを待ち構えていた。

 

 隣にはエスト、リアンとルーシュ、それにルスカもいる。

 

 ダニオは陰険な罠とかで全滅させるとか言ってたんだけど、私がぶん殴って黙らせた。

 

 だって……さすがにイラッとした。

 ……調子に乗って、自分から喧嘩売った挙句、魔王様に泣きついて、卑怯な手段でハメ殺しとか、酷いにも程がある。

 

 ガチな相手には、相応に真面目に相手してやるのが礼儀ってもん。

 

 私らも氷結ダンジョンでは、騙し討ちまがいの事やったけど、正々堂々と戦ったと言う自負はある。

 そもそも、相手は不死の怪物だったのだ……魔王様の持ち出した不死者への対抗策が功を制しただけの話。

 

 恥じるような事など何一つなかった……慢心していた相手が悪い。

 と言うか、一国滅ぼして平然としてるような奴なんだから、討伐されて文句言うなと言う話。


 殺す以上は殺される覚悟はするべきなのだ……ダニオも誰も死なない仕組みとか作るくらいだから、その辺の感覚解っちゃいない……私には、遠い過去……人間を殺しまくった記憶がある。


 最後には逆に追い詰められて……雪の中で……あの時、最期を看取ってくれた人。


 あれはどんな人だっただろう……?

 

「……ロゼっちさぁ……私、色々言いたいことあるんだけどさー」


 隣のエストがジト目で睨むながら、文句を言ってくる。

 私も物思いにふけっていたのを強制的に引き戻される。


「あはは……立場がおかしいって言いたい? 解るよ……うん、だから手伝わせてゴメンって言ってるじゃない!」


「しかも、なんで十層のボス部屋で迎え討つ訳? これじゃ私らがボスキャラみたいじゃない」


 うん、ボスキャラです。

 

「……なんか、ボクら……臨時ガーディアンってなってますね……「黒の氷雨ブラック・レイン ルーシュ」とかなんか、カッコイイです!」


 ルーシュがステータスを見ながら、そんな事を言う。

 ちなみに、私は「迷宮守護者ガーディアン 真紅の鬼神レッドオーガロゼ」とかなってる。

 

「わたしは、「天秤の癒し手」だそうです……これって二つ名って奴ですよね!」


 レインはなんだかご機嫌な感じである……エストはなんて書いてあるんだろ?

 横からステータスを覗き込んで見る。

 

 ……「蹂躙する破壊魔」? なんか凄い称号……。


 確かに、こないだラッシュアワー状態のスケルトンの群れに突っ込んで蹴散らした勇姿……ピッタリな感じだけど、本人的には不服らしい……引きつった顔でプルプルしてる。

 

 これはあまりに触れないほうが良さそうだった。

 

「ロゼたん先生っ! 言われたとおり素通しにしたから、連中そろそろやって来るお! ホントに俺氏見てるだけでいいの? 黒い三連荘も加えたっていいのよ?」


「いいじゃん……こう言うのって、燃えるし! お祭りみたいなもんなんだから、楽しませてもらうからっ! と言うか……反省してる」


「そうです! ロゼさん、守護者としてのデビュー戦です! 私達のためにがんばってください! 死んでもちゃんと死に戻りするんで、安心して散ってください!」


「ロゼたん、散ったら形見としてパンツくらいは拾ってあげるお!」


「散ってたまるかバッキャローッ! あと、ダニオは死ねっ! 一回と言わず、二度三度くらいっ!」


 微妙な後ろの連中とやり取りをしていると、赤、青、黄色、緑のカラフルな武者がボスルームへと入ってくる。

 

「貴様らがこのダンジョンの守護者か! なんだ……子供ばかりではないか」


「ふん、馬鹿にしてると返り討ちにあうわよ?」


 そう言って、先頭の紅いのと睨みあう。

 

「……ふん、いい闘気をしているな……。


「どうするの? 一斉にやり合う? 言っとくけど、私達は強いからね!」


「……見た目は幼子のようでも、侮れん……そう言うことか……そうだな、4対5……一斉に入り乱れて戦うのも一興だが、ここは一つ……一騎討ちと洒落こまんか?」


「なにそれ? こっち一人あぶれるんですけど?」


「なぁに、順番に一人づつ戦うのだ……勝ったものは次の相手と戦う……最終的に全滅した方が負け……解りやすかろう? そちらは5人だが……ちょうどいいハンデと言う奴だ」


 ……おお、なんか王道展開だこれ! 先鋒、次鋒って感じで勝ち抜いていくとかそんな感じ?

 

 燃えるじゃないの……なら、一番は……。

 

「面白いわね……なら、先陣は私がいただくわっ!」


 ドンとばかりにエストが両手剣を下向きに構えながら、前に出る……ありゃ、先越された……。

 まぁ、エストってそう言う娘だし、ここは華を持たせるか……。


「……解った……エスト、先陣はあなたに譲る事にするわ!」


「そう来なくっちゃ……せっかくだから、ロゼっちは大将でいいんじゃない? いつも、あんたが暴れて決めるとか、面白くないし……たまには、皆を頼っていいんじゃない?」


「……えー? 一番最後? 二番目が良かったのに……リアンとかルーシュなんて、一騎討ち向きとか出来るの?」


「ロゼお姉さま! ここはわたし達も頑張ります! いつも守られてばかりなんて嫌です!」


「僕は……なんでもいいけどね……まぁ、こう言うのも面白いしね」


 やる気満々なリアン……ルーシュもそれなりにやる気らしい。


 ルスカは……なんか、妙にやる気らしくキラキラした目で頷いてる。

 

 でも、この三人が殺されたりするのって、いくら死に戻り出来るからって見たくないなー。


 エストは……一番に散るのが役目だから、別に構わないけど。

 

「あのさ……一騎討ちって相手が死ぬ以外の決着って無いの?」


「うむ! 降伏は認めるぞ……刀折れ矢尽き、戦う力を失った場合も同様だ……我らは貴様らのダンジョンマスターとは違う……我ら武士なり、いかなる場合も正々堂々と戦う所存なりっ!」


 ダニオ言われてるよ?

 こいつら、結構良い奴らっぽい……いいな、こう言う戦い……何て言うか血が騒ぐ。

 

 私って、鬼神族って人外なんだけど……こう言うのって、血は争えないって言うのかな。

 たーのしーっ!

 

「ならば、先鋒は我が行こう! 我こそは、四天王が一人氷結の蒼牙である! 貴様も名乗りくらい上げてみせろ!」


 そう言って、青い武者が前に出る……おーおー、なんかカッコイイ!

 

「見事な名乗り、拝聴つかまつった! 我が名は青騎士エストリア! 聖国の守護者の一人である! 我が名を恐れなくばかかってくるが良い!」


 そう言って、エストが珍しく兜まで被ってのフルアーマー装備で前に出る。

 視界が悪いとか暑苦しいとかで最近、あんま使ってなかったんだけど……。

 

 結構、ガチでやる気らしい。

 

「ふむ……奇遇にも同じく青の名を関する者同士であったか……悪くない! 各方……一騎討ち故手出しは無用であるぞ!」

 

 向こうの三人とこっちの私を含めたメンツは壁際まで下がる。

 

 エストの戦いが始まった!!

更新間隔空いてますけど、エター化はしないと思います。(汗)

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